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その日私は初めて人間の生活を知りました。

 その日私は初めて人間の食べ物を食べました。


 初めての人の食事を終えた私はせめてものお返しにと思い、お姉さんが前の私のお家を磨いていたように食器を洗いました。

 手に当たる水は真水であまり馴染みが無い上にとても冷たく、私の元のお家の水とは別物のように感じます。

 その間、お姉さんは早めに食事を済ませ<お風呂>にお湯を入れていたそうです。

 私が晩御飯を食べて終わったら食器を全部一緒に洗おうと思っていたのに、私が先に洗っていたのでお姉さんはとても喜んでくれました。


 さてやることにひと段落ついた私はふかふかな椅子に深く座り、テレビの音をBGMにこれからのことについて考えるとします。


 多分、私がこれから何もしないと選択すれば、このままお姉さんにお世話にさえなればどうにかなるでしょう。

 ただ私は何も<人間になりたい>から人間になりたいと思ったわけでは無いので、とにかくこの世界の常識なんかについてのお勉強です。

 幸いなことに何故だかは分かりませんが生活の超基本動作は体が動いてくれますし、お勉強した覚えのない計算や歴史も少しは分かります。

 …少しと言ってもなかなか膨大で実は私の頭はパニック寸前です。


 とは言っても実は私はクラゲとして16年生きてますし処理できない問題はありません。

ちなみにクラゲは不死身なので16年程度ならどうということはありません。

 お姉さんは28歳らしいので、私が生まれたのはお姉さんが12歳の頃ということになりますね。

  私が7歳の頃にお姉さんが私のお家のお掃除をしてくれるようになったので、かれこれ9年間のお付き合いです。


 …話が逸れてしまいました。

とにかく私が覚えないとならないのは人間の世界の物やルール等です。

このあたりの知識も計算や歴史のように備わっていれば楽なのに…なんて思う反面、数式なんかを覚える苦労を考えるとこちらの方が良い気もします。

 

 とはいっても今のところ数式なんて使いどころがちっとも訪れませんが。


そういえば

「お姉さ……ん?」


 先程までお姉さんの座っていた場所には誰もいませんでした。

まぁ先程といってもそれなりに長時間考え事をしていたので、10分は経っているかもしれません。

 お姉さんは何処へ行ったのでしょうか?


 …と考えていると洗面所があると言っていた方からガラガラと音が聞こえてきます。


 しばらく音のした方を見ていると、髪を水分で湿らせたお姉さんがリビングに戻ってきます。

服はさっきまで着ていた服……水族館の制服とは違いゆったりとした服を着ています。


「お風呂行ってきた~。くーちゃんも行っておいで~……あ、使い方分かる?」


分かりません。そもそもお風呂がなんなのかすら分かっていません。


お湯を入れて、髪を濡らして、服を変える。それくらいしか情報がありませんし。


「んー、じゃぁ教えるから私の後ろについておいで~」


 ということでお姉さんの厚意に甘え、お風呂の案内をしてもらうことにしました。


「…でここを捻ったらお湯が出る。おっけーかな?」


「おっけーです。」


 お風呂の説明を受けた私は早速服を脱ぎ、体をお湯でサッと流してお湯に浸かります。

お姉さんはお湯を溜めるのがめんどくさくてシャワーというものだけで終わらせるらしく、お湯を入れたのは私の為だとか。


 感謝を噛みしめながら、親しみのない真水に口元まで浸かりぶくぶくと息を吐きます。


…としばらく浸かっていると、今度は外に出るのが辛くなってきました。

お風呂は暖かいのに外は冷たいからです。

 とはいってもいつまでもこうしていれるわけでは無いのでしぶしぶ外に出て髪や体を洗います。


 クラゲの頃はそもそも無かったのでなんとも思わなかったのですが、今の人間の姿だと長い髪があるため、洗うのがちょっぴりめんどうくさいです。

でもすぐに慣れると思うので今だけの辛抱です。さて体も洗って終わったのでタオルをとります。


…がタオルのある場所はお風呂の部屋の外なので更に寒く、腕にぽつぽつまでできてしまっています。

こうなれば自棄です。

 サッと体を拭くと慣れない手つきで服を……服が無くなってる?


「ごめんごめん。あの服洗濯してるからこっち着ちゃって~」


 なんていいながらお姉さんが通路からのんびりこちらへやってきます。

多分私がドタドタしていた音を聞いてきたのでしょう。


 それはとっても嬉しいのですがお姉さんは服を抱えたままぼーっとしています。

とにかく寒さで震えが止まりません。


「あ、ごめんごめん。はいどうぞ!」


 笑うお姉さんと凍える私。


 ようやく渡してもらった服を慣れない手つきで着ていきます。

服を着た後はドライヤーというもので髪を乾かします。


 しばらく暖かい風を浴びているとなんだか眠くなってきました。

これはまずいと思い、髪も乾いてきたのでリビングに戻ります。


「お風呂出たんだね。お帰り~。…テレビ見る?それとも寝る?」


「ちょっと眠いので…寝ましょうか」


「りょーかい。布団だしてるからそこで寝ちゃって~。あ、布団の上に布団って書いてるから。」


二階を指さすお姉さん。つまり二階にあるんだろうと思い階段に足をかけたところで…


「今日は色々ありがとうございました。おやすみなさい。」


「ん~。おやすみ!こちらこそありがとうだよ~」


 と16年間かかしたことのない寝る前の挨拶も行い階段をパタパタと登っていきます。

二階に出るとドアが3つあったのですが、ひとつだけ開いていたのでいたので多分これだろうと思い足を踏み入れると……ありました。


布団と書かれた紙をとってなんとなく裏を見ると布団の使い方も書いてくれていて、三枚中、上の二枚の下に入って寝てと書いてあったのでその通りにすっぽりと入り、天井を見ます。


 今日は本当に色々あったなぁなんて思っているとだんだん瞼が重くなってきて……

第3話!ひゅーひゅー!

さてここまでお付き合い頂きありがとうございます。

これからも学校の合間に書き進めて、今日と同じくらいの時間には投稿できるように努力します。

最後に告知を少々。

新ホラー小説、「DEATH NOBILTY ~アルムの食人鬼~」の執筆を開始しました。

12歳の貴族育ちのアリスは平和な日常を送っていたが、突然屋敷内で家族の残虐死が相次ぎ…


とりあえず、青春系、異世界転生系、恋愛系と書いてきたのでここらでホラーにも手を出そうと。

是非そちらもお願いします!日曜日の7時ごろに1話投稿予定です

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