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73/120

73.対策された攻撃

「はっ! 二人に増えた所で、なんだというのだ! お前も、この俺様の爪で引き裂いてやる!」

「大きな爪ですね……あれに切り裂かれたら一たまりもないでしょうね」

「ええ、だから、できるだけ近寄りたくはないんです。私は、そんなに俊敏に動けないので、近づかれたら多分負けます」

「そうですか……それなら、私の後ろに下がっていてください」

「はい」


 マルギアスさんは、私を庇うように前に立ってくれた。

 彼の得物は、ドルギアさんと同じように剣である。近接戦闘に、心得はあるだろう。

 そんな彼が前にいてくれるのはありがたい。これで、万が一距離を詰められても、マルギアスさんが対応してくれるはずだ。


「作戦会議は終わったか?」

「ええ、終わりましたよ」

「名案は浮かんだのか?」

「さて、どうでしょう?」

「む……?」


 そこで、私はそろそろ動くことにした。何故か話してくれている間待っていてくれたので、私はまたも仕込みを終えていた。

 以前と同じように、彼を燃やす準備ができたのである。


「……これが通じるかは、わからないけど」

「ぐあああああああ!」


 私の合図とともに、グーゼス様は燃え上がった。

 彼は、切っても再生してしまう。そのため、燃やすしかない。

 しかし、私には心配があった。これは、以前使った手である。それが、また通じるのだろうか。


「ああああはははははは!」

「なっ……」


 燃え盛りながら、グーゼス様は大きな笑い声をあげた。

 その後、すぐに彼の周りから炎が消えていく。一瞬の内に、鎮火してしまったのだ。


「効かん! 効かんぞ!」

「やっぱり……」

「ふん! 強化された僕の体は無敵だ!」


 グーゼス様は、勝ち誇ったように叫びをあげていた。

 やはり、前回と同じ手は通じないようだ。ルミーネのことはよくわかっていないが、前回の弱点を残してくれる程、彼女は甘くはないらしい。


「よし! それならこちらから行かせてもらうぞ!」

「来ましたか……」


 グーゼス様は、その爪を振りかぶりながら、こちらに向かって来た。

 それに対して、マルギアスさんは剣を構える。彼の攻撃を受け止めるつもりのようだ。


「邪魔だ!」

「くっ……!」


 グーゼス様の爪を、マルギアスさんはその剣で受け止めた。

 しかし、それは片手の爪を受け止めただけだ。彼の爪は両手にある。このままでは、その爪で切り裂かれてしまう。


「そうはさせない!」

「ぬぐっ!」


 それを防ぐために、私は彼に向かって光の球体を放った。

 それにより、彼は怯む。その隙に、マルギアスさんも抜け出してくれたようだ。

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