プロローグ
初心者です。多くの方に読んでいただけるとありがたいです。
「お疲れ様~乾杯~」
今は会社の打ち上げである。大きな仕事が終わって一区切りがついたことで打ち上げをすることになったのだ。酒が入ったことでみんな声が大きくなっている。
「飲んでるか~?大沼。」
俺の名前だ。本名大沼陸人。今のところなんの取り柄もない人生を送っている。そこそこの高校、そこそこの大学を出て、大企業の子会社に就職した。そしてこの打ち上げのきっかけになった大きな仕事は新商品の開発だった。それが成功し今に至る。
「もう十分飲みましたから。」
「俺の酒が飲めねえのか~?」
恒例の絡みだ。これだから酒は好きになれない。人の見たくない一面まで見えてしまう。この木村先輩も普段は真面目な良い上司なのだが酒が入ると残念な人に変身する。はじめての飲み会の時に驚いた。酒でこんなにも変わるのかと。あまりの酷さにこれは夢だと自己暗示してしまったほどだ。ここまで来ると先輩でもウザイ。いつもウザイ。なんとか切り抜けたいが。ここは穏便に済ませるためにと思案しているときに救いの手が差し出された。
「ハイハイハイ木村君は休んでてください。大沼君。木村君は私が押さえとくから。自分のペースで飲みなさい。こんなダメ上司の言うことなんて聞くだけ無駄よ。」
ナイス我が会社の少ない女性の一人朝霧先輩!彼女に救われたのは今回が初めてではない。前回も前々回も助けられている。もう男としての威厳がない。
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…………
……
飲みすぎた。これは日にちが経ってないのに二日酔いに近い。あのあとも木村先輩をはじめ他の先輩に強引にいや脅迫に近いもので酒を飲まされた。それはがぶがぶと。もうあんな地獄味わいたくない。
「あー頭痛ェー」
あまりの痛さに口に出てしまった。これは恥ずかしい。今日はホテルに泊まって一泊かな。遠くで人が叫んでいる。あの人も酔ってしまっているのだろうか?何をいっているのかハッキリ聞き取れない。これはさっさと寝た方が良いようだ。もう半分寝ているのだろう。そして夢を見ている。悪夢だ。だってこんなにも近くにトラックが迫っているのだから。こんなに近くになるまでトラックに気づかないなんてあり得ないのだから。まさか叫んでた人は俺に危険を知らせようと?もう遅いこれは死ぬ。ああ短い人生だった。ろくに親孝行もしていない。あれ?後悔することが少ない!?そして俺はトラックに轢かれ24歳という若さでこの世を去った・・・・・ことになっている。
本編は長くします。