073.権中納言匡房 「高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山の霞 たたずもあらなむ」
はーい、じゃあ次は権中納言匡房くーん。
こっちに来て作った歌を見せてくださーい。
お、来た来た。
……って、キミは権中納言なのね。
アタシ、権中納言って聞くと、すごーく嫌な印象があるんだけど、どうしてかしら。
あー、思い出したわ。
思い出したくなかったけど、思い出しちゃったわ。
前に見た、権中納言敦忠くんの歌が最悪だったからよ。
童貞の恋愛感情なんてゴミみたいなものだ、とか言い放ったあの歌よ。
え? そんな歌じゃない?
うるさいわね、アタシにはそう聞こえたのよ。
……あちゃー。
またやっちゃったわー。
権中納言定頼くんの冒頭部分を丸コピしちゃったわー。
やめらんねーな、これ。
チョー楽だわー。
これからは、権中納言が出てきたら、問答無用で丸コピしちゃおうかしら。
これはいいアイデアだわ。
むしろ、逆にコピペ縛りで小説を作るっていうのも面白いかも知れないわね。
オリジナルの文は1行も書かないで、全部どっかの作品から文単位でコピってくるのよ。
ほら、パッチワークってあるじゃない?
あれの小説バージョンよ。
何だか面白そうじゃない?
主人公のセリフが同じ言い回しばっかりになっちゃって「何だよー、こいつ同じこと何回言ってんだよー」とかさ、情景描写が使い回しで「まーた図書室の中かよー。お前らの学校って図書室しかねーのかよー」なんつってさ。
誰かチャレンジしてくれないかしらね。
え? アタシ?
アタシはそんな事しないわよ。
著作権の問題とかあるし、だいいち面倒臭いじゃない?
そんな事するより、せっせとキーボードを打ってた方が断然早いわよ。
え? 何の話ですかって?
ゴメンなさいね、権中納言匡房くんには関係無かったわね。
ところで、キミの本名はなんていうの?
え? 大江匡房っていうのね。
あれ、大江って聞いたことあるわね。
……ああ、そうそう、このクラスの大江千里くんね。
彼、いつも教室の中で「か、あ、こ、わ、るー、い、ふ、ら、れ、か、あ、た、あ」って歌ってるらしいわよ。
キミと大江千里くんは何か関係あるの?
親戚だったりする?
え? やっぱりそうなんだー。
で、どういう関係なの?
え? そう言われると思って家系図を持ってきているの?
ずいぶん準備がいいわねー。
そんな段取り、どこで覚えたのよ。
何だかヤラせのTV番組を見せられてる感じだわー。
……って、でもこれ、どうやって読者に伝えりゃいいのよ。
こんなところでチマチマとテキストベースの表を作る気にはなれないわね。
小説(とは言い難いけどww)の本文の中で表を作ってどうすんのよ。
なーんて、本文の中で不定積分の計算を突然始めちゃうアタシが言っても説得力が無いんだけどさ。
まぁでも、昔は今と違ってWordやExcelなんて無かったから、文書作成にはワープロってのを使ってたのよ。
文書の中に表を作るときは罫線を文字として書くのよね。
↓↓ こんな記号みたいなのをせっせと手入力すんの。
┌─┬─┐
└─┴─┘
もう今の若い子には信じられないわよね。
……えーと、とりあえず家系図については、
匡房↑成衡↑挙周↑匡衡(&赤染衛門)って書けば分かるかしら?
意味的には、子↑父(&母)ってことね。
つまり、大江匡衡と赤染衛門の子が大江挙周で、その子が成衡、その子が匡房ってことよ。
えー!? マジでー?
キミは、このクラスの赤染衛門さんの曾孫なのーっ!?
……って、アタシは一人で何役やってんのよ。
思わず自分でツッコんじゃったわよ。
自作自演とは、このことだわ。
ま、アタシが文章を書くと、だいたい最終的にはこういう感じになっちゃうんだけどね。
こんなの読まされてる読者の困惑が目に浮かぶわね。
でもいいの。
頑張って付いてきてくれる人だけ付いてきてくれれば、アタシは満足だわ。
ちなみにアタシはツンデレの人だから「もしよかったらブックマークをお願いします」なんてお願いはしないわよ?
アタシはこういうお願いって、安易にしちゃダメだと思うのよ。
人によっては一話ごとに「ブックマークお願いします」とか書いてる人もいるみたいだけどさ、そんなお願いをする以上は、その作品を最後まで書き切る必要があると思うのよね。
読者にさんざんブックマークを付けるようにお願いしておいて、当の作者がその作品を完結させずに途中で投げ出すっていうのは、無責任というか不義理というか「それは違うだろ」ってアタシは思うわけ。
ま、たかがブックマークでそんなふうに堅苦しく考える必要なんて無いのかも知れないけど。
でも人に何かをお願いする時には、それなりの誠意を見せるべきじゃないかしら。
「自分はこれだけ頑張ったけど、やっぱり助けが必要だからお願い」とか「後でちゃんとお礼はするから、何とかお願い」っていう感じで。
ただ気安くお願いをしてくるだけ、みたいな人をアタシは信用できないわ。
アタシが嫌いな人はね、平気でウソをついたり無責任だったり、口ではゴメンとか言ってる割には全然反省して無かったりする人よ。
一言で言えば、チャラいヤツが嫌いなの。
たまにお願いされるくらいなら分かるけど、事あるごとに「お願い」って連発するようなヤツがいたら、アタシは速攻で縁を切るわね。
アタシがブックマークのお願いをしないのは、無責任なことはしたくないからなのよ。
アタシは余計な責任を背負わずに、自由気ままに投稿していきたいからね。
それに、お願いしてブックマークを付けてもらうより、何も言わずにブックマークを付けてもらう方が嬉しいじゃないの。
そうやって付けられたブックマークは、自分からお願いして付けてもらったブックマークよりも何十倍も価値があるとアタシは思ってるわ。
一応言っておくけど、アタシは自分からはお願いしないけど、誰かに勝手にブックマークを付けてもらう分には全然構わないわよ?
どうしてもブックマークを付けたいって言う人がいるなら、好きにするといいわ。
付けたければ、付ければいいのよ。
ほら、我慢してないでブックマークを付けなさいよ。
我慢は身体に毒よ?
……ってこれ、お願いより質が悪い、命令になっちゃってるわね。
お願いはしたくないけど命令はしちゃうって、アタシ、人として終わってる気がするわ。
ところで何の話だったっけ。
そうそう、キミがあの返り血を浴びまくりの赤染衛門さんの曾孫だったって話ね。
つーか、赤染衛門さんって曾孫と同じ学校に通ってたのかよ。
何だこれ。
もう、言葉も出ないわ。
じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり
外山の霞 たたずもあらなむ
お、ミドルキック系の歌ね。
「高砂の」はそのままの意味ね。
次の「尾の上の桜」が分からないわ。
「おのえ」ってなに? 菊五郎?
え? 「尾の上」は「峰の上」って意味なの?
漢字が違ぇーだろ、それ。
「咲きにけり」は「咲いているなぁ」よね。
詠嘆の「けり」だわ。
「外山の霞」ってのは、外山っていう山があるの?
え? 人里近い低い山のことなの?
へー、としか言えないわね、こんなの。
「霞」はモヤみたいなものだと思ってればいいのよね。
最後の「たたずもあらなむ」は?
たたないこともない、みたいな感じ?
え? 「立たないでいてくれ」ってことなんだ。
「なむ」は願望の終助詞なのね。
そう言えば、貞信公くんがそんなことを言っていたわね。
「今ひとたびの みゆき待たなむ」の「なむ」と同じ形ね。
じゃあ結局、キミが言ってることは、
「高砂山の頂に桜が咲いているなぁ。人里近くにある山の霞よ、立たないでいてくれ」ってことかしら。
霞が立つと桜がはっきり見えなくなるから、霞よ、立たないでいてくれってことね。
あら、意味を聞くと意外と単純な歌なのね。
立つと見えないから座ってろ、みたいな感じかしら。
背の高い男が前の方で立ってると、後ろの人が見えなくなる事ってあるわよね。
男のアタシでも「そんだけ背が高いんだから、中腰になって見るとか後ろから見るとか、ちょっとは気を遣えよ」って思っちゃうわ。
……つか、アタシ、女だったわね。
ま、今さらだけどね。
別にもう、どっちだっていいわよ。
じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。
高砂の 尾の上の桜 咲きにけり
外山の霞 たたずもあらなむ
目の霞みには ルテインサプリ




