奴隷が正当化しているこの世界が許せねえ。俺が全世界の奴隷を引き取ってやんよ
「全国……否、全世界の奴隷を買い占めようと思う」
俺は早朝俺以外の全20人を集め、そんな提案をした。
「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!?!?!?!?!?!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
全員、訳が分からないといった目でこちらを見てくる。
なんだなんだ?
俺、おかしなこといったか? 全く……やれやれだ。
本当にやれやれである。
「いや、まあ奴隷を買って助けるなら、全世界にいる奴隷も買って助けないと、それは偽善ってもんじゃねえのかなぁ……って思ってな」
「いや、偽善とかそういう問題じゃあないと思うわよ? そんなの……現実的に考えて不可能に決まっているじゃない」
「ルート……まだまだ俺のことをわかっていないようだな」
「へ……?」
「良いか? 最強の俺に不可能なんてないんだよ」
やれやれ、それくらい分かってほしいもんだ。
「だから! 俺は全世界の奴隷を買う!」
「本当に大丈夫〜?」
「大丈夫だ。シーン! あ、でもシーン。今回の作戦にはお前のおじいちゃんが必要だ」
「え? おじいちゃんが〜? 確かにおじいちゃんは世界一のお金持ちだけど〜、うーん、さすがに協力してくれないと思うな〜」
「大丈夫、別におじいちゃんに全世界の奴隷を買ってもらいたい訳じゃあない。少し協力してもらうだけだ」
「はぁ〜、じゃあおじいちゃんに手紙出しますねぇ〜」
「それじゃあ遅い。俺がお前を担いでそのおじいちゃんのところへ向かえば2分もかからねえし、それでいこう」
「分かったよ〜」
ということでシーンをお姫様抱っこする。
「はわわ〜、恥ずかしいよ〜……」
「おいおい、恥ずかしがってる場合じゃねえぜ? しっかり掴まってろ。死ぬから」
「へ?」
ーーーーーーーーーーーーーーーー!
「到着したぜ」
「ううぅ……気持ち悪いよぉ〜」
「まあ凄い速さで移動したしな」
そんな会話をしていると、シーンのおじいさんらしき人物が出てきた。
「シーン! シーンじゃないかぁ!」
「あ〜おじいちゃん、おひさ〜」
「今日はどうしたんだ……って男⁉︎ おいシーン、こいつお前の彼氏なのか?」
「そうだよ〜「違います」」
俺は瞬時に否定した。
あくまで仲間だ。
「それで、こんな遠くまでなんのようなんだ?」
「あ、それについては俺が」
そう言って俺は今回訪ねた理由を説明した。
「はあ? 全世界の奴隷を買うために超大規模の演説を行いたいだあ?」
「そうです。出来ますよね?」
「まあ出来んこともないが……素晴らしいとも思うが……うーむ」
「大丈夫、絶対成功させるから」
「よし、レッドカオスオメガナイトドラゴンを倒した君のことだ。仕方ない。協力しよう」
「それで……いつごろいけそうですか?」
「そうだなぁ……まあ頑張っても、そこまで大規模ならば一年はかかるな」
「長え、2日で」
「いやいや、無理だ」
「はぁ……しゃあねえなぁ。じゃあ道具は俺で作ってやる。だからせめて一ヶ月にしろ」
「はぁ、道具?」
「ちょっくら待ってな」
言って俺は全世界を駆け回り、必要な材料を取ってきて様々なものを作った。
「ほい、これがトラックだ」
まずはトラックを作った。荷物の運搬にでも使ってもらいたい。
「トラック……?」
「使い方は全部教える。便利なものはほとんど作ってきたからこれでなんとかしてくれ」
「ええ……分かりました」
そして一ヶ月後、そこには様々な人々が集まっていた。全国の王はもちろん、貴族や庶民、奴隷など本当に多種の人々が集まっていた。
「みんなぁ……っ! 聞いてほしい!」
俺はそいつらを見下すように高い建物に登ってそう言った。
「なんだあ?」
「ざわざわ」
「がやがや」
「どうした?」
「あいつ誰だ?」
みんな騒いでいる。
「俺はゼリウルス! 最強の男だ! お前らに聞いてほしいことがある! それは! 奴隷についてだ」
そして、俺は言った。
全国の奴隷を引き取ると。
「おいおい、君。なにを言っているのかね?」
すると1人の王族の男が俺につっかかってきた。
「あん?」
「全国の奴隷を引き取る? ふざけているのか?」
「おいおい、ふざけてねえぜ? 自分たちの国にいる奴隷は全て俺のところに連れてこい」
「ふん、そんなことする訳がないだろ?」
「しねえと、てめえの国を破壊することになるけど?」
「ふん、そんなことができるわけないだろ?」
「出来るんだよなぁ……それが」
言いながら俺は高い建物から飛び降りた。
「こんな感じでなぁっ!」
俺は地球を殴った。
地震が起き、火山が噴火し、その周辺の地域の地面には全てヒビが入った。
「ひっ⁉︎」
驚いてやがる。やれやれだ。
「これで力の一万分の一も使ってねえ。お前ら、国を破壊されたくなければ一週間以内に奴隷を全て持ってこい」
「はい!」
全世界の王たちはそう言った。
そして三日後、早くも全世界の奴隷は俺の家に集合した。
数はとんでもないことになっていて把握しようもない。
が、全員を、風呂に入れて食事を用意して勉強教えて運動教えて鍛えて遊んでやんよ!