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6話

 翌日の朝、予定通りヴァンがルーカスを連れてミネルバの船内を案内した。昼食後に3人一緒に貿易センターに出かけた。

 3人はジャニアス星系の相場を確認した後、昨日の店で一休みすることにした。

 席に座るとマックスは3人分のビールと軽いつまみを注文して3人で軽く乾杯した。


「ルーカス。次の目的地はフォーニス星系で問題ないか?」

 ルーカスがビールをテーブルに置くのを待ってマックスが聞いた。

「そうですね。アリシア星系とは反対方向になりますが、お勧めの星系ですよ。よくご存知ですね」

「叔父の秘書がフォーニス星系がお勧めだと言ってたんだ」

「そうでしたか」

「どうして、お勧めなのか、教えてもらえないですか?」

 ヴァンがルーカスに聞いた。

「いいですよ。えっと、フォーニス星系のテクノロジーレベルは上の中と言ったあたりで、ジャニアス星系より低いですよね」

 ルーカスがつまみを食べながら話だした。ヴァンが真剣な顔で頷いた。

「船の積荷はファンドールのハイテク製品ですから、売り先として理想的なのはジャニアス星系よりテクノロジーレベルが少し低くて人口が多いところです。

 ハイテク製品を使いこなすには、それなりのテクノロジーレベルが必要ですから、低すぎてはだめなんですよ。それに帝国の輸入制限もありますからね。そして、人口が多い方がそれだけ需要を見込めますので売りやすくなります。

 フォーニス星系は資源も豊富で、農業、牧畜、産業が盛んです。宝石などの贅沢品も豊富に取れますから名産品が多い。

 すると、次の貿易を行うための投機品の選択幅が広くて十分な量が購入できるんですよ。

 つまり、積荷を高く売ることができて、しかも次の積荷を買いやすいってことになります」

「なるほど、秘書のカトウは次の積荷も考慮して勧めてくれたのか、なかなか、貿易も奥が深いなぁ」

 とマックスが漏らした。

「船長。その通りですよ。面白いでしょう?」

 ルーカスが嬉しそうにマックスに答えた。

「それじゃ、フォーニス星系の次に行く星系はどうなの?」

 ヴァンが聞いた。

「そうですね。フォーニス星系から次はルース星系かライル星系になりますが、どちらを選ぶかで、航路の方向が決まりますね。ただ、フォーニス星系の次は殆ど期待できないです。

 ミネルバ号ならフォーニス星系の次はアリシア星系に行き、ジャニアス星系に戻るのがお勧めですね」

 ルーカスが答えた。

「なるほど」

 ヴァンが頷いた。

「しかし、これでは、たった3つの星系を回るだけになりますから、面白くないですよ」

 ルーカスはマックスに言った。

「そうだな。定期貿易船なら、その航路でも良いかもしれないが、ミネルバ号は自由貿易船だからなぁ」

 マックスはルーカスに同意した。

「フォーニス星系の次はフォーニスに到着してから考えるよ」

「それが、いいです。フォーニスに着いたら、何が起きるか分かりませんからね。

 私の経験では、なかなか思うように行き先が決まりませんでしたよ」

 ルーカスがしみじみと言った。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 時間が少し戻って昼過ぎ時、シャトルで地上から宇宙港に戻ってきた二人組の男女がいた。

 1人は192cmぐらいのウォルフ人。年齢は良く分からない。使い古したスペースジャケットを着ており、手足は白、頭は白と青で、ハスキー犬に似ている。好意的な見方をすれば、狼に似ているとも言える。

 ウォルフ人の血統に詳しい者が見たら、ウォルフ人の中でも支配階級の上位種族に属する種類だと、驚いたことだろう。

 人間から見れば、精悍な感じで、見た目は、いかにも強そうに見える。

 名前はルイス・ウィリアム。海賊船のエンジニアだった。

 幼い頃に両親を無くし、兄弟姉妹はばらばらになったルイスは手頃な宇宙船に乗り込み、ボーイとして雇って貰うように申し込んだ。

 普通は追い出されるところだが、なぜか、船長に気に入られ雇ってもらうことができた。

 しかし、後で分かったことだが、その宇宙船は海賊船だった。

 拾ってもらった恩義があるため、ルイスは黙って船長の命令に従った。ルイスは正義感が強いので、本当は悪事を働くことは嫌だった。

 ルイスは勤勉で頭が良く、働きながら通信教育で学位を取り、海賊船の機関士になった。

 その後も、独学で勉強を続け、博士号を取得した。

 海賊船の生活は危険と隣りあわせだ。襲撃で命を落とすか、宇宙軍に捕まるか、海賊が長生きすることはめったにない。

 乗り込んだ当初の乗組員で生き残っていたのはほんの僅かだ。ルイスは役割が機関士だったことが幸いし、今まで無事に生きながらえてきた。

 ルイスが乗っていた海賊船の船長も相当な幸運の持ち主と言える。

 一緒に歩いてる女性は24歳ぐらいで、身長は165cm、金髪に青い目。平均よりは、美人の部類に入る。

 名前はテレサ・ヘップバーン。ルイスと同じ海賊船に乗っていた。

 テレサの叔父が海賊船の船長であり船主であるのだが、叔父はかなりの年なので引退することを決意した。

 そして、二つの宙域を普通の商船として航行してからジャニアス星系に到着した。

 海賊船自体は相当な老朽船だったため、船長はジャニアス星でスクラップにし、叔父は予定通り引退した。

 ルイスは拾われた恩義があるので、年老いた船長にずっと従ってきたが、今後は堅気になる決意をした。そして別れ際にテレサの面倒を見るように約束させられた。船長からはテレサを堅気にするように頼まれている。

 ルイスは何年も前に海賊仲間の親友から古い記憶装置を譲られていた。記憶装置には超古代人の遺跡に関する情報が入っているらしい。ルイスは親友に遺跡を見つけることを誓っていた。

 テレサに相談した結果、この宙域で有名なトウゴウ教授の研究所を訪れたのだが、生憎と教授は留守だった。

 ルイスとテレサは働き口を見つけるために、一旦、宇宙港に戻ってきたところだ。


「ルイス。これからどうするの?」

 疲れた様子のテレサがルイスに聞いた。

 ルイスは、自分の身の振り方は自分でしっかりと考えるべきであって、人に頼るのは良くない。何がやりたいのか、一番知っているのは自分なんだから、後悔しないように自分でよく考えるべきだと思った。

「自分のことは、自分で考えろ」

 ルイスはテレサに告げた。少なくとも、ルイスは自分が思ったことを言ったつもりでいる。

「もう、他人事じゃないでしょう。ルイスはどうするつもりなの?」

 テレサがルイスに文句を言った。

 ルイスが伝えようとした事が何も伝わっていないことは明らかなのだが、ルイスはまじめに考えた。今のところ、親友の形見である円筒の記憶装置をしらべる手立てはトウゴウ教授に頼るしかない。今は所持金に余裕があるが、直ぐに無くなってしまうだろう。考えられる解決方法は働き口を探しながらトウゴウ教授を捜すしかない。

「俺は教授のことを聞きながら働き口を見つけてみる」

「まだ、諦めてないの?」

「他に方法がないからな」

「トウゴウ教授の自宅に行って、確かめたでしょう。ハウスキーパーのコンピュータがいつ帰ってくるか不明だと言っていたじゃない」

「だから、働きながら帰って来るを待つか、行き先を調べるんだ」

「そう、それなら最善の方法かもね、あぁ、疲れたなぁ、どこかで軽く一杯やっていきましょうよ。なんと言っても、情報収集は酒場よ。教授のことを聞いたら意外と誰かが知ってたりするかも」

 確かに酒を飲んでいれば、変なことを聞いても、あまり警戒されずに教えてもらえることが多い。特にバーテンや給仕は街の噂に詳しいはずだ。

「いいだろ、この前の店に行ってみるか。あそこが一番安かった」

「賛成。さっさと行きましょう」

 2人は宇宙港街の繁華街にある店に向かった。


 ふと、誰かに後をつけられているように感じた。事実、ルイスに気づかれないように追跡している若者がいた。

 ルイスとテレサは店に入り、奥のテーブルに座ると軽いつまみとビールを注文した。

 ルイスが入った店はマックス、ヴァン、ルーカスの3人が雑談している店だった。そして、店の前に頭をパンクトップにした25歳ぐらいの若者が、何か獲物を狙うように通りすぎる人々をじっと観察していた。

 若者は通りを歩いてきた宇宙軍の軍服を着た4人組を見つけると、顔をにやりとさせてから、すぐに、4人の男たちに近づいていった。

「ヴァンスキーさん。」

 若者が先頭を歩いている男に声をかけた。

「あぁ、なんだ。チークじゃないか? 何か問題でも起きたか?」

 ヴァンスキーと呼ばれた大男が答えた。鍛えられた逞しい体をしており、襟首には伍長の階級章をつけている。

「いや、問題はないですよ、ちょっとした小遣い稼ぎの仕事があるんで、どうかと思いましてね。興味ないっすか?」

「小遣い稼ぎか、で、幾らだ?」

 仲間の3人の男は黙って2人の会話を聞いている。3人ともヴァンスキーに劣らず、がっしりとした体をしているため、通りを塞ぐ結果になっている。

 通行人は誰も文句を言わず、ただ、迷惑そうに避けて行った。

「こんなところじゃ、目立ちますから、ちょっと、あっちでいいですか?」

 チークはベンチが置かれたちょっとした公園になっている広場を示した。

 ヴァンスキーは辺りを見て「いいだろう。」と答えた。

 チークは早速、広場に行き4人が来るのを待った。

 こんなところで、怪しげな男が5人もこそこそと話してたら、いかにもやばい話をしているようにしか見えない。

 しかし、誰もそのことには言及しなかった。と言うよりも誰も気づかなかった。


「実は。先ほどの店に、元の仲間が2人いるんです。一人はウォルフ人で、結構強い奴なんですが、私の大事な物をもっていったんですよ。たまたま、2人を見つけたので、私の大事な物を取り返そうと思って、ここまで、追ってきたんですが、私1人では、とてもかなわなくて、それで、誰か知り合いが通るのを待ってたんです。

 大事なブツは銀色の円筒状の物ですが、奴は大事に懐にしまいこんでます。

 もし、取り返してもらえたらお礼に1人当たり500Crを払います。

 あなた達なら奴が強くても、どうってことないでしょう。お願いしますよ。連れてる女は好きにしていいっす。

 あいつには、もったいなぐらいの上玉ですぜ」

「500Crか、まぁ、たしかに小遣い程度だな、4人だから2000Crだな。ところで、銀色の円筒と言うのはなんだ? 本当にお前の物なんだろうな?」

「親友の形見でね。ただの飾り物っすよ。大それたものじゃないっす」

「まぁ、いいだろう。で、本当に2000Crも出せるんだろうな」

「勿論すっよ。ほら、例の件の褒美に貰ったんで金はありますよ」

「あぁ、なるほど。よし、任せな。お前の大事な物とやらを取り返してやる」

「恩に着ます。やつは、店の一番奥のテーブルにいます。私は店の外で待ってやすから、お願いしますよ」

「よし、みんな、行くぜ」

 ヴァンスキーは先頭に立って、わき道から通りに出ると店のドアをくぐった。


 ヴァンスキーが店に入って、薄暗くなっている奥の方を伺うと、犬の頭をしたやつを見つけた。隣に女性らしいのが座っている。上玉かどうかはまでは分からない。

 ヴァンスキーは、ずかずかとウォルフ人を目指して奥に進んだ。他の3人は黙って後ろを追った。

 ルイスとテレサが座っているテーブルに着くと、ルイスの向かい側にドカッと座った。他の三人はヴァンスキの左右に控えている。

 ルイスとテレサはヴァンスキーを見た。

 ウォルフ人はチークが言った通り、それなりに逞しい体をしているようだが、海軍でみっちりと鍛えたれている自分達にかなうはずが無い。しかも全部で4人もいる。

 隣の女性はチークが言う通り上玉だ。若くてなかなかの美人だ。

「なんだ。お前達は?」

 ルイスが尋ねた。テレサは特に怖がっていない。

「俺の友人から、大事な物を取り上げたそうだな。大人しく返してもらうか」

 ヴァンスキーがどすの利いた声で言った。

「何のことだ?」

 ルイスが答えた。

「ほう、とぼけるのか? 痛めに合いたくなかったら、懐のぶつをよこしな」

「何だと。誰に聞いた? それにこれは俺のものだ」

「ほう、あくまでシラを切るつもりだな、だまって渡せば大人しく引き上げるつもりだったが、相当、痛い目に会いたいらしい」

 ヴァンスキは顎で仲間に合図を送った。3人はすばやくルイスとテレサの背後に回った。

「そんな脅しが効くか、誰にたのまれた?」

「ほう、なかなか強情だな。しかたない、やっちまえ」

 ヴァンスキーが言うと仲間の二人が両脇からルイスを、もう一人がテレサを背後から、押さえつけようとした。

「キァーー」

 ヴァンスキはテーブルをそのまま横に放り投げた、上に載っていたコップや皿が床に落ちて音を立てた。

 背後を押さえつけられたテレサが悲鳴を上げた。

「放せ、このやろう。」

 ルイスは怒鳴った。

 ヴァンスキーは2人に押さえつけられて身動きできないルイスの顔を殴りつけ、強烈なボディブローをお見舞いした。

 ルイスは犬の吼え声を上げつると2人を引きづったまま、ヴァンスキーに突進しようとしたが、2人に上から乗られて床に押さえつけられた。

 ヴァンスキーは屈んでルイスの懐に手をいれ、円筒状のものを手探りで取り出した。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



 突然、店の奥から男の怒鳴り声が聞こえた。マックスとヴァン、それにルーカスは驚いて立ち上がり、音がした方を見た。

 奥の方に宇宙軍の軍服を着た4人の男とスペースジャケットを着たウォルフ人が取っ組み合いをしているのが見えた。

 ヴァンは驚いた顔をすると、すぐに奥へ走り出した。

 マックスもすぐにヴァンの後を追いかけた。宇宙軍の軍服を着ている4人組みには見覚えがある。『グリフィン号』に乗り込んでいる兵隊だ。

 兵隊の2人がウォルフ人を押さえつけ、兵隊の1人が男性の懐から5,6cmぐらいの銀色の円筒を取り出している。

「きおつけー」

 ヴァンの大声が響き渡った。兵隊を調教している時の声だ。

 4人の兵隊は飛び上がってその場で直立不動の姿勢を取った。長年の訓練による反射行動だ。どのような状況であっても即座に反応する。

「きさまらー、そこで何をしとるかー」

 再び、ヴァンの大声が響き渡った。

 4人の肩がピクリとした。ヴァンは兵隊の一人が持っていた円筒を取り上げた。

「ヴァンスキー伍長、何をしてたか答えろ」

 ヴァンが軍隊調で命令した。

「アイアイ・サー、副長殿。しかし、副長殿は退役されたと聞いています。俺達に命令する権利はありません」

 リーダ格のヴァンスキー伍長が答えた。なかなか勇気があると言える。それとも、したたか者と表現した方が相応しいかも。

「きさま、私の命令に反抗するつもりか?」

 ヴァンが軍隊調で応じた。

 確かに、マックスもヴァンも、ヴァンスキーに命令する権限はない。しかし、ヴァンからグリフィンで有名な往復ビンタが飛び出しそうな雰囲気だ。

「はっ、申し訳ありません。私たちは、ちょっと、ふたりと親交を深めようとしてただけであります。武器は一切、使ってません」

 ヴァンスキーが答えた。大分青ざめた顔をしている。答えた内容は兵隊がけんかしたときの標準的な答えだ。

「そうか、これ以外に何か取り上げた物は無いだろうな?」

 ヴァンはヴァンスキーの目の前に円筒をかざして質問した。

「もちろんであります。何も取ったりしてません」

 ヴァンスキーが直立不動で即答した。

 ヴァンはウォルフ人に本当かどうか目で尋ねた。ウォルフ人は首を縦に振って答えた。

「よーし、分かった。おまらのような、くずをこれ以上、見たくない。とっとと、ここから出て行け」

 ヴァンが命じると4人の兵隊は、慌てて、店から出て行った。

 ウォルフ人の方は特に怪我はしていないように見えるが、顔を殴られたのか、少し赤い跡が見える。

「大丈夫か?」

 マックスはルイスに聞いてみた。

「あぁ、大丈夫だ。たいしたことはない」

 ルイスが答えた。

 ヴァンは銀色の円筒をルイスに渡した。ルイスはすぐに懐にしまった。

「そっちは、大丈夫?」

 ヴァンがテレサに尋ねた。先ほどの声とは全然違う。普通の話し方に戻っている。

「元部下が迷惑をかけて申し訳ない。お詫びのしるしに何かおごらせてくれ」

 マックスはルイスに申し出た。

「いや、遠慮する」

 ルイスは反射的に答えた。

「そうか、まぁ、こんな目にあったばかりだ。信用できないのは良く分かるよ」

 マックスが答えた。無理に奢るつもりはない。

「ねぇ、ルイス、この人達はさっきの人とは違うわ。奢ってもらいましょうよ。私、おなかがぺこぺこだよ」

 テレサがルイスに言った。

「何言ってるんだ。こんなめにあって懲りてないのか?」

 ルイスが答えた。

「大丈夫だって、さっきのは確かにごろつきみたいな人だったけど、この人達はごろつきじゃないと思うよ。私は奢ってもらおうかな。ルイスが嫌なら外で待っててもいいよ」

 テレサが答えた。ルイスは黙っていた。どうやら絶句しているようだ。

 散らかっていたテーブル、椅子、コップや皿は、給仕達が手早く片付けた。マックスは給仕の1人に「俺が弁償するから、後で請求してくれ」と小声で言った。

「では、お嬢さん、あちらのテーブルへ行きましょう」

 いつの間にか、そばにいたルーカスが女性の手を取って連れ出していった。ヴァンが後に続いた。

「まさか、自分だけ外に行くつもりはないよな」

 マックスがルイスに聞いた。

「あぁ、しょうがない」

 ルイスは、あきらめの口調で答えた。

 マックスとルイスもルーカスの後を追ってテーブルに戻った。

 テーブルには椅子が6人分ある。

 5人で座っても、まだ、椅子が余っているが、やはり、少し狭いような気がする。

「それじゃ、なんでも、好きなものを好きなだけ頼んでくれ」

 マックスが給仕に合図を送って言った。

「あんたは、殴られてるみたいだからアルコールは止めた方がいいな」

 マックスはルイスに言った。

「そうだな」

 ルイスは素直に答えた。

「こちらが、ヴァンさん、そして、船長のマックスさん、私は、ルーカスです。お嬢さんの名前を教えてもらえないかな」

 ルーカスが尋ねた。さすがは年の功だ。

「えっと、私はテレサ、テレサ・ヘップバーンよ。そっちがルイスちゃん。よろしくね」

 テレサが店のメニューを見ながら答えた。

 マックスはメニューをルイスに渡した。ルイスもメニューを開いた。

 そして、2人はたっぷりとした量の食べ物と飲み物を注文した。ルイスは忠告に従って飲み物はオレンジジュースを頼んでいる。テレサは3人と同じビールを頼んだ。

 テレサはかなりおなかを空かしているようだった。注文した量を考えるとルイスもおなかが減っていたのだろう。

 夕食にはすこし時間が早いが3人は2人に付き合うつもりで軽い食べ物を注文した。

 マックスは2人は色々と聞かれるのは嫌だろうと思い、何も尋ねなかった。

 みんなは黙ってお互いを観察した。そして、食事が運ばれてくると、黙って食べた


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