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アリシアと小さな庭の奇跡  作者: ちょこだいふく


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36/38

そして収束

ーー数日後。


王国からの正式な抗議を受けた隣国の王は事態を重く見て緊急評議を開いた。

アリシアたちも王宮へと招かれ、直接隣国王と対面することになった。


王座に座る隣国王は、険しい表情で報告を受け、深く息を吐いた。


「……まさか我が国で、このような非道な研究が行われていたとは……!」


彼はアリシアたちに向き直り、深く頭を垂れる。


「知らなかったとはいえ…心より謝罪致す。我々の監督不行き届きだ。

 本来、君たちのような優れた薬師を、敬意をもって迎えるべきだった……本当に……」


隣国王は、薬師という存在を、せいぜい「優秀な学者」くらいにしか捉えていなかったのだ。

まさか命を弄ぶ禁忌の研究にまで手を染めているとは、夢にも思っていなかった。


やがて、王宮内の徹底調査によって、隠されていた非人道的な実験の数々が明るみに出る。

実験に使われた者たちの証言、廃教会から押収した魔物化薬の痕跡……

それらすべてが、覆い隠せないほどの悪意を示していた。


隣国王は、蒼白な顔で震えながら宣言した。


「……このような愚行、二度と許さぬ。

 違法研究に関与した者たちは、すべて厳罰に処す」


即座に、皇女派の派閥は解体。

研究に加担していた貴族たちは爵位を剥奪され、労働奴隷として生涯を贖うこととなった。


そして、裏で糸を引いていた皇女自身も──


「…皇女エリナ。

 そなたは、我が王家を辱め、国を裏切った。

 これより、魔力封じをした上で生涯を幽閉の身とする」


隣国王は冷たく言い渡した。


護衛たちに連行される皇女は、憎悪に満ちた目でアリシアたちを睨みつけたが、誰も彼女に情けをかける者はいなかった。






数日後。


隣国との外交問題は収束に向かい、王国と隣国の間には新たな条約が結ばれた。

「禁忌技術の再発防止」と「薬師の地位保護」に関する、厳重な協定である。


アリシアたちは任務を果たし、無事に王国への帰還を果たした。


王都に戻る馬車の中。

レオンは窓の外を見ながら、ぽつりと呟いた。


「……これで、少しは救われたのかな」


カインは優しく彼の肩に手を置いた。


「ああ。アリシア様が勇気を出してくださったおかげです。アリシア様の証言がなかったらここまで辿り着けなかった」


レオンははにかんで笑い、アリシアに深く頭を下げた。

「アリシア様本当に…ありがとう」


アリシアは微笑みながら答えた。


「ううん。当然のことをしただけよ。誰にももうあんな悲しい思いをして欲しくない…」



こうして、アリシアたちはひとつの闇を打ち払った。

だが、世界にはまだ、救いを求める声が無数に存在している。


新たな未来へ──

彼女たちの歩みは、止まることはなかった。

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