034.藤原興風 「誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松もむかしの 友ならなくに」
はーい、じゃあ次は藤原興風くーん。
こっちに来て作った歌を見せてくださーい。
お、来た来た。
キミの名前は「ふじわらのおきかぜ」って読むのね。
何だか風を起こしそうな名前だわね。
名前だけ見たら完全にウインド系だわ。
ちなみにお父さんの名前は何ていうの?
え? 藤原道成?
うーん、聞いたこと無いわねー。
ま、アタシが知らないだけかも知れないけどね。
じゃ、さっそく作った歌を見せてちょうだい。
誰をかも 知る人にせむ 高砂の
松もむかしの 友ならなくに
なぁに、これ。
「誰をかも」って何?
「誰を」はそのままよね。
え? 「誰をか〜にせむ」で「誰を〜にしようか」って意味なのね?
この「か〜む」は係り結びよね。
ふーん、「誰をかも」の「も」は強意の「も」で意味を強めるだけなんだ。
じゃあこの場合、「知る人にせむ」だから、「誰を知り合いにしようか」って言いたいのね?
「知り合いにしようか」ってのはちょっと変だから、「友達にしようか」って感じね。
「高砂の」はそのままの意味よね。
「松もむかしの 友ならなくに」ってのは何?
そういえば「乱れそめにし われならなくに」っていう歌を詠んでた子がいたわね。
誰だったかしら。
あ、河原左大臣くんだったわ。
たしか本名は源融くんだったわね。
「われならなくに」は「我ではないのに」の意味だって、彼に聞いたわよ。
じゃあ「友ならなくに」は「友ではないのに」ってことね。
つまり、「松も昔の友ではないのに」ってことかー。
じゃあまとめると、キミが言いたかったことは、
「誰を友だちにしようか。高砂の松も昔の友ではないのに」ってこと?
何だか、ぼっちの悩みそのまんまじゃないの。
「高砂の松は友だちじゃないし、誰も友だちがいない自分は、いったい誰を友だちにしたらいいんだろう」って途方に暮れてる感じの歌だわね。
でもアタシの経験からすると、友だちって案外、いなきゃいないで何とかなるものよ。
逆にそれを活かして、自分一人で楽しめる趣味を見つけるといいわね。
別にゲームだっていいし、読書でも映画鑑賞でも、一人で旅行に行ったりカラオケをしたり、何でもいいのよ。
友だちの都合や厄介な人間関係に巻き込まれること無く、誰にも邪魔されずに自分のやりたいように好き勝手なことができるっていうのも、それはそれで悪くないとアタシは思うけどね。
……っていうか、むしろアタシにとってはそっちの方が性に合ってるわね。
友だちが多い人なんかだと、毎日いろんな友達からLINEが大量に来てそれに対してせっせと返信したり、友達のSNSにいちいちコメントを付けたり「いいね!」なんかしてるみたいだけど、そんな面倒な事、とてもアタシにはできないと思うわ。
まぁそれに、よく考えたらアタシにまともな親友なんて、いた試しが無いわね。
別にそれでも日常生活に支障は無いし、結構快適に過ごせているわ。
だからキミも、そんなことに悩んでないで、これからは自分一人の時間を大切にして、人生を有意義に過ごして欲しいわね。
……って、またマジメなコメントをしちゃったわ。
アタシだって、フザけた事ばっかり言ってる訳じゃないのよ?
むしろ、こう見えても根はマジメなんだから!
じゃあ最後にアタシの感想を付け加えておくわね。
誰をかも 知る人にせむ 高砂の
松もむかしの 友ならなくに
友なら無くても ノープロブレム




