俺の能力『最強になる能力』
目覚めると、男と女がいた。
転生……つまり生まれ変わりだからこいつらが両親なんだろう。
「父さん母さん、よろしく」
「え?」「え?」
父さんと母さんは顔を見合わせて驚いた。
あ、そういえば俺生まれたてか。
「えーっと、なんでもないよ」
俺はそう言って誤魔化す。
誤魔化しきれていないけど。
「どうしよう、我が息子が喋っているよ。母さん」
「多分……天才だわ!」
「そうか! 天才か!」
「やったわね、父さん」
「やったね、母さん」
父さんと母さんはそんなことを言っている。
どうやらこの夫婦も頭が弱いのだろう。
まあそんな頭の弱い夫婦でも、子供の俺にはとても優しくしてくれた。
俺はまず二人からこの世界の情報を聞いたのだが、この世界は魔王が支配する剣と魔法のファンタジー世界らしい。
はぁ……やれやれ、つまり天才の俺がチート能力で魔王を倒さないといけないってことか。やれやれだ。
本当に困ったぜ、やれやれ。
「じゃあ父さん母さん行ってくるね」
「ん? どこに行くんだ? お前まだ赤ちゃんだぞ?」
「そうよ。赤ちゃんなのよ」
「あー、確かに疲れそうだな」
冒険者ギルドとやらがあるらしいので行こうと思っていたが、やめることにした。
確かにチート能力を手に入れたかもしれないが、赤ちゃんの身体でそこまで行くのは辛そうだ。やれやれ。
それにまだ裸。
服も着たい。
ということで、まあそれから15年経った。
その間、畑を耕したり、牛を育てたり、まったりのんびり田舎ライフを楽しんでいたが、まあそろそろ魔王を倒さないといけないだろう。やれやれだ。
「じゃあ今度こそ行ってくるよ」
「行ってらっしゃい……ふふ、息子も立派になったな」
「そうね」
ということで俺は旅に出たのだった。やれやれ、魔王くらいすぐに倒してやろう。
因みに、15年間で俺の能力が分かった。
それは、『最強になる能力』だった。
神様……ナイスだ!