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Last color  作者: 蒼井 紫杏
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第41話

主要キャラの一人であるフィー。久しぶりに出てきたので誰だ?って感じですね。

ファンが増えるといいのですが……

どうしてこんな状態になってるんでしょうか……


「|Fiona・Jonesフィオナ・ジョーンズさん、遠野さん離れなさい」


離れたいよ?見てこれ。一方的に抱き締めれらてるでしょう?


『フィー……あの、離れて――』

『うん?』


更に力を込めるの止めて貰えますか?


『フィオナさん……とお呼びして宜しいでしょうか。ユキさんが困っておられますので、席にお戻りください』

『君は誰?うーんと……ユキの友達かな?』

『そうですが?』

『そう……。とても可愛いね。オレの事はフィーと呼んで良いよ』

『は?』


蘭さんが助けてくれたのはいいけど……話しが全く噛みあってないですね。


『フィー、お願い……』


変に目立ちたくないから!

蘭さんも気を使ってか英語で話しをしてくれてるし、フィーの事を知らないクラスの皆は、唯この変な外人のオーバーコミュニケーションにキャーキャー言ってるだけで済んでるけど、クラス替え早々に騒ぎを起こしたくない。


『……分かった』


そう言いながら渋々離れてくれたフィー。隣の席だけど必要以上にぴったりくっつけるのは何故?


『…………』

『何故くっつけるか……か?なら教科書が無いからと答えるな』

『密着する必要はないのでは無いでしょうか?それに、本日は授業ではなくホームルームのみです』

『なんだ?あぁ、さっきの君か……えーと君の名前は?』

『申し遅れました。東條蘭と言います』

『蘭さん、蘭ちゃん、蘭……うん。蘭ね。ちゃんと前を見て先生の話しを聞いた方が良いんじゃないかな蘭?』

『………』


……ごめんね蘭さん。


『フィー……』

『うん?』


「「「「…………!!!キャーーー!!!」」」」


近過ぎるんですってば。


『朝から気になってたんだが何故このクラスはこんなに騒がしいんだ?』


それは……


『貴女が乱しているのではないでしょうか?』

『おっ、蘭。前を見なくてもいいのかな?』

『貴女の方こそ前を見てみて認識出来ませんか?この騒がしい状況で先生の話しが進まないのです。最初からずっとこの状態ですよ?先生に何度注意されていると思っているのですか』

『騒がしいのはオレのせいだと?』

『自覚が無いのでしょうか?』

『………』


うわ……蘭さん笑顔のままだけど怖すぎる。ここまで蘭さんと相性の悪い人が居たなんて驚きですよ?


「も、もしかして……――嵐の予感」

「……――三つ巴で――関係――」

「「「「…………!!!!!!!!キャーーー!!!!!」」」」


なんか、色々騒がしいクラスですね……

それもこれも……


『フィー。教科書くらいいつでも見せてあげるから、少し離れて』

『これくらいの距離でも授業を受けるのに差し障りは無いだろう?周りが勝手に騒いでるだけだ』


た、確かにそうなんだけど……いやいや違う違う


『授業を受けるのに不必要に密着する必要性を感じないのですが?是非スムーズに授業を進める為に協力して頂きたいものですね』


そうそれ!!


『ユキとやっと会えたんだ。邪魔されたくないんだけどな?』

『そのユキさんを困らせるような事をしない方が良いのでは?』

『うん、面倒だな』

『はい?』


何が?

クラス中の視線が、いきなり立ち上がったフィーに集中する。


「少し黙ってても――」

「フィオナ・ジョーンズさん!!!」

「……うん?」


フィーの言葉を遮って立ち上がったのは……奏音ちゃん???


「私の席ってさ、貴女たちの席より前なわけよ」

「………そのようだね?」

「でしょ?でさ、ぶっちゃけた話し、貴女たちのやり取りとかが気になるわけ」


はぁ??

琴音さんが、奏音ちゃんの制服を小さく引っ張って止めてるけど、この会話ってどこに行きつくの?


「………で?」

「いちゃこらされると後ろを振り向きたくて振り向きたくて……ってわけで、今の間くらい大人しくしててくんない?」

「…………」


助けてくれたのかな?でも、余計に目立った気がするのは何故でしょうか……


『……名前を聞いとこうか?』

『その方がいいかもよ?白崎奏音。覚えておいてねー』

「……OK。授業中は大人しくしとくよ」


そう言いながら、距離を離して授業を受ける態勢に一人早々と戻る。

何故今のやり取りでフィーが大人しく授業を受ける気になったのか分からない。だって、明らかに蘭さんとのやり取りの方が筋の通った理由だったのに。

まぁ、フィーは昔から個性的で天邪鬼だった気がするけど……

昔……昔かぁ……


『ねぇ、フィー……』

『ん?』

『…………』

『……………』

『……あとでいい』

『……そうか』


授業を受ける為に、前を向いたフィーの横顔が近くにある。

髪型は昔と変えていないのか、少し長めのウルフカットでくせをつけてセットしてある。フィーの髪色は珍しい白金だから、その女の子にしては少しワイルドな髪型が凄く似合ってて格好良い。

昔はわたしの方が少しだけ高かった身長も、さっき見た感じだと今はフィーの方が高いかもしれない。

性格はあんまり変わってないかな。男勝りで……男勝りで……男勝り……うん。変わってないね。

気が付いたらホームルームの間はずっと、そうやって一つずつ昔のフィーと今のフィーとを比較していた…………




◆―◆―◆―◆


ホームルームが終わって、後は帰るだけとなっても不必要に絡んで来ようとするフィーだったけど蘭さんと奏音ちゃんがいるせいか、さっき二人に注意されて自重してくれてるのか……


「あ、あのフィーさんって呼んでもいいですか?」

「あーごめんね。オレの事をフィーって呼んでいいのは限られた人間だけなんだよ」

「そ、そうなんですね。すみません」

「だから限られた人間になってみる」

「「「「…………!!!!!!!!キャーーー!!!!!」」」」


いや……女の子たちに囲まれて楽しそうですね。


「じゃ、じゃあフィオナさん!質問なんですけどいいですか!?」

「うん?何かな??」

「遠野さんは?」

「ユキ?」

「はい。親しそうだし、何より呼び方が……」

「ユキはオレの特別」

「「「「…………!!!!!!!!キャーーー!!!!!」」」」


いやいや、さっき蘭さんにもフィーって呼んでいいよって言ってたよ?


「なぁユキ」


あえて少し離れた所にいたのに何故わたしに振るかな……


「ユキにとってもオレは特別だよな」

「………誰がとくべ――」


特別……そうだね。フィーと……


「なんせユキのファーストキスの相手は――」


フィーと……


「「「「………えぇ!!!!!!!キャーーー!!!!!」」」」


フィーと……ゆ……う…ま?


「ユキ!」


名前を呼ばれてそっちの方向を見る。

フィー……


「ユキさん?どうされたのですか?」


あぁ、視界が違うと思ったら無意識に立ち上がってたみたいだ。

その足が……震えてるのがわかる…


「ユキ?」


フィーが一歩こっちに近づく。

わたしは……固まったまま動けない……


何故普通に接する事が出来たの?

おかしいでしょう……


フィーが一歩こっちに近づく。

わたしは……固まったまま動けない……


ねぇ、だってフィーが現れたんだよ?

おかしいでしょう……


フィーが一歩こっちに近づく。

わたしは……固まったまま動けない……


フィーは……あの場所に居たんだよ?

おかしいでしょう……


フィーが一歩こっちに近づく。

わたしは……固まったまま動けない……


フィーと優真とパパと…ねぇ……

おかしいでしょう……


フィーが一歩こっちに近づく。

わたしは……固まったまま動けない……


そんなこと全て忘れて接する事が出来るわけないじゃない!!!


『……何をしたの?』

『………ファーストキスか?取り敢えずは座れ』

『冗談を言ってるんじゃないのよ。貴女はなんなの?』

『……こっちも冗談を言ってるんじゃない。今にも倒れそうな顔色だ。座れ』


確かに、気を抜いたら倒れ込みそうなくらい精神は不安定だと自分でも認識出来る。


『貴女もあいつの――』

「ユキちゃん。顔色ヤバいから保健室行こう」


奏音ちゃんの声で自分の力が少しだけ漏れかけていた事に気付いた。

ダメだ。ここにはまだ多くのクラスメイトが残ってるのに……


「………いい」

「ユキさん、保健室に行った方がいいのではないですか」

「大丈夫。ありがとう……」

「ダメ!連れてくから!!蘭ちゃんは安東会長から呼び出しでしょ?こっちは任せといて」

「はい。申し訳ありませんが、宜しくお願いします。ユキさん、ちゃんと行って下さい!」

「…………」


今は、一人になりたい。


「で、だ。フィオナさん」

「………なんだ」

『責任を感じてるなら着いてきて欲しいな』

『奏音ちゃん!なんで!?』

『ユキちゃん、いいからちょっと黙ってて…』


奏音ちゃんが、わたしの意見を無視する事なんて初めてかもしれない……


『……ユキは着いて来られるの嫌みたいだけど?』


そんな、傷ついた顔しないで……


『貴女はユキちゃんの傍にいたいんでしょ?』

『そうだ。……そうだね。分かった。ユキには悪いが着いて行こう』

『なんで、勝手に話しが――ちょっ!!』

「「「「…………!!!!!!!!キャーーー!!!!!」」」」


いきなり距離を詰めたフィーに姫抱っこされたわたしは、抗う統べもなく教室や廊下に残る生徒という生徒の視線を集め保健室に連れて来られた。

わたしとフィーの鞄なんかを運んでくれてる奏音ちゃんと、一緒に着いてくると言った琴音さんも一緒だったから……目立つ目立つ……


「それで?これはどういう状況なのでしょうか?」

「ユキの調子が悪いようで、休ませてやりたい」

「ユ、……遠野さん大丈夫ですか?確かに顔色が悪いようですね」


うーん……いつ聞いても、このみちるさんの話し方に違和感を感じる。


「見たら分かるだろう?横にさせたり出来る場所は無いのか?」

「もちろんありますよ。様子を確認していたのです。遠野さんベッドへ――」

『大丈夫かユキ?日本の医者はみんなこんなにとろいのか?』


姫抱っこのままベッドへ連れて行かれそうになっていたけど、その言葉にカチンと来ましたよ!


『おろして』

『まだふらふらだろう?』

『いいから!』

「遠野さん、取り敢えずベッドまでは運んで頂きましょう」

『だそうだ』

「………」


しぶしぶ、大人しくベッドまで運ばれる。


『はい。有難う御座います。ベッドまで運んで頂いたら貴女に御付き合い頂く事もありませんし、お帰り頂いても良いですよ』

『おっと、英語は理解できたか。それは失礼。しかし……』

『フィー!!!』


わたしをベッドに下ろしたフィーが、いきなりみちるさんの顎を掴んで顔を近付けた。


『フィー!!!何するの!!?』

『何もしないさ』


寸止め?キスをするのかと思った。


『どうしたんだ?キスするとでも思ったか?』

『そういう冗談は止めて、その手を離して』

『怒るなよ。ほら』


両手を上げながら呆れるように、おどける様にフィーがみちるさんから手を離す。


『名前は?』


フィーの手から逃れて、不愉快そうに距離をとったみちるさんに対し、フィーが質問するけど……


『貴女の方からどうぞ』


そうですよね。普通はフィーの自己紹介が先ですよね。


『失礼。名前は| Fiona・Jonesフィオナ・ジョーンズ。転入生ってやつだね。2年1組に編入。ユキと幼馴染。これくらいでいいかな?あぁ、貴女はフィーと呼んでも良いよ』


フィーの中で、どういう分別があるんだろう?


『……そう、幼馴染ですか。わたしは矢原みちる。この学校の……臨時養護教諭です』

『みちるね……』


何を考えてるのだろう……しばらくみちるさんをじっと見てる。観察してる?


『なぁ、えっと……奏音だったっけ』

「何かなーーー?」


これまで静かに様子を窺っていた奏音ちゃんをいきなり呼ぶフィー。


『みちるはユキのなんだ?』

「「……はぁ?」」


わたしとみちるさんは綺麗に疑問形でした。


「うーーーん。難しい質問だよね。ユキちゃんは何も知らないし。お互いに無自覚だからさ」

『ふーん。教えてないのか?』

「貴女たちの仕事じゃないのかなーーーって?」

『………もっともだ』


奏音ちゃんとフィーの間では会話が成立している……なんで?


「か、奏音ちゃん……」

「うん?どうしたの琴音?」

「……な、なんか……ううん。なんでもない…」


琴音さん……なんか様子が変。フィーに対して怯えてるみたい。


『うん?なんだ?オレの顔に見惚れたか?』

『…………』


普通、何か付いてるか?じゃないの??大体、見てただけだし……


『呆れた目で見るなよ。何故あの子が怯えてるか……か?ならあの子の力が弱いからと答えるな』

『どういう意味?何かしてるの?』

『いーや、全くもって何もしてないさ。特に何もしてない』

「出来るなら抑えて貰えないかなーーーって」

『すまないが断るね。今日はマーキング中だ』


何?どういうこと?


「………琴音。今日は先に帰りな」

「で、でも奏音ちゃ――」

「大丈夫だって。私もすぐ帰るから!そうだなー、おやつにパンケーキでも作って待っててよ」

「言われた通りに帰った方が良いんじゃないかな?尻尾がお腹に入ってるぞ」

「フィオナさん。余計な事は言わないでねーーー」

『失礼』


琴音さんが完全に怯えてるじゃない!フィーのバカ!!


「……分かった………」

「気を付けて帰りなね」

「あ、あの奏音ちゃんも……」

「うん。大丈夫大丈夫」

「……矢原先生、遠野さん……あの、ごめん。先に帰るね」

「琴音さん、大丈夫?」

「大丈夫。……じゃあね」


ぜっんぜん大丈夫そうじゃなかったんですけど……


『なんでそんなに睨んでるんだ?オレは何もしてないって』

『でもフィーが関係してるんでしょ?』

『勝手に怯えられただけ。むしろオレが被害者では?』

「ユキ様。フィオナ様の言葉は真実です。琴音の力ではフィオナ様の力を受け流すことが出来ないのです」

「どういう意味?」

『オレが力を制限してないから怖いと感じたんだろ。どうでもいいが、奏音。話し方変わり過ぎじゃないか?』

「こちらが素です」


そんなホントにどうでもいい会話しないで!


『つまりは何が言いたいの?マーキング?なんなの!?だって、あんなに琴音さんが怖がってるのに、みちるさんは平気だなんて!!』


みちるさんは不愉快そうではあるけど怯えてはいない。

werewolf《人狼》である琴音さんが怯えて、普通の人間であるみちるさんが平気なのはおかしいでしょ?


「それは、矢原先生の事はユキ様が無意識に守護しておられます。私も琴音を守れれば良いのですが、自分に気を張るのが精一杯で御座いますので……」

『マーキングって言葉の綾だから、怒るなよ。ユキの力の匂いがあちこちにあったから、誤魔化すためにオレの匂いで上書きしてるだけ』

「それはBox《協会》の判断でしょうか?」

『いや、オレの判断で勝手にそうした。まだ広めるべきじゃないからな』

「分かりました。有難う御座います」


二人で勝手に会話しないで!

というか!!!!


「今、Box《協会》って言ったわよね???」


そう!!


「おや?みちるは何を知ってるのかな?」

「何も知らないわ!だから、ユキちゃんに関係してることなら知る必要があるの!」

「おっと、みちるもか。二面性がある奴多すぎだろう?」

「そんなことどうでもいいのよ!」


そうです。


「どうでもいいのか……で、なんだったかな?」

「貴女、Box《協会》の人なのね?」

「………」

「そうだね」


………つまりフィーは…


「フィオナ様が来るとは想定外で御座います」

「みちるも奏音もフィーと呼んでいい。本来ならもっと早くユキの元にはきたかったんだけどね。あの老体どもめ」

「わたしとしては自分より随分年下の子に呼び捨てにされるのはお断りしたいところね」


フィーは……


「なら何も問題ないな。オレはみちるよりも随分年上のようだ」

「はっ?」

「なんせ……あれ?今年で何歳だ?うーーーん?奏音??」

「申し訳ありませんが、私に助けを求められましても……確か600年前の記録を拝見したことは御座います」

「じゃあ、そんなもんだね。まぁ乙女に細かい年齢を聞くのは失礼ってもんだ」


………


「……貴女は何?マーキングって言ってたわね……werewolf《人狼》?」


それとも……


「違うな。オレは――」


フィーの目が赤く染まり口元に見覚えのある……


「――ヴァンパイアだ」

キャーーー!!!

ユキちゃんとフィーの関係って……

キャーーー!!!!

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