精霊様・・・はじめて山に入りました2
手当てをしくれたおばさんにお礼を言って帰ろうとしました。
家の裏に山がありその前に『入るな危険』の文字がありました。
不思議に思いつつ帰ろうとしましたが何かが気になり山の中に入りました。
・・・ピーピッピ・・・・ガルル・・・・・ガサガサ・・
鳥の鳴き声に獣の鳴き声そして草が動く音
「なんだろうここ・・・」
目の前には切られた気がまっすぐ刺さっていました。
「お墓みたいだな・・・・」
「もういいや。家に帰ろう」
お墓みたいなものから離れようとした時、うわーーーーという声が聞こえてきました。
無視してもよかったのですがどうしても無視できなかったのです。
そのまま声のした方に走って行きました。
魔獣がいたら魔術か精霊術つまり精霊に力を借りるわけですが、私は精霊に愛されし子ではありませんので精霊術は使えません。となると魔術ですが、魔力の発動ができないので、魔術は使えません。
その代わりなんとかしようと考えた末、魔法が使えるようになりました。
魔術は魔法陣や言葉で使うのですか、魔法は文字で使います。
考えているうちに襲われている男の子とその男の子に襲いかかろうとする魔獣を見つけました。
『カマイタチ』そうつぶやいたと同時に魔獣は後ろに倒れました。
カマイタチとは風が刃のようになって切りかかるものです。
「魔獣は倒れた。さて、男の子は・・・」
男の子を見ると倒れていた。
魔力が切れているみたいです。
ところどころに傷があったので『治癒』で直しておきました
まずは魔力の回復ですね・・・・・回復アイテムはいろいろあるんですが、魔水しかありません。
この魔水は飲まないといけないのですが、気を失っているので口移ししかありません。
まぁ気を失っているのでこれは事故ということにしましょう
私は魔水を口に含み少年の口をふさいだ。
少しずつ少しずつ魔水を送り込む。
「ん・・」
いきなりヌメっとした何かが入りこんでくる。
それが少年の舌と気付くのにあまり時間はかからなかった。
最初は驚いたが仕方ないと思った。
「んあ・・ふぐ・・」
私の舌と少年の口が絡められる。
しばらくすると少年の目が開かれ、少年は私から離れる。
少年の目は紅い瞳そして髪は銀色。顔は将来美形になりそうなくらい顔が整っている。
「大丈夫?どこも痛くない?」
「うん。大丈夫。僕、魔獣に襲われて・・・あれ?魔獣どうしたんですか?」
魔獣の体を指さす。
「死んでるの?」
「いや?死んでないよ。ただ、怪我をしてる」
「そんなことより、これを飲んでおいて?」
液体の入った瓶を渡す。
「これは?」
「魔水だよ」
「魔水?聞いたことがないよ?」
「聞いたことはないだろうな。それは私が作ったものだよ。魔力が高いものでもそれを飲めば回復できる。お前にそれを飲ませた。」
「僕に?僕には魔力はないはずだよ」
「いや、魔力はあるはずだよ。魔力があると思ってみて」
少年は目を閉じた。
すると、光りが少年の体を包み込むように広がっていく。
「紅い光りと黒い光り・・・火の精霊と闇の精霊か・・・」
火と闇の精霊に愛される子・・・それにこの光は・・・強いな。
上級はあるかもしれない。
少年は目をあける。
「なにこれ?光ってる・・・」
「精霊の光だよ。何色かで何の精霊に愛されているかわかるの」
「そうなんだ・・・」
「で、これからどうするの?」
「どうするって言われても、僕には帰る家がない・・」
「ならゲニウスの塔に行ってみて?私も付いていってあげるから」
「うん。あの、名前は・・・」
「うん?私の名前はユーリフィアラ・クラシスト。みんなからはユーリって呼ばれているよ?君の名前はなんていうの?」
「シャルナラード・・・あ!違う僕には名前はないだった」
名前がない?ということは捨てられる所だった?
「なら、シャル・・・シャルレクードっていうのはどうかな?」
「え?」
「いやならいいんだよ?でもないと困るし・・・」
「イヤなんかじゃない。ありがとう」
「さて、ゲニウスの塔に行く前にまずはお母さんに頼まれたもの渡しに行きたいんだけどいいかな?」
「うん、いいよ」
「じゃあいきますか」