090.殷富門院大輔 「見せばやな 雄島のあまの 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変らず」
はーい、じゃあ次は殷富門院大輔くーん。
こっちに来て作った歌を見せてくださーい。
お、来た来た。
……って、女じゃないのー!
つーか、大輔って「だいすけ」って読むんじゃねーのかよー。
野球好きのアタシは大輔って聞くと、三浦大輔とか松坂大輔を連想しちゃうからさー、こんなの「だいすけ」としか読めねーよー。
……なーんていうくだりを、たしか伊勢大輔さんの時にもやったわね。
アタシも学習しないわよね。
ところで、アナタの本名はなんていうの?
え? よく分からないの?
アタシもWikipediaで確認してみたけど、何も書いてないわね。
じゃ、アナタのお父さんの名前はなんていうの?
え? 藤原信成?
だぁれ、それ。
まぁいいわ。
とりあえずアナタも藤原ホールディングスの一員だってことね。
じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変らず
なぁに、これ。
「見せばやな …… 濡れにぞ濡れし」って、なんかエロいわね。
「雄島」とか「 色は変らず」なんかも、何だか意味ありげに聞こえるし。
アンタたちがこういう歌を詠むから、アタシの頭の中にあるエロ中枢が刺激されて、運営からNGを食らいそうな文章になっちゃうのよ。
本当に、いい迷惑だわ。
しかもアンタ、女でしょ。
女の口から「濡れにぞ濡れし」とか「雄島」とか「 色は変らず」とか、あんまり言わないで欲しいわね。
ハッキリ言って男に対する逆セクハラよ。
女なんだから、言葉を選びなさいよ。
アンタだって、例えばムラムラしちゃった参議篁くんが、
「びんびんの 嵩の松茸 皮むけて」
とか詠み始めたら、嫌な気持ちになるでしょ?
お互い様だわ。
しっかり反省してちょうだい。
ところで、「見せばやな」ってのはどういう意味なの?
「見せば」って「見せ場」のこと?
え? 「見せばやな」って「見せたいものだ」って意味なのね。
ほらー、アンタやっぱり見せたがってるじゃないの。
実はアナタの殷富門院って、淫婦悶院の間違いだったりする?
「 雄島のあまの 袖だにも」ってのは何?
ふーん、「雄島の漁師の袖でさえ」ってことなんだー。
そう言えば、「だに」は、「〜でさえも」の意味だったわね。
「恨みわび ほさぬ袖だに あるものを」って詠んだ、ゴム持参派の相模さんが教えてくれたわ。
「濡れにぞ濡れし 色は変らず」ってどういう事?
え? 「濡れに濡れても色は変わらない」ってことなのね。
雨に濡れても滲まない油性マジックみたいなものかしら。
じゃあまとめると、アナタが言ってることは、
「見せたいものだわ、雄島の漁師の袖でさえ、濡れに濡れても色は変わらないのに」
って感じかしら。
ん?
これってもしかして、遠回しに「私は濡れに濡れて、色が変わっちゃったから見せたい」って言ってる?
ちょっとぉー。
いったいどこが濡れて、何色に変わったのよー。
っていうか、元の色はどんな色だったの?
ピンク色なの? 黒ずんでるとか?
あと、ついでにどんな形?
……って、アタシも食いつき過ぎよね。
あー、やっちゃったわ。
またR18って言われちゃうわ。
少し前に懲りたと思ったら、もう元に戻ってるわ。
ま、アタシの場合、話のネタ的にはR50なんだけどね。
それに、R18ネタを気にするような人だったら「ここまで読み進めてくる前にとっくに離脱してるだろ」って思うわね。
もう90人目だし、いよいよここからラストスパートを掛けて、全員置き去りにしちゃおうかしら。
つか、最初から誰もついて来てない説があるわね。
サイレンススズカの金鯱賞みたいなものだわ。
あ、これもR50的なネタだわね。
そりゃあ読まれないはずだわ。
最近は全然見てないけど、アタシ、若い頃はよく東京競馬場へ競馬を見に行ってたのよ。
たしかこれは前にも書いたわよね。
全盛期には大雪の日でも競馬を見に行ってたくらい、毎週せっせと通っていたわ。
アタシ、若い頃にJRA口座にいくら入金したか分からないわよ。
そろそろ満期になって返ってきてもいい頃なんだけど、おかしいわね。
そう言えば、たしか社会人になって4年目くらいだったかしら。
当時付き合ってた娘が府中に住んでてね、仕事が休みの日は車を出して府中まで遊びに行ったものよ。
一緒に競馬を見たこともあったし、多摩動物公園まで足を伸ばしたこともあったわね。
付き合ってたって言っても真剣なものじゃなくて、今でいうセフレみたいな関係だったのよ。
つか、今どきセフレなんて言い方するのかしら?
まぁいいわ。
そういう意味では、付き合ってたとは言えないのかも知れないわね。
年齢的には若かったけど、アタシの心はとっくに死んでたからね。
まともな恋愛なんて出来っこないのよ。
せいぜい恋愛ごっこが関の山だわ。
その娘とはトータルで2年ぐらい会ったり会わなかったりしてたけど、そのうち何となく会わなくなって、それっきりよ。
付き合い始めた感動も、別れた時のショックも、まるで無かったわね。
やっぱりこれじゃ、付き合ってたなんて言えないわよね。
こんなんだから、アタシにはまともな恋愛は語れないのよ。
誰もが普通に通る恋愛経験を、アタシはスキップしてるからね。
ま、それは恋愛経験に限った話じゃなくて、友達との人間関係でもそうね。
高2の冬の失恋を機に、アタシは一人で居る方が楽に感じるようになっちゃったからね。
で、こうして年齢を重ねただけのダメ人間が出来上がっちゃったわけよ。
アタシだって、晴れた日の朝に食パンを口に咥えながら走ってる可愛い女子高生と四つ角でぶつかって、彼女がカバンから落とした教科書を一緒に拾ったりなんかして、彼女が「すみません、急いでるので」かなんか言って走り去った後、道端に彼女の生徒手帳が落ちてるのを見つけちゃって、下校時間に手帳を渡そうとして彼女が通っている高校の正門前で待ってたら彼女が出てきて、「あなたは今朝の……。わざわざすみません、どうお礼していいか……」とか言われて「いいって、いいって。それより、ちょっとどこかで話せない?」とか言って駅前のファーストフード店に一緒に入って、あれこれ話すうちに意気投合しちゃって、「よかったら、これからも会ってくれますか?」とか言われちゃったりなんかして、「それは構わないけどさ」なんて余裕を見せて、それから彼女とちょくちょく会うようになって、「今度、一緒に水族館に行こうよ。可愛いよ、チンアナゴ」とかデートに誘って水族館でデートして、その日の夜にアタシのチンアナゴも可愛いがってもらっちゃったりなんかして、他にもあんな事やこんな事を経験したかったわよ。
ま、振り返ってみるとアタシの人生には不満も多いけど、でも、これらをじっとこらえてゆくのが男の修行なのよ。
そう思って、アタシはこれからも我慢しながら生きていくわ。
じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。
見せばやな 雄島のあまの 袖だにも
濡れにぞ濡れし 色は変らず
見せ場と言えば やっぱり濡れ場




