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精霊様・・・お兄様とお別れです

決意を決めてから2年がたち7歳になりました・・・・・


お兄様が娼館に売られるそうです。お兄様は3人ですよ。出て行ったら私が1人になってしまいます・・・


「ユーリ。これが最後じゃないからな?」

「絶対に会いに来てやるから!」

「いつか、必ず兄弟そろって会おうな?」


お別れすると聞いて泣いた私を慰めてくれました。



「お兄様。分かりました・・・じゃあせめてこれとこれを持っていってください」

3人のお兄様に手渡したのは、3つの魔水が入った瓶と色とりどりのペンダント・・・



「これは魔水・・・・。魔力が少なくなったときに飲んで?・・・それからペンダント・・・私が作ったペンダントだから。魔力が込められてるよ。強化しておいたから・・・。私がいるってことをこれで思い出してね?」


魔水はどこで作っているのかと質問もあるようですがそれは教えられませんよ?たとえお兄様でもね?

簡単には説明できますよ?おおざっぱに説明しますとね・・・

魔水はたくさんの薬草や調合、そして私の魔力から作られています。

街の本屋で『調合』という本を見つけてから興味がわき、遊び心で作っていたら魔水ができました。


いやぁ、最初はびっくりしましたよ。魔力の回復薬なんて作ってる覚えがありませんでしたから・・・


他にもいろいろありますよ?たとえば動物に化ける薬とかいろいろ作ってしまいました・・・


たまに猫に化けたり鳥に化けたりしてました。けど効果がすぐに切れてしまったので効果が続くようにしました。1日効果が続くようになったので大成功ですね・・・。


「ペンダントの色が違うが・・・・」

「その色はね、私が考えたお兄様の色だよ・・・。青は冷静。赤は情熱。黄色は元気。2人のお兄様に渡したのは、緑でさわやか。白で優しさ・・・ね?そっくりでしょ?」


目に涙を浮かべながら笑った。


「そうだな・・・確かに俺たちにそっくりだ。青が俺、シーク。赤がセーカ。黄色がソーキ兄。緑が、レクヤ兄。白が、ライナ兄。・・・お前がどこにいようとつながっているから」

「それにユーリの双黒は、めったにいないもんな」

「たとえ妹だったとしても、双黒はあまりいないから見つけるのが簡単だな」


双黒。黒を持つというとこが珍しいのにお母さんとお父さんの色を受け継いで双黒となった。お父さんもお母さんも普通の人より魔力の量は多かったみたいなので、同じ色ならたくさん持ってると、お父様は期待していたのだろう。


そういいながらペンダントを首に下げ、魔水を懐に入れる。

懐に入れて大丈夫か?と思ったが心配はなかった。袋が付いていたから・・・


「わたしは10歳になったら山に入って生活する。難しいと思うよ?」

そこまで私を見つけなくてもいいんだよ?思いながら言葉を発する。

「ユーリが山の中にいたとしても、必ず見つけるから」

「そうそう。それに俺たちは別々のところに売られるんだぜ?」

「けどな必ず合流してみせる。そして見つけ出して見せる。幸せになれ」




扉の向こうからガタガタと歩いてくる音がする。

「シーク、セーカ、ソーキ。もういいだろ。そろそろ行くぞ」

そう言って入ってきたのはお父様。



「お前たちは、これから娼館に売る。名前を捨てろ」



娼館に売られる者はただの道具・・・名前はいらない・・・必要ない・・・


それは私がお兄様の名前を呼べないということと同じことだった・・・

私はお兄様の顔を見る。


心配するなと3人のお兄様の顔が言っている・・・

けどね・心配ぐらいさせてもらってもいいんじゃない?

家族が別れるんだよ?普通、心配しない方がおかしいんじゃない?



お兄様がお父さんの後についていく


なにをできない・・・・せめてと魔水とペンダントを渡した。




お兄様が私に望んでいるのが幸せなら幸せになって見せよう。



自分の思い通りに生きて見せる。逃げなきゃいけないからお母さんに被害が行かないようにしないといけないから。10歳まではおとなしく・・・・



お父さん、怖くはないけど、哀れには思うよ?お金に執着し家族を売ろうなんてただのバカですね?お金を稼ぐ方法なんて、まだたくさんあったのに・・・・



でも娼館に売られたらお父様と呼べなくなりますね。・・・・バカと言えばいいのですよね?

家族のつながりはないのですから敬意は払わなくてもいいですよね?


育ててくれたことには感謝します。それ以外はどうでもいいですね・・・・


「お父様、今までありがとうございました」


お父様とお兄様が出て行った扉に向かって


微笑みながらそう言った・・・・・・

あれ、なんかシリアスみたいになっちゃった。シリアスにはしませんよ?


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