化けくらべ
寒くなりましたね
私は電車で職場まで通っているのですが
インフルが流行る、この冬ね
予防の為にマスクつけているんですよ
私は目が悪くて眼鏡を掛けていましてね
しかも、鼻の具合も生来あまりよろしくなくて
マスクして眼鏡を掛けておりましたらね
度々、こう、、曇るわけなんですよ
曇った眼鏡のままね
職場の最寄り駅まで行くわけなんですよね
マスクをして曇り眼鏡の女はみっともないですって?
私は別に気にはしてないのですが 笑
もう出会いも求めてはいませんし
いいのですよ 笑
曇り止めはしないのって?
勿論、している日もありますが
毎日のことでしょ
毎朝、化粧もめんどくさいタイプなのですよ 笑
すっぴんでも大丈夫なように
マスクだけをして家を出ることの方が多いのです
そんなズボラな女が眼鏡の曇り止めを
毎日できる訳はありませんよ 笑
いえ、決して私は女子力が低い訳ではありませんよ
どっちかといえば、かなり意識は高い方ですわ
今朝の話しなんですけどね
前に座っていた
高校生ぐらいの年齢かと思われる女子2人が居ましてね
この子達のメイクがとても奇抜だったんですよ
ゾンビを意識してるのかな?
今、何が流行っているのか私は知りませんけどね
ゴスロリで白い顔色に口の端から血塗りメイクしてね
目はあっちの世界に逝ってるような顔付き
ハロウインは11月なのに今は1月ですからね
こんなのが流行ってるんだと感心しましたね
いえ、私はとても似合いませんよ
だから真似はしませんし
羨ましくもありませんけど 笑
この子達は何に憧れてこんな格好しているのか
ちょっと、疑問でしたね
ゴスロリゾンビよりもオバQにしか見えないとこがね
おかしくて 笑笑笑
あら、またお口が滑りましたわね
で、曇った眼鏡から見える視界からね
とても不思議な世界が見えてくることがあるんですよ
これからが
よくお口が滑る私の作り話です 笑
「なぁ、爺、、、」
果たして日本の何処に
このような湖沼が残っているのか
作者も知らない場所
原生林が生い茂る
日本人が郷愁の念を抱く原風景
こんな感じかな?笑
ここで河童妖怪、太郎丸の昇給試験が始まる
しかも今度は太郎丸ひとりじゃない
他の妖怪達と一緒に合同試験
(狸と狐と、これ、そしてワイ)
そのメンバーがこれだ
太郎丸はおもいっきり不満であった
自分は特別
しかもなんでこんな奴らと一緒にと、、
自分は鬼、天狗と並ぶ日本三大妖怪のひとりと自負している
プライドが肥大した愚か者
「なんでワイがこいつらと一緒に試験受けなアカンのや!?」
太郎丸は憮然とした表情で聞いた
どうしても納得できない拘りなのである
「狸も狐も、これも、お前の同級生じゃろうが! 笑」
姿は見せず声だけが聞こえてきた
低く、よく通る美声である
姿を現したのは長身白髪哲学者風貌の爺さん
鋭い眼光に細面の端正なイケメン
すこぶる、めんどくさそうに答えた
このお爺さんの名前は譲介さん
譲介爺さんは妖怪ではなく幽霊
妖怪大将のぬらりひょんの片腕
そして太郎丸を採点する師匠であり教官である
「なんでワイが狐と狸と、、、これと、、、、、
競わなアカンのやって聞いてんねん!
狐も狸も獣やんけ!
ワイは水神様の御使い、河童様やで!!!」
太郎丸は気色ばんだ
譲介爺さんは静かにそしてあくまでもバカにしながら返答した
「減点な、敬語使えっていうとろうが、
儂はお前の師匠ぞ
口の利き方に気をつけろって何回もいうとろうが!」
冷たく云い放った
「それにお前とて獣じゃろうが、低能なゴキ虫が 笑」
太郎丸の一番嫌いな言葉である
条件反射でツッコミを入れた
「誰がゴキ虫やねん!」
「さあさあ、とっととやろうぜ、かったるいんだよ」
ダルそうな声が聞こえてきた
ガサゴソと草叢をかきわけて二匹の動物が入ってきた
「おいおい河童よ、お前は八百八狸って聞いたことないんけ?」
「妖狐の私を獣だと言ったのはお前か!たかが猿猴の分際でよ」
狸も狐も口上は
おもいっきり上から目線だが太郎丸と同じく半人前
その姿も能力同様に子狸と子狐である
女の子から圧倒的な人気が出そうな
抱きしめたくなる愛らしさはあるが
怖さは残念ながら皆無である 笑
太郎丸は、にやりとした
瞬時に自分の勝ちを確信したのだ
(こいつらには勝てる 笑)
太郎丸はもうひとつのあれに視線を移して聞いた
「で?なんでお前がここに居るの?」
「さあ、、呼ばれたから、、、」
「、、、、、、、」
こいつは、ええわ、、、
「おい、きつねとたぬき、ワイと化けくらべで勝負しようやないけ!」
子狸と子狐は同時にツッコんだ
「カップ麺みたいにゆうな!」
譲介爺さんもめんどくさくなってきたみたい
てきとうな試験内容を云った
「試験は簡単じゃ、人間が一番怖がるもんに化けてみろ」
「あそこの人間が腰が抜けるほど怖がらせた者の勝ちじゃ」
丁度、下には猟師が岩に腰かけて煙草を吸って休んでいる処
その横には猟犬が寝そべっていた
子狸は茶釜に化けて阿波踊りしながら猟師の前に現れたが
連れの猟犬に吠えられて
呆れた猟師に足元を猟銃で撃たれ
びっくりしながら帰ってきた
子狐は石の礫を猟師に放ったたが
またしても猟犬に吠えられて
怖くなりすぐに帰ってきた
太郎丸は考えた
こいつらアホやな、問題は人間やなく
あの犬ころやんけ
太郎丸は大入道に化けて猟犬の前に姿を現した
犬が吠えて
猟師が直ぐに大入道に向けて銃を放った
結局、太郎丸も狸と狐と同じく
犬に吠えられて猟師に打たれた結末
譲介爺さんは太郎丸に憐れみの表情で云った
「また落第じゃな、
だから人間の女の子にストーカーしては通報されて
Twitter社に何度もロックされるのよ、この変態河童 笑」
「なんの話やねん!」
太郎丸は悔しかった
また落第した、、
「長編の続きは全く書けずに
こういうのなら書けるみたいじゃな 笑」
「だからなんの話ししてんねん!!!」
「三人とも落第、じゃ~に」
譲介爺さんはなんの興味もなく
そう言い放ち姿を消した
これで試験は終了したのである
なんてお粗末な化けくらべだったの 笑
河童妖怪の太郎丸は
狸と狐と三つ巴の化け合戦を繰り広げて
もう疲労困憊であった(どこが 笑)
すっかり、もうひとつの相手を忘れていた
それは空気に溶け込み
完全に存在感を消していた
これは見た目があれでも
実は凄い大物妖怪ではないかと
太郎丸も内心ビビっていた
疲れた身体と心で勇気を出して聞いてみた
「あの、、間違っていたら申し訳ありません
貴方様は、、その、、コロッケにしか見えないのですが、、
どちらの大妖怪様でしょうか、、、、」
それは、のほほんと呑気に答えた
「うん?ぼくはコロッケだよ、きっとオチだとおもうよ」
「、、、、、えーと、貴方様は何に化けるのですか?、、、、」
「ぼくはこれに化けれるよ」
そこに出てきたのは
一杯のコロッケ蕎麦だった
その後、空から蕎麦屋の親父が大スクリーンで出てきた
器はガタガタ震えだした
親父のギョロ目がコロッケ蕎麦を見つけた
「また、てめいか!」
毎度バカバカしい御話しに付き合って頂き
ありがとうございます
どなた様も足元に気を付けてお帰りくださいませ