断罪の予兆
「エミア・ローラン! 俺はお前との婚約を破棄する!」
サンブルグ伯爵家主催の舞踏会の中心で、人々の注目を浴びながら私に向かって言葉を放つ。
婚約破棄を突き付けて来たのは、メイザス・フォールド
家柄のいい名家、フォールド子爵家の長男である。
この男、メイザス・フォールドは小汚い容姿に肥満気味、自己中心的で、上から目線が鼻につき腹が立つ。
正直、私の好みでは無い。
「婚約破棄とはどう言う事でしょうか?」
「ふんっ! お前みたいな女と婚約してる事が心底馬鹿らしくなったからだ! 婚約しているにも関わらず、身体を求めても一切応じ無かったではないか! そんな女は俺に相応しくないんでね!」
|(心底気持ち悪い!)
このエロじじいは、発情期真っ盛りなのでしょうか?
「どうして私の純潔を、今の段階で捧げなければいけないのですか?」
「婚約者なんだから俺に奉仕するのが当たり前だろが!」
この頭のおかしいクソ猿は、数々の暴論を言葉にして怒り狂い、私を捲し立てる。
もう取り返しのつかない言葉を、この男は吐いたのだ。
だったら、相手の心が折れるまでこっ酷く惨めな醜態を晒してやろうと私は決意する。
「どうでもよろしいのですけど、この縁談は国王が選んで結ばれた婚約であることをご存じではなかったのですか?」
メイザスは、服毒したかのように体を震わせて私を鋭く睨みつけていた。
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