未来へ
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風が吹き抜ける、高台の薬草の丘。
青空の下、アリシアは静かに空を見上げていた。
かつて薬草を摘みに来ていたこの場所は、今も変わらず緑に満ちている。
後ろから、カインの足音が聞こえた。
「ここにいたのか。……懐かしいな、この景色」
アリシアは微笑む。
「すべての始まりは、ここだった気がするの。
初めて薬草を手に取った日も、薬を作って人の役に立ちたいって思ったのもー」
少し離れて、シリウスとレオンが草むらに腰を下ろしていた。
レオンは小さな薬草の芽を見つけて、それを大事そうに手にしている。
「俺も、またやり直せるかな……人のために」
「もちろんさ。君には、まだ未来がある」
シリウスの優しい声が風に溶けた。
アリシアは空に向かって小さくつぶやいた。
「私はまだ……すべてを救えたわけじゃない。
でも、ひとつずつ。今日も、明日も。
誰かを癒せる薬を、作っていくよ」
カインがそっとその肩に手を置いた。
「これからも、一生涯、俺は命をかけてアリシア様をお守りします。」
アリシアはうなずく。そして皆に向き直る。
「さあ、帰ろう。次の季節の薬草も、もう芽吹いてる頃だし。…きっとまた、新しい薬ができるわ」
風が薬草を撫で、空が晴れ渡る。
旅は続く。けれど確かに、ここでひとつの物語が終わり、新たな日々が始まる。
…それは希望の香りに包まれた、新しい明日だった。
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