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81.当初の目的

 騎士団の無事を確認して、人を呼んでから、私は予定通り別荘に向かっていた。

 色々とあったが、結局私がグーゼス様に狙われているという事実は変わらない。そのため、その護衛付きの別荘に行かなければならないのだ。


「ここが、別荘ですか……立派な所ですね」

「ええ」


 別荘に辿り着いてから、私はマルギアスさんにそんなことを呟いていた。

 別荘は、とても立派な屋敷だ。これから、ここで私は暮らしていくことになると思うと、なんだか少し得しているような気がする。

 いや、それは嘘だ。別にそんなに嬉しくはない。できることなら、こんな所には来たくなかったというのが、正直な気持ちである。


「さて、それでは入ってください」

「はい」


 マルギアスさんが戸を開いてくれて、私はその中に入った。

 屋敷の中も、中々豪華である。ここは、どうやらかなり高貴な人の別荘であるようだ。


「さて、これからあなたにはこの屋敷で暮らしてもらうことになります。しばらくは、ここから出られませんが、どうかご了承ください」

「ええ、大丈夫です」


 マルギアスさんは、屋敷の戸を締めながらそんなことを言ってきた。

 私は、これからここで軟禁状態になる。護衛のために、この屋敷から動けなくなるのだ。

 それは、仕方ないことである。だが、中々に辛いことだ。


「もっとも、この屋敷の敷地内であれば、騎士に声をかけてもらえれば、外に出ることもできますから、完全にこの屋敷内に閉じこもっていなければならないという訳ではありません」

「そうですか……」

「すみません。気休めにしかなりませんよね……」

「いえ、大丈夫です」


 マルギアスさんは、私に対して申し訳なさそうにしていた。

 だが、別にそれは彼が罪悪感を覚えるようなことではない。

 そもそも、私は護衛してもらう立場である。文句を言える立場ではないのだ。

 そう思って、私は思考を切り替える。辛いとか、そういうことは考えないようにしようと。


「……えっと、それでこの屋敷には私も含めて護衛の騎士が常駐しています。自分で言うのもなんですか、皆手練れの騎士が揃っています。安心してください……と言いたい所ですが……」

「安心するのは、難しそうですね……」

「ええ、流石にあの軍勢は、予想外でしたから……」


 マルギアスさんの言う通り、グーゼス様が複数いて、爆発する能力まで持っているというのは予想外だった。そんな軍勢に対して、今ここにいる戦力で勝てるのかというと、それは微妙な所だろう。

 もっとも、その辺りは今後考慮されるはずだ。騎士団も事実を知れば、作戦を変更したりするだろう。

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