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夢。買/売ってくれませんか  作者: 浅宵 黎明
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現実・Ⅰ

 私は国語の時間が大嫌いだった。どの小説も主人公に何か良くないことが起こり、なにか行動を起こし、最後はハッピーエンド。教師が読ませる小説はどれも在り来りでただの夢物語。読ませるだけなのであれば私は国語を嫌いにはならなかっただろう。苦手にはなっていたかもしれないが、それのがまだいい。ただ、読ませた後の

「それじゃあ、この主人公の気持ちになってみようか」

「筆者はどんな思いでこの小説を書いたと思いますか」

 なんていう質問が大嫌いだった。

 私は主人公でも筆者でもない。ただの読み手。教師のくせに何故それが分からないんだ。なんて考えていたこともあった。主人公、筆者の気持ちになって答えたとしても間違い扱いされて返ってくる。私の手元には毎回、大きくバツのついたテストがあった。

 それが昔の私。今は高校生になり進路について考え始める時期。周りが進路の話をしている中いつまで経っても進路が決まらない人がどの学年、どの地域にもいるだろう。そのうちの一人が私だ。だってしょうがない。行きたいところがないのだから。もともと私は高校に行くという頭がなかった。好きなことをして好きな職に就いて好きな時に死のう。そう考えていたから。そのためには勉強が必要だと言うこともわかっていたからしっかり勉強し、順位も成績もまぁまぁ。家事もできる。いつ一人暮らししても問題ない。どんな家に住もうかな、こんな生活がしたいな…お酒が飲めたらオシャレなバーに行ってそ…とかいう夢を授業中に見てる人は私だけでは無いはずだ。きっとそう。夢を見て少しばかり心が満たされ、先生の一言で現実に戻される。いい所だったのに。大きな夢を見なさいと言ったのは貴方たち大人ではないか。夢を見れば幸せになれるのか。大人がいれば良い未来に行けるのか。正解は分からない。でも。ただひとつ言えることがあるとしたらこれだろう。

 「両方なくなってしまえば幸せなのでは?」

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