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10/11

俺の料理は美味しいんだぜ? なぜなら最強だから

 さて、この元奴隷だった少年少女をとことん驚かしてやろう。


「まあ、とりあえずは……風呂だな。ほら、少年どもは俺のとこに、少女どもはツキノのところに行け」


そう言って俺は風呂へと向かう。

因みに、少年は全員で五人……まあ少ないからこいつらを洗うくらいはたやすいだろう。


「ほら、ここが男風呂だ」


俺がそう言って指を指すと、下を向いていた少年どもが上を向いた。


「わあっ⁉︎」


一人の純粋そうな少年がそんな声を出した。


「へへっ、どうだぁ? 広いだろ?」

「は、はい。ご主人様」

「明日からお前らは毎日ここに入れるんだぜ?」


言うと五人の少年たちは暗かった目を輝かせた。やれやれだ。


「あ、あの……僕たち奴隷にこんな大きな風呂……使わせてもらっても本当に良いんですか?」

「あ? お前らは奴隷じゃねえよ。俺の仲間だ。良いから遠慮せずにちゃっちゃと服脱いでお風呂に入りやがれ。なんだぁ〜? 男のくせに裸になんのが恥ずかしいのか〜?」

「そ、そんなことない! あ! そんなことない……です」

「はっ、敬語なんて無理して使わなくてもいいよ」

「う、……うん!」


そして少年たちはわいわいと風呂へと入っていった。

やれやれ、男の子は元気が一番なんだぜ?



その後、少年少女たちは風呂から出てきた。


「なあ、ツキノ。少女ちゃんたちはどうだった?」

「はい! 楽しくやっていましたよ!」

「そうか。ありがとうな」

「大丈夫です! 私たち、仲間なんですから!」


そう言って「えへへ」とツキノは俺に抱きついてきた。


「おいおい」


やれやれ全く、甘えん坊なやつだ。

やれやれである。


「ぐぬぬー、ツキノだけゼリウルスさんと仲良くしてずるいなの!」


するとナヌノも俺と腕を組んできた。


「あ〜、ツキノちゃんにナヌノちゃん。ゼリウルスさんと仲良くしてるー、ずるいよ〜。私も抱きついちゃえ〜」


言ってシーンも俺の背中に抱きついた。

お、おおう! 胸が! 


「ちょ、ちょっと師匠と何しているんですか! みなさん! 僕だって負けませんよぉ!」


そう言ってイーズは腰あたりに抱きついてきた。

というか……俺はあくまで師匠じゃねえって。仲間だって!


「な、なにをしているのかしら? ず、ずるいわよ! あなたたちだけ……」


ルートはそう言って恥ずかしがるようにしながら、俺の服の裾をだけをギュッと握った。

なにこれ一番可愛いんですけど……。


「というかお前ら落ち着けっ! 子供達が見てるから!」


じーっと、風呂から出た少年少女たちがこちらを見ていた。


「ご主人様……モテモテだね」

「モテモテー!」

「すごーい!」

「家も大きいし、きっと王子様なんだよ!」

「王子様! きゃーっ」


うぬぅ……なんというか、やれやれだ。


「ええい! お前ら! もうすぐご飯だから早く髪を乾かせ!」

「きゃー、ご主人様が怒ったあっ!」

「わーわー」


……ったく。まあでも、こういうほうなのが子供らしい。




「ほら、ご飯作ったぞ」


俺は元の世界の料理知識を総動員して、様々な料理を五人と15人、合わせて20人に振舞ってやった。


「これ、凄い美味しいですよ! ゼリウルスさん!」

「ああ、それは天ぷらって言うんだぜ。ツキノ」

「天ぷら……ですか」


「これ、すごく美味しいよー」

「それはハンバーグだ、ナヌノ」

「わー、やっぱりゼリウルスは凄いなのー」


「こんなの食べたことないよ〜」

「ラーメンだ、シーン」

「美味しい〜よ〜。ありがとう」


「師匠! 強くて優しくて料理もできるなんて凄いですね!」

「そうかぁ? イーズ」

「はい! 凄いですよ。僕尊敬しちゃいます!」


「これ、美味しいわね。なんて言うのかしら?」

「うどんだよ、ルート」

「うどん……」


「「「「「「「美味しいー!」」」」」」」

「おうおう、お前らも落ち着け」


子供達も喜んでくれているようだ。

やれやれ、よかったよかった。

その後も、俺の作った料理は大好評だった。




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