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若き高潔なる冒険者ブランドン&フィンリー姉弟の継承の物語

英雄の剣 ブランドン・アレキサンダー


職業·新人冒険者ビギナー・ストレンジャー

種族·人間ヒューマン

MBTI:ESTP

アライメント 混沌·中立


死そのものを意味する、大陸において最高の危険度モルスと数多の図鑑に記された金竜と死闘を繰り広げた後、相打ちになって戦死した、偉大な(フラウス)の冒険者である父親マークの血を引く少年。

無鉄砲に行動する怒りっぽい性格で体を動かしたり、友達と遊ぶのが大好きな子供らしい子供。

若さ故に父親の死を受け入れられずにいたが、成長してからは姉フィンリーと共に


「父親の背に追いつく」


のを目指し活動するも、なかなか最下級の白色アルバスから脱却はできずにいる。

後年は父親の遺品である武具を手に、勇者の姉フィンリーの敵を討つ剣、魔から姉を守護する盾として力を奮った。




勇者の杖 フィンリー・アレキサンダー


職業·新人冒険者ビギナーストレンジャー

種族·人間ヒューマン

MBTI:INFJ

アライメント 中立·善


死そのものを意味する、大陸において最高の危険度モルスと数多の図鑑に記された金竜と死闘を繰り広げた後、相打ちになって戦死した、偉大な(フラウス)の冒険者である父親マークの血を引く少女。

マーク死没後の母親の変化を敏感に察したり、短気な弟を冷静に諭すなど、子供らしからぬ達観した価値観で周囲と調和を図る、聡明で芯の強い性格。

しかし礼儀や配慮を重んじるが故に、自らの主張や考えを我慢することも。

内心に隠された情熱はブランドンにも負けず劣らずで、父親との温かな思い出を胸に新たな時代の雄となるべく、家事や学業、父親の書斎の読書の傍らに冒険者の日々を送る。

後年は勇者フィンリーと呼ばれ、父親同様に多くの国々や街に平和をもたらし、大陸の歴史に名を刻んだ。




七色の魔術師 ロバート


職業·魔術師ウィザード

種族·人間ヒューマン

MBTI:ISTJ

アライメント 秩序·悪


かつて腕の立つ占い師の老婆に特異な虹の髪色と七色の魔術を操る類稀な才能から〝奇跡の子〟、〝予言の子〟と称賛された、才覚溢れる中堅冒険者の青年。

上級冒険者である赤色ルベルとなる条件を満たせぬまま長年緑色ウィリディスで停滞し、挫折の末にいつしか夢を諦めてしまうも、心の中ではまだ〝奇跡〟を叶えたい気持ちが燻り続けている。

父親に追いつきたい、超えたいと公言し、〝奇跡〟を信じるブランドン&フィンリー姉弟に並々ならぬ嫌悪感を募らせており、遭う度に辛辣な発言を繰り返し悪態をつく。

屈折した人格ではあるものの、長年冒険者として活動した実力と経験、訓練と準備を重んじる堅実な性格が、ギルド内で評価されている。

後年は再び赤色ルベルの冒険者を目標に励みつつ、ブランドン&フィンリー姉弟を影から支え頭角を現し、〝奇跡の子〟の予言を現実のものとした。




烈士が背を預けた斧術師アックス・マスター ディラン


職業·戦士ファイター

種族·人間ヒューマン

MBTI:ISFJ

アライメント 秩序·善


死そのものを意味する、大陸において最高の危険度モルスと数多の図鑑に記された金竜を相手に、英雄マークに同伴し死闘を繰り広げた仲間で、逆立った灰髪に白髪の混じり始めた、何の変哲もない片手斧を巧みに操る、赤色(ルベル)の中年熟練戦士。

糸のような細目とサングラスが特徴的で、穏やかな微笑みを浮かべつつ、20年来の戦友の忘れ形見であるブランドン&フィンリー姉弟を陰ながら見守る。

温厚な性格で滅多に怒らないが、それ故に彼の激昂した姿に周囲は震え上がるという。

重鎧を身につけているとは感じられない軽快な足捌きで、魔物や暴漢との距離を保ちつつ的確に弱点を突き、相手を制するスタイル。

英雄マークに冒険者の階級や功績で及ばず、彼に対して


〝果たして自分は並び立つに相応しいのか〟


という負い目があったが友の背に追いつくべく、地道に余生を歩む。

後年は親友の獅子奮迅の活躍を各所で語る傍ら、文筆の方面でも活動を始める。

彼の執筆した他界した俊傑の友人や自身を含めた勇猛なる冒険者たちの逸話、英傑の血を引くブランドン&フィンリーの成長と挫折、栄光の物語が、後世の人々に勇気と希望を与えた。

―――アレキサンダー一家の父マークとの死別は、あまりに唐突に訪れた。

マーク・アレキサンダーは冒険者ギルドから発行される全11種のギルドカードの中でも上級冒険者の証、街では唯一の黄色(フラウス)の冒険者と呼ばれた大陸有数の人材であった。

大陸においては栄えてもいなければ寂れてもいない、かつては痩せた土地であり、安寧を求め未開の地を彷徨う放浪者が行き着いたとの建国の歴史を持つ、ブドウの栽培で栄えるワカブンドゥス公国。

そんな穏やかな国に飛来した、遭遇と交戦をすれば死そのものを意味する最高危険度モルスに指定される、魔毒竜や銀鱗竜に匹敵する力を有する金竜に、マークは挑んだ。

金竜の鱗を剥ぎ取れば国興しすらできてしまうほどの富を得られる。

そんな噂を耳にした金に目のくらんだ冒険者や荒くれ者たちは、こぞって金竜に挑んだと紡がれる。

……だがヴォートゥミラ大陸の歴史にて金竜の降り立った地は永劫に燃え盛る炎に包まれ、溶融した金が大河の如く流れ、暮らしていた人々の死屍累々の惨状が広がるとの逸話が残されていた。

金竜到来後に七日七晩続いた、夕暮れでもないというのに紅に染まる空が澄んだ青を取り戻し、鼓膜を震わせる地鳴りのような咆哮が途絶えた瞬間―――ワカブンドゥスの民は人間の勝利を確信した。

マークは瀕死まで追い詰めた金竜の業火に焼かれた後、巨大で鋭利な爪に引き裂かれ絶命したが、古の伝説に打ち勝ったのだ。

幸いにもマークが命を賭して竜と刺し違え、未然に街への被害を防いだおかげか行き交う人々は、生き延びた冒険者たちの険しい顔とは対照的に、安堵の表情を浮かべている。

マークの仲間の懸命な治癒と腕利きの鍛冶師の手により、原型を留めた遺体と傷1つない形見の武具を受け取った。

一家に対し、言葉少なに


「必ず生きて帰る」


と金竜討伐前に交わした約束を破ったマークに縋りつく妻の姿に、周囲も憐憫の情を禁じ得なかったという。


失意に暮れた母親と姉フィンリーは葬儀の際に瞳を潤ませるも、ブランドン少年は死を理解するには若すぎるが故か。

目頭が熱くなるも、泣きはしなかった。

哀傷癒えぬ彼らにも平等に歳月が過ぎ、毎週末に母親に連れられ、ひときわ立派な墓石の前で日々の出来事を報せる。

少年もその日だけはたった数年間の父親との記憶を呼び起こし、前途ある若者らしからず過去を振り返った。


そういえば一緒に家の留守番をしてる間、一緒にトランプをしてもらったっけ。

庭でボールを投げて遊んだ時には父ちゃんが力を入れすぎるせいで、すぐに何個も壊れて大変だったな。


「母さんには内緒だぞ?」


と、菓子を買ってくれたこともあったような……


1つ1つの追憶は決して全てが公国で唯一の黄色の冒険者の、〝英雄としての父親〟の素晴らしさを物語るようなものではなかった。

むしろ息子と娘にゲームで負けても認めず、理不尽に怒られた経験が蘇ったり。

ボールを壊したのを自分のせいにされたり。

その場では有耶無耶にしていた怒りが、沸々と湧いてきたりもした。

けれどもそんな日々も今になっては笑い話で、満ち足りていたと感じ始め……

日常の些細な幸福は二度と訪れることなく、思い出は次第に色褪せ、記憶の中の父親の顔には埃が覆い被さり、声さえも朧気になっていく。

風雨にさらされた岩が徐々に削られ、いつしか跡形もなくなるように、記憶の断片は虚無に還る。

親しい者の脳裏からも消え去れば、最後には何も残らない。

そうして幸福だった日々を反芻し、次第に父親の記憶が薄れていくのを実感すると同時に、人の死の何たるかを受け入れられた瞬間―――ブランドン少年は大粒の涙を浮かべていた。


「……うぅ、父ちゃん。まだ冒険の話とか聞きたかったのに、遊んでほしかったのに……なんで、なんで死んじまったんだよぅ……」


泣き崩れる少年を艶やかなブロンドの長髪を靡かせ、フィンリーが肩を抱き寄せた。

普段はしっかりした彼女に叱られて姉に悪態をつく天真爛漫な子供の姿はそこにはなく、目標とした父親の死没に胸を締めつけられる年相応の少年が、小さな体を小刻みに揺らすのだった。


「……俺、絶対に父ちゃんに負けない冒険者になってみせるから……だから俺のこと見ててくれよ……父ちゃん……」

「そうだね、ブランドン。お父さんが安心して旅立てるように……私たちの名前を死後の世界にまで轟かせようね」


少年と少女が墓標に誓うと一陣の風が吹き、それと同時に爽やかな植物の芳香が鼻に充満する。

きっと父親が生きていたら彼らの笑顔のために奔走し、植物でも手渡してそれにまつわる小話や知識を披露して、2人を喜ばせていたことだろう。

その風にブランドンとフィンリーは哀しみを心に押し留め、気丈に前を向く息子と娘を慰めようとする、不器用な父の愛を感じ取るのだった。




続きは完成次第、noteにて有料で販売します。

興味のある方、作者を応援してくださる方はぜひご購入くださいませ。

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