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099.後鳥羽院 「人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふ故に もの思ふ身は」

はーい、じゃあ次は後鳥羽院(ごとばいん)くーん。

こっちに来て作った歌を見せてくださーい。


お、来た来た。

あれ? もしかしてキミがあの承久の乱で有名な後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)

ふーん、やっぱりそうなんだ。

「承久の乱、後鳥羽上皇(ごとばじょうこう)人鈍(ひとにぶ)い」っていう語呂合わせで、たしか小学生の頃に覚えた記憶があるわ。

人鈍い、だから、1221(ひとにぶい)年の出来事ね。


当時は日本史の年代を色々と語呂合わせで覚えたりしてたんだけど、もうほとんど忘れちゃったわね。

アタシ、何気に私立中学を受験したクチだからね。

え? 結果?

落ちたに決まってんだろ。

そんな事、いちいちアタシに聞くなっての。


ところで、キミのお父さんは何天皇なの?

え? 高倉天皇(たかくらてんのう)


聞いたこと無いけど、何だか渋い名前よね。

冬の雪深い八甲田山を軽装で踏破しようとか思ってなければいいけど。

黄色いハンカチなんか持って行っても指先は暖まらないし、幸福にもなれないわよ。


じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。


(ひと)もをし (ひと)(うら)めし あぢきなく

()(おも)(ゆえ)に もの(おも)()


なぁに、これ。

相当(うら)みが()まってるみたいな歌だけど、キミ、大丈夫?


「人もをし人も(うら)めし」ってのは何?

え? 「人が(いと)しくも、また人が(うら)めしくも思われる」ってことなんだ。

アンビバレントな感情がサステナブルに揺れ動くって感じかしら。

って、中二病かよ。

なんだそれ。


今さらアンビバレントとかサステナブルなんて言葉、秋の豚のイメージしか浮かばねーわ。

ちょっと目新しい言い回しって、すぐに豚が嗅ぎつけて歌詞に乗っけちゃうからなー。

なんだかなぁ。


「あぢきなく」は「味気なく」ってこと?

旨味が足りないって言いたいわけ?

韓国メーカーのインスタントラーメンみたいなものかしら。


以前、赤いパッケージに包装された、なんとかってインスタントラーメンを食べてみたことがあるんだけどさ、辛いばっかりで旨味がまるで無いのよね。

何なの、あれ。


アタシ、辛いもの自体は好きなのよ。麻婆豆腐で言えば四川風の、花椒で口の中がビリビリに(しび)れるくらいのやつが一番好きだしさ。

でも(しん)ラーメンはダメだわ。(あ、言っちゃったw)

だって、本当にただ(から)いだけって感じじゃない?

まぁ、最初からそういう商品名で売ってるわけだから看板に偽りは無いんだけどさ。


その時以来アタシは二度と(しん)ラーメンを口にしてないし、きっとこれからも食べることは無いわね。

あ、もちろんいい意味で。


……あれ?

今日のアタシ、いつになくイキってるわね。

どうしてかしら。

普段と変わらないはずなんだけど。


もしかしたら、あと一人で今回のアタシの仕事が終わりになっちゃうからかも知れないわね。

せっかく自由に悪態をついて、あること無いこと好き勝手に書くことでいいストレス解消になってたのに、この仕事が終わっちゃったら、そういう(わけ)にもいかなくなるからね。


でもその反面、やっと100話を完結できそうでホッとしてたりもするのよね。

よくもまぁ、こんなフザけた作品をここまで書いてきたなと自分でも思うわ。


今これを読んでくれてる人は、ここまで我慢して読んでくれてありがとね。

ブックマークを付けてくれた人も、評価を付けてくれた人も、本当にありがとう。


つーか、なんでアタシ、ここでいったん締めようとしてるんだって話よね。

まだあと1話分残ってるし、何なら今もまだ話の途中なんだけどね。


それについては、何て言うか、最後の100話目はシレッと終わりたいっていうのがあってさ。

あんまり湿っぽくしたくないっていうか、挨拶は先に済ませておいた方が気が楽というか。


そういう(わけ)だからさ、黙ってここでアタシからみんなへ「ありがとう」って言わせてちょうだい。


……で、何を話してたんだっけ。


そうそう、今日のアタシがいつになくイキってるって話だったわね。

でも別に今日に限らず、アタシはこれからもずっとイキってくわよ?

ミミズだってオケラだってアメンボだって、みんなみんなイキっているのよ。

僕らはみんなイキっている~♪

イキっているから、うれしいんだ~♪


……って、本当はただそれが言いたかっただけなんだけどさ。

これはさすがに無理があったわね。

まぁでも書き直すのが面倒だから、話を先に進めちゃうけど。


で、「あぢきなく」って何だっけ。

ふーん。「面白くなく」って意味なんだー。

こんなの、意味を聞かなきゃ分からないわね。


次の「()(おも)(ゆえ)に もの(おも)()は」ってのは、何だかデカルトっぽいわね。

「我思う、故に我あり」みたいで。


あーなるほど。

これは「世の中を思うせいで、私は思い(わずら)っている」っていう意味なのね。


じゃあキミが言ってることは、

「人が(いと)しくも(うら)めしくも思われる。面白くなく世の中を思っているせいで、私は思い(わずら)っているのだ」

って感じかしら。


ちょっと何言ってるのか分からないけど、まぁ悩んでいることだけは伝わってくるわ。


アタシも昔は人間関係に悩んだりもしてたわね。

何て言えばいいのかな、誰と一緒に居てもノリが合わないっていうか、何だかしっくりこなかったのよ。

最初は、たまたまアタシと性格が合わない奴ばかりがアタシの周りにいるせいだとか、相手の性格に問題があるせいだ、って思ってたんだけど、ずっとそういう事が続くとさ、さすがにこれはアタシの方に原因があるんじゃないかって気付かされる(わけ)よ。


だって確率的に見ても、アタシの周りの人たちの性格が(ことごと)く変だから相性が合わないんだって考えるより、アタシの性格が変だから周りの人たちと(ことごと)く相性が合わないんだって考えた方が、どう考えても理に(かな)ってるじゃないの。


一度そういう考えを持ち始めちゃうとさ、どんどん人付き合いが面倒になってきて、どんどん人に対して(ひや)やかになっていくのよね。


どうせアタシは異質なんだからアンタ達とは仲良くなれないわって、最初から思っちゃうのよ。

中学生の頃は割とみんなと仲良くできていたけど、中学を卒業して以降は、アタシが唯一仲良くなれそうだと思えた人は大学のサークルで出会った一人だけね。


そいつとは珍しくお互いの波長が合う感覚があったんだけど、残念ながらそいつが半年くらいでサークルを辞めちゃって、結局それっきりになっちゃったわ。

もう今じゃ「アタシには親友なんて一人もいないんだから、それならそれで仕方ないや」って(あきら)めてるわよ。


自分には親友が一人もいないっていう人は、いったい日本にどのくらい居るのかしらね。

きっとそんな人は少数派で、自分には親友がいるって感じている人の方が大多数なんだろうね。


でもさ、いま貴方(あなた)が親友だと思っている人は、本当に貴方(あなた)の親友なのかしら?

貴方(あなた)が親友だと思っている人は、本当に貴方(あなた)を親友だと思ってるのかしら?

果たして、3年後もお互い親友のままでいられるかしらね。


……なんちゃって。

ちょっと意地悪を言ってみたくなっただけだわ。

じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。


(ひと)もをし (ひと)(うら)めし あぢきなく

()(おも)(ゆえ)に もの(おも)()

新型コロナで 味しなくなる

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