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41.不安なこれから

 私は、自宅に戻って来ていた。色々とあったが、とりあえずここに無事に帰って来られたのである。

 ふらふらとしながら、私はベッドの上に横たわった。備え付けで置いてあったベッドは少し固いが、それでも私に癒しを与えてくれる。


「さて、これからどうなるのやら……」


 私が気になっているのは、当然ドルギアさん達のことだ。

 あの二人が騎士で私のことを調べているということは、色々と厄介なことが起こる前触れでしかない。


「どういうことが考えられるのかな……」


 私は、これからのことを考えていた。

 別に、私は何か罪を犯したという訳ではない。色々と問題が起こっているズウェール王国の出身ではあるが、それで罪人といわれる筋合いはないのだ。

 だが、実際の所どうなのだろうか。隣国の聖女、それをこのアルヴェルド王国は見逃してくれるのだろうか。


「例えば、なんだろう……?」


 例えば、私が捕らえられたりするかもしれない。ズウェール王国の尖兵という扱いも、あり得ない訳ではないだろう。

 いや、それはないのだろうか。あの国は既に崩壊している。それなのに尖兵なんて、送ってくる訳はない。

 もっとも、アルヴェルド王国側からすれば、そんな事情は考慮されないという可能性もある。他国の内部事情なんて、そこまで考えてくれないかもしれない。


「機密情報とか、言われたらどうしよう……」


 例えば、ズウェール王国の情報を渡せと言われた場合、どうするべきだろうか。

 正直、あの国に対して義理はない。だが、それは仕事としてどうなのかとも思う。そんな簡単に、機密情報を喋っていいものだろうか。


「何もないといいんだけどなあ……」


 もしかしたら、何もない可能性もある。

 私がもうズウェール王国には関係ない。そう考えてくれるかもしれない。

 それが、私にとって一番いいパターンであることはいうまでもないだろう。できることなら、そうなって欲しい。


「まあ、考えてもどうしようもないことは、わかっているんだけど……」


 私は、ゆっくりとベッドの上から体を起こした。

 こういう時に考えても仕方ないことは、今までのことからわかっている。私にできることは、起こったことに構えることだけだ。


「聖女か……なんというか、それがもう随分と昔のことのように思えるなぁ」


 私は、確かに聖女だった。その事実は、変えようがないものだ。

 それを私は捨てようと思っている。だが、その事実がある限り、こういうことが起こることも仕方ないことなのだ。

 だから、頑張ってそれに対応することにしよう。そうやって、過去のことを全て解決して、私は未来に進むのだ。

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