プロローグ「隠し部屋」
地下迷宮「帰らずの神殿」俺は今、そこでとある依頼を遂行しようとしていた。
だがその依頼を果たす一歩手前、迷宮の最深部より少し前のところで俺は壁に妙な隙間があるのを見つけた。
「…なんだこれ。」
もしかして隠し部屋か?そうだとしたら防犯耐性が低すぎるだろ。もしくはもう発見済みの部屋か…。この場合圧倒的に後者の可能性が高いな。となると、まだ中に人がいるかもしれないな…。
俺は今受けている依頼の関係上、誰かに見つかるのは多少の問題がある。
ーだが好奇心には勝てず、俺は壁の隙間からそっと中を覗いた右よし、左よし、うん、誰もいない。俺は壁をゆっくりと横にスライドさせる。…ズズズ。と音を立て、壁の隙間は俺が通れるくらいの広さになった。
「なに〜!お客さん⁈だーれ?」
……誰もいないと確信してた空間から声がした。誰だよ、誰もいないとか言った奴。
ー俺だけどさ
もう仕方ないと思い部屋を見渡す。部屋の中全部を見渡し、最後に俺は斜め下を見た。
声の主はそこにいた、どうりで部屋全体を見渡しても誰もいない訳だ。声の主は最初から、俺の目の前にいたのだ。なぜ気づかなかったのかと言うと声の主は俺との身長差がかなりあったからだ。いや俺が特別背が高い訳ではない、俺じゃなくて声の主が、小さかったのだ。それもそのはず、だってそこにいたのは、
白いワンピースに輝くような銀髪の
ー幼女だったからだ。