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0ー 転生者は、二度殺される



 とある世界の、日本という名の国。

 その国の都心部近郊で暮らす、ごく一般的な男子高校生。

 事の発端は……。

 平日お昼頃の時間帯に体調不良で学校を早退し、駅前から広がる人波の中を一人で帰宅していた時のことだった。

 目の前の歩行者信号は、赤色。

 信号表示に従って交通量が多い道路の前で止まり、信号待ち集団の中の先頭でスマホを操作しながら、表示が変わるのをチラチラと確認して待っていた。

 次の瞬間。

 背中に生暖かい何かが触れたかと思ったら……。


 突如として────何者かに、押し飛ばされた。


 あまりにも突然の出来事に踏ん張ることも出来ず、一歩、二歩と前に踏み出してしまった時には……自分の命運は決定付けられたのだろう。

 歩道から車道へと飛び出したと同時に、道路を走行するマイクロバスがすぐ目の前にまで迫っていた。

 そして。



 次に目を覚ました時────彼は、見覚えのない空間に立っていた。



 大理石が敷き詰められたような滑らかに煌めく、広い空間。空間の奥には、階段状の段差と荘厳な玉座が配置されており、誰か偉い人が座る……即ち、謁見室のような場所であることが、何となく想像出来る。

 現に、その玉座には……一人の豪勢な衣類を身に纏う女性が、頬杖を付いて腰掛けていた。

 女王様、だろうか。

 目覚めたばかりのせいか、視界が霞んでよく見えなかったが……玉座から立ち上がった女王様らしき人物は、優しげな口調で、こう声を掛けてくる。


「『異世界』へようこそ。名も知らない『転生者』よ」


 『異世界』……『転生者』……一体、何のことだと、その女王様に尋ねようとした時だった。

 突如、周囲を甲冑姿の兵士らしき者たちが取り囲み、その手に握られた槍で……。


 ────全身を、幾度も串刺しにされた。


 訳の分からないまま、抵抗する間もなく恐ろしい襲撃を受けた少年は力無く倒れ……そこで、初めて周囲の状況を目の当たりにする。

 自分と同じ様に、兵士たちに串刺しにされた者たちが……この謁見室には、無数に転がっていたことを。


「そして、()()()()()。ありがたく思え。お前たち『転生者』が授かった『恩恵チート』は────この『オリスト第三皇女』が貰ってやる」


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