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アリシアと小さな庭の奇跡  作者: ちょこだいふく


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37/38

国の方向性

アリシアたちは、激動の隣国での任務を終え、王都へと帰還した。


大広間の玉座前に並ぶのは、リオネル、シリウス、アリシア、カイン、そしてレオン。

王はゆっくりと腰を上げ、息子たちと無言で目を合わせ、静かにうなずいた。


「よくぞ戻った。我が王国の誇りだ」


そう言ってから、リオネルが前に出る。


「父上。私は今回の遠征を通じて、ただの外交や薬の力にとどまらない、『人の命を守るという意志』の重みを知りました」


そして、王に一枚の書状を差し出す。


「シリウスとアリシアが中心となって開発・運用してきた薬品群を、王国の正式な御用達薬として登録し、記録・管理を一本化するべきと考えます」


王はしばし黙し、やがて微笑んだ。


「……賢明な提案だな。シリウス、取りまとめ役を務める気はあるか?」


一瞬目を見開いたシリウスだったが、すぐに一歩前へ進み、静かに頭を下げる。


「光栄に存じます。全薬品の管理と調整、責任を持って務め上げます」


そして、王はアリシアへと視線を移す。


「アリシア、汝の知恵と勇気は、王国を幾度となく救った。これからも民のため、薬を届けてくれ」


「はい、陛下」


彼女の返答は、晴れやかな笑顔に満ちていた。





王国中央医療司令部にて、さっそく薬草と薬品のリスト化が始まる。

その中で、とくに危険度が高いものが区分され、厳重管理対象となった。



ーーーーー


【取扱注意・高度管理対象】

•ブラッククミン:仮死誘導薬スリープ・ナッツの主成分。投与量を誤ると死に至る。→ 厳重な保管と医療従事者による使用限定。

•ローズマリー(高濃度):自白効果を引き起こす成分を持つ。精神的影響が大きいため、裁定と監視のもとでの使用に限る。

•コモンタイム:高濃度で魔力干渉が起きる可能性がある。魔力過敏者には使用制限が必要。



【一般流通推奨】

•エキナセア、レモングラス、スギナ、カカオ、カスカラ、レミナ草など:病気予防や治癒、精神回復、魔力調整など幅広い効果がある。十分な教育と説明書きを添えて、民間流通にも開放。

•コーヒー・エスプレッソ・カフェモカ系薬剤:呪い解除や精神汚染からの回復に極めて有効。医師認定を受けた施設にて常備し、必要時には無償提供を検討。




ーーーーー



会議の最後に、リオネルが声を上げる。


「我らの薬は武器ではない。人を救うためのものだ。

 よって…必要とする他国にも、利害ではなく、人道的支援として提供していくべきだと考える」


王はそれを受け、ゆっくりとうなずいた。


「よかろう。我ら王国は、『薬で国を守り、世界を癒す』道を選ぼう」


その言葉に、アリシアの胸は熱くなった。


かつて、何もなかった自分が…

今、命を救うための道を、誰かと共に歩いている。


(これからも、きっと乗り越えられる。)



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