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089.式子内親王 「玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの よわりもぞする」

はーい、じゃあ次は式子内親王(しきしないしんのう)さーん。

こっちに来て作った歌を見せてくださーい。


お、来た来た。

アナタは内親王だから、天皇の娘ってことよね。

アナタのお父さんは何ていう天皇なの?

え? 後白河天皇(ごしらかわてんのう)


あらー、有名な天皇じゃないのー。

アタシもたしか教科書で名前だけは見たことあるわよ。

何をした人かは知らないんだけどさ。


じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。


(たま)()よ ()えなば()えね ながらへば

(しの)ぶることの よわりもぞする


なぁに、これ。

体が、もぞもぞするの?

一回服を脱いでみたらどう?

虫か何かが服と体の間を()いまわっているかも知れないわ。


え? セクハラじゃないわよ、失礼ね。

アタシ、これでも一応は女よ?

設定がブレブレだけど。


(たま)()よ」ってのは何?

丸い玉が付いたヒモみたいな感じ?


え? 玉を貫いた()のことなの?

ふーん、ここでは「玉の緒」は自分の命のことなのね。


つーか、なんで?

なんで玉を貫いた()が命なの?

命って、ヒモでぶら下がってるの?

アタシにはそんなイメージは全然無いんだけど。

相変わらず適当よね。


「絶えなば絶えね」ってのは何?

「絶えたきゃ絶えろ」ってこと?

食いたきゃ食いねぇ、寿司食いねぇ、って感じかしら。


今の子は知らないと思うけど、昔、「スシ食いねェ!」って歌があったのよ。

しかも歌ってたのは、ジャニーズ事務所に所属してた当時のアイドルだからね。

まったく、何の冗談かと思うわね。


曲はそうねぇ……似た感じの曲で言うと、タイーヤマルゼン、タイヤマルゼン、みたいな曲ね。

あ、これ、曲っていうかCMか。

まぁでもそんな感じなのよ。

あれ? もしかするとアタシの勘違いで全然違うかも。


え? 「絶えるならば、絶えてしまえ」ってことなの?

珍しくアタシの解釈で合ってるじゃないの。


「ながらへば」は、たしか「もし生き長らえるなら」って意味だったわ。

「永らへば またこの頃や しのばれむ」って()んだ、甘党の藤原清輔(ふじわらのきよすけ)朝臣(あそん)くんが教えてくれたわよ。


「忍ぶることの よわりもぞする」は何?

「我慢するにもほどがある」って感じ?


え? 「もぞする」は「〜となっては困る」という意味なのね。

まぁ確かに虫か何かが服と体の間をもぞもぞと()いまわっていたら困るわね。

結局、「我慢することが弱くなっては困る」ってことね。

簡単に言えば、「我慢できなくなると困る」ってことかしらね。


じゃあ結局、アナタが言ってることは、

「自分の命が絶えるならば、絶えてしまえ。もし生き長らえるなら、我慢できなくなると困る」

ってことかしら。


なんで長生きすると我慢できなくなると思うの?

だんだん気が短くなるってこと?

おしっこが我慢できなくなるの? 頻尿(ひんにょう)

よく分からないわね。


それに、仮にアナタが我慢できなくなったとしても、それで困るのはアナタじゃなくて、アナタの周りの人たちだと思うけど。


アタシ、我慢って聞くと、いつも思い出す言葉があるのよ。

それは山本五十六が残した名言、「男の修行」だわ。


この人は太平洋戦争の緒戦にハワイ真珠湾攻撃を画策した人として有名だから、名前くらいは聞いた事があると思うけど、この名言も是非知っておいて欲しいわね。



男の修行

      山本五十六


苦しいこともあるだろう。

言いたいこともあるだろう。

不満なこともあるだろう。

腹の立つこともあるだろう。

泣きたいこともあるだろう。

これらをじっとこらえてゆくのが、

男の修行である。



……これよ、これ。

まさに男が惚れる男の言葉だわ。

やっぱり男は忍耐強くあるべきだと思うわね。


アタシは学校の教科書っていうと、石川啄木とか中原中也の詩が載ってるイメージだけど、この山本五十六の言葉もぜひ教科書に載せてもらいたいものだわ。

どうせ男女差別だとか隣国への配慮がどうこうとか言われて、文部科学省から却下されちゃうんだろうけど。


ま、それはともかく、これを読んでくれてる人は、この言葉をぜひ心の片隅にでも置いておいて欲しいわ。

本当にツラい時、自分を支える言葉があるのと無いのとでは大違いなのよ。


あ、でももし女の読者がいたら困っちゃうわね。

あんまりいないと思うけど、ちょっとだけ書き足しておこうかしら。


アタシ、女の場合は男ほど我慢しなくていいと思ってるのよ。

むしろ女は適度に男に甘えて欲しいわね。


女ってそれが許される存在だと思うし、女に甘えられた男の方も悪い気はしないからね。

男から見たら、弱みをまったく見せない女なんて、ちょっと近寄り難い感じがしちゃうわね。

世の中の男はそんな女を求めてないし、理想だとも思ってないわよ、たぶん。


ただし、男に甘えるって言っても、相手は選ばなきゃダメよ?

この人なら、と思う相手一人に対してだけ、甘えてみてちょうだいね。


じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。


(たま)()よ ()えなば()えね ながらへば

(しの)ぶることの よわりもぞする

夏は股間が もぞもぞする

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