伍、異界。
遅れました、本当に申し訳ない。
どうも、例の女性がかなり濡れちゃって乾かす所を探してる僕です。誤字は無い。
いやあ、前線行った時もそうだったんですが、戦闘始まると物腰が変わっちゃう人間らしく、淑女に手をあげてしまいましたよ。反省はしていますが、後悔はしてません。
洞穴か何かがあれば良いなと、火も必要ですかねえ。
油も何も無いですしね、ちょっと辛いかも知れませんなあ。
取り敢えずは休める場所を探さなくては、僕も危ないかも知れませんしな。
「ん.......ぐ、ぅ」
そろそろ起きそうですな。
というか、久しぶりに人ってのを見ましたな、前は目がもう使えませんでしたからな。
前一番最後に見たのが、奇怪な民族衣装の爺ってのも損ですな。
.......っと、滝の裏に洞穴がありますな、うるさいですが、休憩はできそうですな。
少し狭いし湿気が酷いです。乾かすのは無理ですな。意味無い。
「.......ッ!?」
あ、起きましたな。
転がしときましょうか。いたって紳士的に寝させましょう。
とか穏やかに考えてたら顔面殴られたんですがどうすれば良いでしょうか?
「ご、ゴーレムっ!?」
というか全然痛くないですな。新しい身体って凄い。人間じゃ無いみたい。あ、鉄だこれ。
痛くないけどイラっとしたので投げときます。痛くないもん。
「あたっ!?」
おー、頭から着地したのに元気ですな。最近の女性は頑丈ですな。男って不甲斐ないですな.......。
何か涙目で睨まれ....ってか警戒されてますな、僕何かしましたっけ?
「"感知"」
何か呪詛みたいな台詞吐いたんですが、何でこんなに嫌われてるんですか?
ちょっと僕本当に分かんない。辛い。
「ああ、魔動機.......って魔動機!?"穿て水精、ソレは流れを阻むモノ"!」
また水鉄砲撃ってきましたな。
本当にこの女性何なの?ちょっと理解できないんですけど.......。
「暴れないで下さいお願いします」
「ひっ」
喋ったら何か黙りました。言語は世界を救う。大日本帝国最高。民衆は救わんがな!
.......はぁ、まあ良いや、やっと喋れる状態になったんですし、聞きたかった事もやっと.......
「こ、殺しても何も持ってないわよ!」
「良いから大人しく話させろよぉ!」
こいつ.......そろそろ怒りますぞ.......?
僕怒ったら怖いですぞ.......?
「申し遅れました、僕は飯塚 くろがねと言います、先ほどは有り難うございました、貴女は?」
「わ、私はルル、ただのエルフよ!私は何も知らないわよ!」
.......うん、ルルって言うんですね、日本人では無いですね、うん。
後、怒っていいよね?
ちょっと睨んだら静かになりましたぞ、糞が。
.......今えるふと言いましたな
「えるふとは?」
「あ、う、うん。魔法が使えて耳が長くて長生きです。教えたからころさ」
「はいはい」
次同じこと言ったら滝に投げますぞ。
にしても耳長とな?
見れば長い黒髪の隙間から尖った物が出てますな。成る程、妖怪の一種か。長生きって事は。
魔法ってのは妖術って事でしょうな、さっきの水とか飛ばしてきたのもそれでしょうか。
やばい、河童だとばっかり.......世界は広いですな。しかし米英、手前は駄目だ。
「ふむ.......じゃあ此処は何処ですかな?」
「共和国の山です、麓に私の村があります。名前はちょっと.......分かりません、ころ、すいません」
こいつ一瞬殺さないでって言おうとしたな。小石投げとこう。
「ぁ痛!?」
自業自得。致し方無し。
にしても.......やっぱ知らない場所でしょうなあ
共和国何て国は行った事がありませんし、妖怪が村作ってる時点で知らない場所ですな。
あいや困った。身寄りが.......元から無いのに気づいて泣きたい。
うーん、これからどーすっかなー。
◆ ◆ ◆
気付くと冷たい鉄の塊に洞穴に運ばれてから背負い投げされました。
すごい鮮やかな動きでしたね。関節なに使ってるんだろう。
「我輩ハ"クロガネ"貴官ノ名ノ提示ヲ」
感情が感じられない。機械の声。
帝国で奴隷だった時代にずっと聞いてた声だ。
「わ、私はルル、ただのエルフよ!私は何も知らないわ!」
咄嗟に偽名の方を使う。本名を出したら連れ戻される可能性があるのだ。
何より、魔動機は帝国の管轄だ、技術の流出を防ぐために、殺すことだってあるのだ。
「[疑問]"エルフ"トハ」
思わず、拍子抜けした。
これだけ高機能な知能が搭載されてるのに、種族について知らないというのだ。
何だか、可笑しな感じだ。
「あ、う、うん。魔法が使えて耳が長くて長生きです。教えたからころさ」
ないで、と続けようとしたが、駆動音によって遮られる。
こいつは、一体何なのだ?
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超感謝。