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The World Break  作者: つっちー
Episode2 小鳥遊遊星
5/6

10階層での死闘

公園で色々あって何だかんだで能力を手に入れた僕。あれから3日経って僕はとりあえず普段通り生活をしてた。今日は金曜日、今日一日をとっとと乗り越えて休みたい...



暖かい布団から身体を起こし、寝ぼけたままで洗面台に向かう。蛇口を捻り出てくる水で顔を洗う。



パッチリと目は覚め、僕は朝食が用意されているリビングに向かった。



リビングのテーブルにはトーストと目玉焼き。それにホットコーヒーが置かれていてどれも美味しそうだ。





『いただきます。』




朝食を食べながらフッとテレビに目をやると生中継でとある事件がニュースで取り上げられていた。



僕はその中継に目を奪われた。



テレビの中ではまるでファンタジーアニメのバトルシーンのような戦いが繰り広げられていた。



ドラゴンが火を吐きながら空を舞踊っている。





『こちら現場の飯田です。現在10階層十死弾テロ対策本部前にいます。今朝の朝6時頃何者が対策本部を襲撃し、現在黒の十死弾 10の弾、十六夜十香(いざよいとおか)と戦闘中とのことです。


なお、十香さん以外の対策本部のメンバーは全員死亡が確認されており、襲撃犯の身元もまだ特定されていないとのことです。


情報が確認次第またそちらにお伝えします。現場からは以上です』





そう言うと画面がスタジオの方に切り替わってしまった。もっと見たかったのに気になるじゃないか。




朝食を食べ終え、時計を見る。時刻は6時15分。もうそろそろ出発する時間だな。食器類をシンクに入れ、歯を磨きに再び洗面台に向かった。



歯を磨きに終え、制服に着替えて身支度を整える。



僕は世界を変える為に同志を集めなくちゃ行けない。さてどうやって集めようか...さっきTVに出てた犯人とか仲間にならないかなーそんなこと思いながら僕は学校に向かった。









第10階層 十死弾テロ対策本部前



耳にかかるくらいのストレートの銀髪ヘアー



白いパーカーに黒のGパンを履いた美青年が十六夜十香と戦っていた。



『よくも、よくも私の可愛い部下達をッ!!絶対に許さない。煉獄の焔に焼かれて消えなさい。ゆけ!我が下僕サラマンダー!奴を焼き尽くせ!』




上空にいるドラゴンの口から灼熱の炎が噴出される。とてつもなく大きな炎が銀髪の青年を襲う。




『××××××。』




青年が何かを呟いた。そして青年は膝を曲げ屈伸をするかのようにグイッと身体を伸ばしそのまま飛んだ。するとみるみる男が小さくなっていく。圧倒的ジャンプ力で炎の中を一瞬で通り過ぎた服に引火した火も風圧で消えてしまう。



男とドラゴンとの距離が近づく。男は腰に取り付けていたナイフに手を伸ばす。スッと鞘から抜き取り右手にナイフを持ち構える。



ナイフの長さは約30cm。ナイフというよりも小刀に近い。とても切れ味の良さげで綺麗なナイフだ。





『切り裂くッ!!!』




青年が叫ぶ。思い切りナイフをドラゴンの首筋に突き刺さす。ジャンプした勢いが強過ぎたせいで肉を抉る。男はナイフに捕まり足をブラブラとしていた。





『しまったなーナイフで突き抜けるつもりだったのにどうしよう。これだったら殴った方が早かったかもなー。このまま地面に落下してもいいけど絶対痛いよな足の裏とか...よし決めたナイフは一旦捨てよう!』




そう言うと男は身体を前後に激しく揺らす。そしてそのまま手を離し飛んだ。



男は飛んだ先にあるドラゴンの鱗をガシッと掴みそのまま這ってドラゴンの背中まで移動した。





『うっし、準備完了だ。さて派手に行きますか!』





ぴょんっと軽くジャンプし右手を強く握りしめる。





『ぶっ飛べッ!!!』




そう叫びながらドラゴンの背中を思いっきり殴った。ドラゴンの鱗が粉砕し辺りに飛び散る。殴られた衝撃でドラゴンの背中が凹んだ。




『ダメ押しッ!!』




再び跳躍し、身体回転させ右足を大きく振りかざす。ドラゴンの鱗が再び飛び散りその巨体を落下させていく。



すとん、と背中に着地し青年もドラゴンと一緒に落下していく。




ズドォォォンと大きな音をたてながらドラゴンは地面に直撃しドラゴンは朽ち果てた。



青年はヒョイと飛び降り、刺さっていたナイフを回収する。その光景を見た十香が思わず口を開く。




『私の能力、"絵空事日記(フィクションダイアリー)"で創り出したサラマンダーを生身で倒すなんて...貴方何者よ!!』




声を荒らげて十香が叫ぶ。青年はふぅと軽く一息ついて、十香に向かって歩きながら口を開いた。




『俺の名前は小鳥遊遊星(タカナシユウセイ)。復讐の白騎士って所かな。俺は十死弾のことが憎くて憎くてたまらない...


あの光景が目に焼き付いて離れない。先生を目の前で殺されたあの日のこと、1日たりとも忘れはしない


十死弾全員を殺して俺は復讐を果たす。』




そう告げて、遊星はナイフを突き付ける。




『何が復讐の白騎士よ、私の"絵空事日記(フィクションダイアリー)"の前に跪きなさい!


"絵空事日記(フィクションダイアリー)"純黒の死神。さぁ、目の前の男を殺しなさい!』




十香がそう叫ぶと黒いボロボロのマントを纏い、鎌を持った死神が現れ、遊星を襲った。



死神が鎌を上から下に振り下ろす、遊星は持っているナイフで鎌を受け止める。キリキリと刃同士が擦れ火花が散る。



1度距離を取り、再びナイフを構え直す。



2人は静寂に包まれる。お互いにお互いを見つめ合う。目線、呼吸、挙動。隙を伺っている。



ギリッと脚を動かす。小石がコツんと落下したその刹那。超スピードで遊星が突っ込む。しかし死神もそれに合わせて鎌を振るう。遊星は持ってるナイフで鎌を受け流す。そのまま身体をくるっと回転させ流れるように死神の首筋をナイフで切り裂く。死神の首と胴体が分離し、首が宙を舞う。



そのまま右脚の裏で死神を蹴飛ばす。ものすごい超スピードで遥か彼方まで吹っ飛ぶ。そのまま地面を蹴って目にも止まらぬ速さで十香に接近していく。



『くっ、何なの!?"絵空事日記(フィクションダイアリー)"鋼の肉体!!私の肉体は鋼の如し強靭な肉体なり!』





その瞬間十香の肉体がまるで鋼みたいに銀色に輝き始める。それを見た遊星はナイフを腰にしまい右手に力を込める。





『来るなら来なさい!』




腕をクロスさせ脚を大きく開きどっしりと防御の耐性を整える。それを確認するなり、遊星は全力で右腕を振り抜く。ぐつっっと声を上げながら堪えていた。足と地面が擦れ摩擦で火花が散る。が、こらえ切れず十香が吹っ飛ぶ。対策本部の壁にぶち当たり壁が崩れ落ちる。



瓦礫がボロボロと十香を包む。





『"絵空事日記(フィクションダイアリー)"堕天使の翼!!』





瓦礫の山を吹っ飛ばし、天使のような漆黒の翼を広げ空高く舞い上がる。遊星の視界から十香が消える程空高くまで舞い上がる。微かにだが漆黒の翼が確認できる。





『ドラゴンや死神呼んだり、羽生やして飛んだりと...まるで魔法だな。さてっと。』




二ヤっと笑い膝を曲げ思い切り跳躍、対策本部のてっぺんに着地する。対策本部の屋上は地上から約1000m。軽々と飛んでみせる。



遊星は左手につけていた時計を確認する。時刻は6時40分。『あと、20分か...』そう呟ぶやいてスゥーと深呼吸をした。



目標まで距離3km程か...ここからなら羽根がはっきり見える。





『何を企んでるかは知らないけどここで消えなさい。"絵空事日記(フィクションダイアリー)"漆黒太陽(イビルブラスト)!!』



右手を宙に掲げ、黒いエネルギーの球体を大きく膨らませている。が、『させない。』そう遊星が呟いて飛ぶ。



フンッ、ここまで来れる訳ないわ...



瞬きをした瞬間、遊星が目の前に現れた。てっぺんから飛び立ってからはまだ1秒も経っていない。



馬鹿なッ!いったい全体さっきからわからない!何なの!?コイツは!!





『綺麗な顔だな傷つけるのが惜しいな、ちょっと痛みに耐えてもらうよ!』





そう告げると十香の溝落ちに思いっきり拳を入れる。鋼の肉体になっている十香の身体ごと遥か上空まで吹っ飛んだ。目の前には10階層の天井が見える。



このままじゃ、不味い...





『くうぅぅ、"絵空事日記(フィクションダイアリー)"ダイヤモンドコーティング!これでダメージは軽減出来るはず!』





肉体をダイヤモンドに変換させ衝撃に備える。10階層の天井に直撃しても尚、その勢いが衰える事はない。そのまま階層の鉄板を貫き9階層の地面を突き破ってバトルは9階層に突入する。



突き破った衝撃で周りの建物が崩れ、砂埃が舞う。



さて、そろそろ決着付けないと...タイムリミットはあと15分か...



ふぅーと深呼吸し体制を整えた。


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