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チート幼女の世界征服 -迷宮で見つけた幼女が最強過ぎる件-  作者: 亜蜜絵乃
第1章「幼女は世界を征服するらしい」
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第4話「異常な幼女」

俺はその光景をしばらく、軽い放心状態のような状態で眺めていた。今俺の目の前で起こったことは、誰が見たとしても、自分の五感全てを疑いたくなるような異常な光景だと、俺は思う。

ーギウスが死んだ。俺よりずっと強かった憎たらしいクソ野郎が、幼女なんぞに一撃で殺された。何度瞬きしても、その事実は変わらず、さっきまでギウスだったものは、スピカの足元に散らばっている。


「じゃあお兄ちゃん、行こー。」


当のスピカは、ギウスを殺したことをなんとも思ってないようだった。呑気にその足でギウスの死体を踏みながら、俺の方へ寄ってくる。

ー俺は反射的に一歩下がった。俺は、もうスピカをただの幼女とは見れなくなった。この健気そうで、純粋そうな、この顔も、一種の仮面なのではないかとさえ思える。


「どーしたのー?」


だが、この化け物は、なおも親しげに俺に話しかけてくる。お前の正体は何なんだ、という言葉が喉元まで上がって来たが、その答えを聞きたくなくて、俺はあっさりとその言葉を飲み込んでしまった。


「あ、いや、何でもない。」


俺は何とかそう答えた。だがスピカは納得のいかない顔で俺の顔を覗き込んだ。

っ……!近い。スピカは数秒ほど俺の顔を見ていたが、やがて何かに気づいたような顔で、満面の笑みを浮かべて俺に言った。


「そーか、お兄ちゃん疲れてるんだー、しょうがないなー、少し休んであげるよー。」


俺の顔色を見て、そう判断したのか。まあ確かにそうだが、俺の顔色が悪い理由が自分にある事に、スピカは全く気づいていない様子だった。この幼女には、何か大切なものが足りていない、それは明らかだった。


「あ、ああ、ありがと、な。」


だがその気遣いは、受けることにした。実際、精神が持ちそうにない、こいつのせいで。


「じゃああっちで休もう、確かあっちに広い場所があったはずだから、さ。」


俺は、ここからの場所移動を提案した、惨殺されたギウスの死体の前じゃ、休めるわけないからな。

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