070.良暹法師 「寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば いづこも同じ 秋の夕暮れ」
はーい、じゃあ次は良暹法師くーん。
こっちに来て作った歌を見せてくださーい。
お、来た来た。
……って、また坊主だわね。
キミの本名はなんていうの?
え? よく分からないんだ。
あー、坊主あるあるだわー。
ま、本当は別にキミの名前なんて、どうでもいいんだけどさ。
とりあえず聞いてみただけよ。
じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ
なぁに、これ。
詠嘆とかも無いわけ?
別に何の感動も無いけど、とりあえず詠んでみましたって感じ?
「寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば」はそのままの意味よね。
寂しいから宿を出て、辺りを見回したのね。
「いづこも同じ 秋の夕暮れ」は、どこも同じ秋の夕暮れだってことよね。
まぁ、そりゃあそうよね。
どこかが夏の夕暮れだったら怖いわよ。
「寂しくて宿を出て辺りを見回すと、どこも同じ秋の夕暮れでした」
……って、何それ。
それにしても、秋が寂しいとか、秋の夕暮れとか、もうテンプレすぎて反応に困るわね。
もはや、夏は暑いとか冬は寒いって言ってるのと同じレベルでしょ。
こんな歌、掃いて捨てるほどあるわよ。
テンプレの歌なんて詠んでて何が楽しいわけ?
アタシ、だんだん腹が立ってきたわよ。
もうちょっと個性をヒネり出しなさいよ。
あんまりヒネり過ぎるのもどうかと思うけど、キミの場合は食ったものをそのまま尻から出しました、って感じなのよ。
何だかさー、昨日食べたトウモロコシが粒のまま出てきちゃってる、って感じ?
もっとヒネって、「秋はキノコ鍋で一杯やるのがサイコー! でも鹿肉も捨てがたい」みたいな歌って詠んだりできないの?
「サンマを七輪で焼いてたら、どこも同じ秋の夕暮れでした」とかって詠めないわけ?
「秋は焼き芋」とか「秋はマツタケ」とか、グルメな歌もあっていいと思うんだけど。
いったい、オマエら何食ってんだよ。
食欲の秋っていう発想は無いのかよ。
ま、坊主がグルメな歌なんて詠めないだろうけどさ。
それならそれで、「肉が食えないから草を食ってるけど、やっぱマズいな」とか「実はこっそり月を見ながら一杯飲ってます」とか、思い切って詠んでみろっての。
良暹、なんて名乗って、いい人ぶってんじゃないわよ。
どこの馬の骨だか分からない流れ者のくせに。
え? 何でもないわ。
こっちの話よ。
とにかく、キミが偽善者だってことはアタシには一目瞭然よ?
良暹だけにね。
なんちゃって。
じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。
寂しさに 宿を立ち出でて 眺むれば
いづこも同じ 秋の夕暮れ
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