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第3話 大賢者王都を探索する

――あれから俺はコツコツと森でレベルを上げ6年が経過し、俺は12歳になっていた――


「ノア、忘れ物はない?持ち物はちゃんと持った?」


「ノア、父さんが大事にしていた入学のコツは気に入らなかったら潰す、これだけだどうだ?簡単だろう?」


父さんは相変わらず脳筋だな。


「ほらバスラ、弟に別れの挨拶をしなさい」


「フンッ、お前みたいな最弱紋がこの過酷な世の中で通用するとでも思っているのか?やっとおまえが旅立つ日が来て清々するぜ」


「こらバスラ!何てこと言うの!今日のあなたの昼御飯は抜きにしますからね!」


「ちょっと待ってくれよ母さん、俺が悪かったから、謝るからそれだけは勘弁してくれよ」


「私に謝るんじゃなくてノアに謝りなさい」


「悪かった、あっちでも頑張れよ」


こいつは一体何なんだ?昔まではゲスの極みみたいな奴だったのにこの6年でずいぶんと丸まったな、まあ良いことだ放っておこう。


「もうそろそろ馬車が来る時間じゃないか?」


「最後にノアこれをあなたに上げるわ、これはお守りよお守り、無事にまたこの家に帰って来れますようにって丹精込めて作ったの!」


「ありがとう母さん」


遠くで馬車の音が聞こえる。


「ちょうど馬車が来たな、達者でなノア」


何だか悲しいのか嬉しいのか分からない心境だ、この温かい家で暮らしていても良かったが俺にはやり残してきた夢があるんだ。そう、別次元へと挑戦すると言う大きな夢がな!


「それじゃあ、行ってきます!」


「「「行ってらっしゃい!」」」


温かい見送りを受けた俺は馬車に乗り王都へと向かう。


「お客さん、馬車の上なんて場所にいたら危ないですよ責任は取れませんからね」


「あぁ、問題ない」


馬車の上は直に太陽の光が浴びれて心地良い、昼寝する場所としては最適な場所ではないだろうか。


「あぁ、何て平和なんだ」


思わず心の声が漏れる。


しかし俺が転生する前は戦争なんて日常茶飯事だったし何なら俺も巻き込まれていた、正直なところ俺は戦争みたいな殺し合いは嫌いだ。

だが転生してからの生活は自由自適で最高の生活を送れている。


――それから暫くの間心地よい太陽の光を浴びながら昼寝をしていたら――


「お客さん、もうすぐ王都ですよ」


「分かったよ、ありがとう」


もう着いてしまったのか、もう少し昼寝がしたかった所ではあるがそんなことをしている暇はない何故なら大事な入学試験があるからだ。


が、しかし時間がそこそこ余っているので王都内を見て回ろうと思う、一旦雑貨屋にでも行って俺の収納魔法に入っている素材達を売って多少の金にでもしたいものだ。


それにしても王都は広いな、まぁ飛んでいけばすぐだしどうでも良いがな、《飛行》やはりいつになってもこのフワッと浮く感覚がどうにも違和感に感じるがどうと言うことはない、ひとまず雑貨屋へでも行くとするか。


ふむ、やはり飛べばすぐに着くな。


「すいませ~ん、素材を売りに来たんですが」


「は~い、いま行くのでちょっと待ってちょうだいね」


奥から店員が走ってカウンターへと向かってくる。


「いらっしゃい、見ない顔だね旅人さんかい?」


「いや、学園に受験しに来た学生だ」


「そうなのかい、じゃあギルドカードを見せてくれるかい?」


「ギルドカード?何だそれは」


「ギルドカードを持ってないのかい?こりゃ参ったね、ギルドカードは王都内のギルドで発行できるから作ってきな、ちょっと手続きするだけだから」


面倒だな、だがこれから王都で暮らすにあたっているのかもしれない、一応作っておくか。


「分かった、そのギルドとやらはどこにある?」


「町の中心だよ大きいからすぐに見つかる筈だよ」


「では作ってくるとしよう」


「またのお越しをお待ちしておりま~す」


気さくな店員だったな、さてギルドカードとやらを作りに行くか。たしか王都の中央だったか?飛んでいくか。


もう着いてしまった、移動は飛ぶに限るなでもたまには馬車のようにゆったり出来るものも良いな。とりあえず作るとしよう。


そんなことを考えながらギルドの大きな門を開ける。


「すいませ~ん、ギルドカード作りに来たんですが」


中には屈強そうないかにもゴリラみたいな奴らがウジャウジャいた。


するとそこに2メートルは越えているであろうガタイのいいおじさんが声をかけてきた。


「お?兄ちゃん、1人でギルドへ来てなにするつもりなんだい?」


「ギルドカードを作りにな」


「ギルドカードか、ならここをまっすぐ行って右に曲がったらカウンターがあるからそこで受付して貰いな」


「分かった、情報ありがとう」


人は見た目で判断しちゃ行けないんだな。


俺はそのまま言われた通りにギルド内の道を進んだ。


「あの~ギルドカード作りに来たんですけども」


「はいは~いちょっと待ってくださいね、いま行きますから~」


すると奥からギルド職員と思われるお姉さんが出てきた。


「お待たせいたしました用件は何ですか?」


「ギルドカードを作りに来た、ここで作れると聞いてな」


「ギルドカードですね、それじゃあ簡単な手続きとこの魔力計測器の上に手をかざしてください、じゃあ能力を計っている間に手続きしましょうか」


魔力計測器か、俺が転生する前もあったな。

転生前の俺の魔力は6億程だった筈だが今はどれだけの魔力があるのだろうか。


俺が計測器に手をかざした瞬間。


『バギッ』


鈍い音を立てながらガラガラと崩れる魔力計測器。これには受付のお姉さんも目を子犬のように目を丸めている。


「えっと~これってどうなんですか?」


「数年ギルドで働いてますけど魔力計測器が壊れるなんて事は一度も無かったので私にはちょっと分かりかねます、申し訳ありません」


「つまり、ギルドカードは作れないと?」


「はい、そうなってしまいますね大変申し訳ありません」


作れないなら仕方がない、ここは一旦諦めるとしよう、絶対にギルドカードが必要になるわけでもないだろうしな。


そんなことを考えながらふと時計を見る。


「もう11時30分か」


あと30分で定刻だ、時間と言うものは過ぎるのが早い。


「それじゃあギルドカードが必要になった時にまた来ます」


「申し訳ありませんでした、次にお越しになる際にはもっと強力で頑強な魔力計測器を用意しておきますので、またいつでもいらっしゃってくださいね」


後ろに手を振りながらギルドから出る。

何だったんだあれ、かざしたら壊れてしまうなんてどんな脆い魔力計測器なんだ。

もう昔より魔力量が多くなっているのかそれとも魔力計測器が脆すぎただけなのか、どっちなんだ。


そうして俺は学院へと足を運んだ。

しかし俺は後々気づくことになる、何者かに遥か後ろから監視されていたことを……。

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