プロローグ
大陸一の大きさを誇る、ヴァルテン帝国。
帝国にはある特殊な継承法がある。
当主は純血であるべきという方針の元、当主と当主夫人の間に生まれた子のみが家門を代表する魔法を受け継ぎ、継承権が与えられ、継承の条件が満たされると左手に花紋が浮かび上がるというもの。継承の条件はそれぞれが異なるが、条件を提示されるわけではない。継承時期も異なり、中には嫡子であっても当主になれない人もいる。
奇跡の属性と呼ばれる3つの属性がある。それは嫡子にしか発現せず、その魔法属性を持つものは必ず当主になると言われている。
その奇跡の属性とは、星、月、夜。
どれも滅多に発現することのない魔法属性である。
奇跡の属性を持つものが2人現れたとき、帝国は最盛期を迎えるという伝説がある。
そして奇跡の三属性と共に高い地位を約束される魔法属性は聖属性。これは皇族の直系と直系の三等親まで現れる。稀に覚醒遺伝を起こすことがある。
皇帝は帝国全土の結界を展開する義務があるため、必ず聖属性は持っていなければならない。つまり、側室の子は何があろうと皇帝にはなれない。
帝国は8の公爵家があり、5つの公爵家が認めると皇帝になれる。
皇室薬医のフィエルダー公爵家
ブランシェ魔法師団長のグラキエス公爵家
皇宮魔法師団長のツァールトハイト公爵家
指揮官のツヴィトーク公爵家
宰相のフォルティナ公爵家
外交のヒュドール公爵家
皇宮近衛騎士団団長のグローム公爵家
皇室の影のヴェレーノ公爵家