冒険者ギルド
冷たいエスプレッソの効果を知ったギルド長は、あまりの衝撃にしばらく言葉を失っていた。
会議室に重い沈黙が流れた後、ギルド長はゆっくりと椅子から立ち上がり、深く頭を下げた。
「……この恩恵、商業ギルドだけで抱え込むべきではありません。ぜひ、冒険者ギルドにも提供させてください。」
冒険者ギルド。魔物と最前線で戦う者たちの集まりだ。
呪いや瘴気により、体を蝕まれ泣く泣く冒険者を辞める者も多いという話だった。
「冒険者たちは、我々の領地を、いやこの国を守るために命を懸けています。救える命があるのなら…ぜひ、力を貸していただきたい。」
ギルド長の真剣な言葉に、アリシアたちは顔を見合わせた後、すぐに頷いた。
「もちろんです。困っている人たちがいるなら、私たちも全力で支えたいです。」
アリシアはまっすぐに答えた。
商業ギルドと教会は、すぐに冒険者ギルドへの紹介状をしたためた。
紹介状には、冷たいエスプレッソの効果、使用方法、そしてアリシアたちの理念が丁寧に記されていた。
数日後、アリシア一家は、紹介状を携え冒険者ギルドの本部を訪れることになった。
荒々しい外見の者たちが行き交う中、教会と商業ギルドの連名という重みもあって、すぐにギルド長への面会が許された。
「この冷たいエスプレッソが、本当に呪いを払うなら……多くの仲間を救えるかもしれない。」
ギルド長もまた、深く感謝を述べた。
アリシアたちの商品は、冒険者たちにも届けられることとなり、結果として、領地の新たな流通ルート――冒険者ギルドを通じた広域展開の道も開かれた。
新たな希望の光が、また一つ広がったのだった。




