お買い物の時間だ!
城を買った翌日、俺は冒険者ギルドの受付嬢であるナヌノの元へと向かった。
「なあ、ナヌノ。俺の仲間になんねえか?」
「え? 仲間に?」
「そう、俺はお前が気に入った。むしろ仲間になれ。命令だ」
「いや……私は受付嬢だしー」
「関係ねえよ。やれやれ、困ったもんだなぁ……」
やれやれである。
「それはまぁ……私だってゼリウルスさんと仲間になりたいなの。でも、受付嬢をやらないと借金を返せないんだよー」
「借金?」
「お父さんが残した莫大な借金があるなの」
「ふーん、どのくらい?」
「白貨……20枚なの」
「へえ、はい」
俺はポケットにちょうど白貨が入っていたのを思い出し渡した。
「へ? これって……?」
「20枚くらいやるよ。これで借金返済だな」
「い、いいの?」
「良いに決まってんだろうが、俺はそれほどお前を仲間にしたいんだよ」
「ゼリウルスさ〜ん!」
そう言いながらナヌノは俺は抱きついてきた。
しかも泣いている。やれやれ。
「おいおい、泣くなよ。これからは楽しい日々がまってるさ」
「う、うん。うん!」
まあこうして、こんな感じで、ナヌノも仲間になった。やれやれだ。
そして、ナヌノを連れて家に帰ってから俺は「買い物に行こうぜ」と提案した。
「買い物ですか?」
とツキノは首を傾げる。
「買い物なのー?」
とナヌノも首を傾げ。
「買い物〜?」
とシーンは気の抜けた声で聞き。
「買い物なんですか!」
とイーズは喜び。
「買い物ですか……」
とルートはクールに言った。
「そうだ。買い物だ。欲しいものなんでも買え」
俺がそう言うとみんなは、「はい」「ええ」「うん」とそれぞれ答えた。
というわけで、やってきました街に。
「とりあえず服でも買いにいくか?」
俺は五人に聞いた。
すると、全員賛成だということなので服屋に向かった。
だが、途中で俺は変なものを見つけた。
「あれ、なんだ?」
俺はルートにそう聞いた。
「奴隷売り場よ」
「奴隷?」
「そうよ」
「そんなの良いのかよ」
「ええ、まぁ……そうね」
ちっ、この世界……最高だと思っていたけど最悪だな。奴隷なんて許していいと思っているのか!
「なぁ……奴隷制度ってのは誰が定めたんだ?」
「さあ? それは分からないわ」
「そうか。ちっ、まあとりあえず……ここの奴隷市場で数人奴隷を買ってくる」
「え? 奴隷を?」
「ああ、まあ買った後は奴隷じゃなくて仲間にするけどな」
「ふふっ、やっぱりあなたは優しいわね」
「そうかぁ?」
まあとりあえず奴隷市場に俺は行った。
「ふぇふぇふぇ、奴隷を買いにきたのかぁ?」
「そうだよ。この店には何人奴隷がいるんだ?」
「15人だよ。一人白貨三枚だ。ふぇふぇふぇ」
「よし、全員買おう」
「ふぁ?」
「全員買うっていってんだ。早く出せよ」
「わ、わかった」
すると出てきたのは小さい男の子や女の子たち、総勢15名の奴隷だった。
「なあ、お前ら」
俺がそう言うと奴隷15人は全員ブルブルと肩を震わせる。
「安心しろ、俺はお前らになにもしねえ」
俺がそう言うと、奴隷の中でも代表のような獣人の女の子が「ほ、本当?」と首を傾げた。
「本当だよ。君、名前は?」
俺は優しく微笑みかけた。
「ケース……です」
「ふうん、ケースちゃん。ケースちゃんは好きなものとかあるかな?」
「え、えと……美味しいご飯が食べられれば、それが一番です」
「そうか。まあとにかく俺のところへついてこい」
「え、、あ、はい」
そんな感じでケース含む15人を引き連れ、五人のもとへと戻った。
「この子たちは?」
ツキノは僕に聞いてきた。
「買ってきた。こいつらも今日からは仲間だ」
「そうですか」
「なあ、すまないけど、こいつらを風呂に入れて飯を食べさせてやりたいから今日の買い物は中止にしてくれねえか?」
「あ、はい! そうですよね! 私もお手伝いします!」
「ありがとツキノ。じゃあ帰るか」
ということで俺と、五人、そして15人で家へと帰った。
「こ、こ、こ、こ、こ、れが家なんですか? ご主人様」
驚いた風にするケース。
さ〜て、もっと驚かしてやるとしよう。