039.参議等 「浅茅生の をののしの原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき」
はーい、じゃあ次は参議等くーん。
こっちに来て作った歌を見せてくださーい。
お、来た来た。
キミの参議っていうのは苗字じゃないのよね。
前に参議篁くんが来たときに間違えちゃったからね、アタシ。
ちゃんとそこで学習してるわよ。
ところで参議っていうのは何なの?
いつもムラムラの参議篁くんに聞いておけばよかったんだけど、つい聞きそびれちゃったのよね。
え? 太政官の官職の一つで、納言に次ぐ令外官のことなの?
令外官って、たしか「特命係」みたいなものだったわね。
中納言行平くんが教えてくれたわ。
で、参議ってどのくらい偉いの?
え? 順番的には、太政大臣・左大臣・右大臣・大納言・中納言・参議の順に偉いってことなのね。
ふーん、じゃあ中々の身分ってことよね。
まぁこのクラスの子には天皇もいっぱいいるくらいだから、ある程度は身分が高くないと釣り合いが取れないんだと思うけど。
じゃあキミの本名を教えてくれる?
え? 源等って書いて「みなもとのひとし」っていうのね。
苗字も名前も一文字って、何だか凄く違和感があるわね。
人の名前というよりは、もはや熟語よね。
アタシの昔のバイト先に原緑って女の子がいたんだけど、その時も似たような違和感を感じたわ。
……って、また河原左大臣くんのときと同じくだりを使っちゃったわよ。
だんだん書くのが面倒になってきたからって、安易にコピペに頼るクセは直した方がいいわね。
それに、原緑って実名出しちゃうのも、あんまりよろしく無いわよね。
まぁでも、どうせアタシが書く文章なんて大して読まれもしないだろうから、そんな心配なんて要らないんじゃないかとも思うけど。
ちなみに、キミのお父さんの名前はなんていうの?
え? 源希って書いて「みなもとのまれ」っていうんだ。
うわー。
親しみを込めて「まれいたそ」って呼んでもいいかしら?
「まれいたそ」の弟に「雄馬たそ」とか居たら、面白いのにね。
……とか言ってるけど、アタシは声オタじゃないわよ。
え? キミのお父さんの「まれいたそ」のお父さんは源弘って名前なの?
つまりキミのおじいちゃんが源弘なのね?
で、キミのお父さんの「まれいたそ」は源弘の六男なの?
六男ってそれはないでしょう!
……うーん。
この展開にはかなり無理があったわね。
ただアタシが、なろう小説のタイトルみたいな事を言いたかっただけだわ。
八男じゃなかったことが心残りだけど。
え? 源弘は嵯峨天皇の子なの?
じゃあキミは嵯峨天皇の曾孫にあたるわけね。
へー凄いわねー。
……なーんて、驚くと思った?
ちょっと前に「源氏は天皇の子孫で、『天皇名+源氏』みたいな21の系統があって、それを源氏二十一流っていう」って、河原左大臣の源融くんが教えてくれたのよ。
だから、キミが嵯峨天皇の曾孫って聞いても、多分そんなことだろうと思った、としか言えないわね。
じゃあキミは、さっきの系統で言うと嵯峨源氏に属するってことになるかしら。
……ってアタシ、嵯峨天皇って言われてもよく知らないのよね。
え? 嵯峨天皇は桓武天皇の子?
へー、そうなんだ。
桓武天皇は平安京を作った人よね。
まぁ作った人っていうか、遷都した人なんだけど。
あれ? でもアタシ、桓武平氏っていう言葉を聞いたことあるわよ?
じゃあ桓武天皇の子孫には、嵯峨源氏に属する人と、桓武平氏に属する人がいるわけね。
源氏と平家の争いには、親戚同士の争いも含まれていたってことかー。
まぁ、源氏の大将の源頼朝からして、実の弟の源義経を殺しちゃうような時代だから、親子や兄弟、親戚同士が争ってたとしても、特に不思議は無いのかもしれないわね。
それに比べたら、遺産相続で揉めてるなんてのは、まだ可愛いものね。
ま、アタシの家は貧乏だから、そんな心配すら無いけどね。
お金持ちっていうのも、それなりに苦労が絶えなくて、考えものだわね。
じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。
浅茅生の をののしの原 しのぶれど
あまりてなどか 人の恋しき
なぁに、これ。
もしかしてキミも、のフェチなわけ?
キミ、もしかして体育の授業中ずっと、グラウンドにしゃがみ込んで、地面に「の」って書いたりしてないわよね?
そんな事してると、ただイジけてるようにしか見えないわよ?
え? そんな事してません?
ならいいけど。
……あー、またやっちゃったわ。
柿本人麿くんのところから、コピってきちゃったわ。
もう、コピペで文章を書き始めると、ラク過ぎて病みつきになっちゃうわね。
「楽過ぎて コピペの嵐」だわ。
あ、ちなみに今のは持統天皇さんの「春過ぎて 夏来にけらし」のオマージュだから。
え? 失礼ね、パクリじゃないわよ。
オマージュよ、オマージュ!
彼女をリスペクトしてるからインスパイアされただけわ。
なんてね。
いちど、パクリ専門のミュージシャンみたいなセリフを言ってみたかったのよね。
え? 言葉の意味?
そんなの知らないわよ。
ところで「浅茅生」って何?
昔、浅茅陽子って女優が居たのよね……って、今もいるけどさ。
え? 「浅茅が生えているところ」の意味なの?
そう言えば、芝生って芝が生えているところよね。
同じ使い方なのかしらね。
じゃあ「浅茅」って何?
え? 背の低い雑草のことなのね?
ってことは、浅茅陽子って意味的には雑草陽……あ、何でもないわ。
「をののしの原」は?
え? 漢字で書くと「小野の篠原」で「篠竹が生えている野原」のことなのね。
篠竹っていうのは、きっとそういう種類の竹があるんでしょうね。
「しのぶれど」は「しのんでも」だから「我慢しても」って意味よね。
「しのぶ」は今でも「耐え忍ぶ」なんて言うわよね。
たとえ忍者でも我慢は必要だわ、ニンニン。
「あまりてなどか」はどういう意味かしら。
一瞬、手長エビとかテナガザルの「てなが」に見えたわ。
え? 「あまりて」は、「多すぎてあふれる状態」?
なるほど、「余って」ってことね。
え? 「などか」は「どうして〜か」、「なんで〜か」ってことなの?
なーーーーんでかっ! ってやつね。
堺すすむの「なんでかフラメンコ」なんて、なろう読者で知ってる人は少ないだろうなー。
ま、気が向いたらYouTubeで検索して見てちょうだい。
でもアタシは付いてこれない読者を平気で置いてくタイプだからね。
悪いけど、むしろ全力で振り切っちゃうわよ。
ゴメンなさいねー。
果たして100人目まで付いて来られる読者が何人いるかしらね。
ある意味、ついて来れたら大したものだと思って尊敬しちゃうわ。
……っていうか、そうやって読者の心配をする前に、そもそもアタシがこんな調子で100人目まで書き続けられるのかってことを心配すべきだわね。
ま、基本的には一話読み切りだから、止めたくなったらいつでも止めてやるわ。
なーんて、そんな事を言いながらもズルズル書き続けちゃいそうだけど。
「こんな会社、辞めてやる!」とか言いながら、ズルズル居座り続ける社員みたいなものね。
まぁでも、ガス抜きってのも大事よね。
……って、もはや何の話をしてたか分からなくなっちゃたわ。
「人の恋しき」は「人が恋しい」でいいの?
それともこの「人」は「あなた」って意味かしら。
え? 「あなた」って意味で合ってるんだ。
またこのパターンかよー。
じゃあ「あなた」じゃなくて、普通に「人恋しい」って言いたいときはどう書くんだっつーの。
まぁいいわ。
つまりキミが言いたかったことは、
「浅茅の生えた、篠竹が生えている野原よ。いくら我慢してもこらえきれないほど、どうしてあなたが恋しいのだろうか」
ってことね。
オーレオーレオーレー、あんた誰、オーレー。
デンデケデンデケ、デンデンー。
参議等くんは、我慢してもこらえ切れないほど人恋しくなりました。
デンデケデンデケ、デンデンー。
なーーーーんでかっ!
それはね、等が恋を抱くと「ひとこいし」になるからー。
ちゃん、ちゃん。
うわー、我ながらひどい出来だわー。
こんなネタ、堺すすむだって絶対使わないわー。
じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。
浅茅生の をののしの原 しのぶれど
あまりてなどか 人の恋しき
ここでクエスチョン 「の」って何回言った?
……ってこれ、もはや感想じゃなくてただのクイズだわ。




