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クルミの能力

繁忙期でなかなか投稿できず。。

少しずつ進めていきます。

召喚能力。

それが渡瀬(わたせ)来未(くるみ)の能力だった。


マナばぁさんは7歳のクルミに、能力が消費する魔力に、今のクルミの"器"が足りていないと言った。


「"器"って言う年配の方もいるけど、今は"キャパシティ"とか"キャパ"って言うのが一般的ね」


おばあちゃん世代と、クルミたち若者世代の言葉の違いの補足が入った。


「なぁなぁ。こっちの世界でも潜在能力はポテンシャル、小宇宙はコスモ、本気はマジかな?」

「最後のは違うだろ」

「2個目も違うわよ」


軽快な俺たちのトークを華麗にスルーして、クルミは説明を続けた。

こちらの世界の人は、体内にある魔力を能力に変えている。

そして魔力にはキャパシティ、つまり容量がある。

そしてキャパシティは、頭の上のゲージではなく、ステータスボード上の数値でもなく、身体の中に存在する。なんとなくだが、俺たちの世界で言う"スタミナ"や"パワー"と、かなり近い使われ方だと思った。

身体の小さな子供のうちは、魔力のキャパシティもまた小さい。

そんな中、子供が少ない魔力を能力に変えようとするとどうなるか?

 ①そもそも魔力不足で不発に終わる

 ②魔力が枯渇しかけて気分が悪くなる

 ③魔力を使い果たして気絶する

大抵はこのどれかだ。

俺たちの世界だと、こんなイメージかな。

 ①100kgのバーベルがピクリとも動かない

 ②フルマラソン中に気持ち悪くなって棄権する

 ③3日間寝ないで働いていたら気絶した。

文字通りキャパオーバーだ。

だからこそ、能力の使用には年齢制限が設けられている。

物心ついた時でなく、弟が生まれた時でもなく、年長さんでもない。小学1年生だ。

確か小学1年生の平均体重は20~25kgくらいだったはず。

大人の3分の1くらいまで成長すれば、たいていの能力は使えるってことかな。


「そしたら今2Lの水が出せる佐藤さんが初めて能力を使ったときは、ペットボトル1本分くらいの水が出せたって感じ?」

「ご明察です、与志乃様」


俺の質問にクールに答える佐藤さん。

萌えとはかけ離れたメイドさんにも慣れてきたが、クルミが佐藤さんをニヤニヤしながら見ている。


「たしか佐藤さんが小1の時は、水が出せて喜んでる横で、友達が200ccくらいのオレンジジュースを出してて、悔しくて泣いちゃ…」

「申し訳ございません。私としたことが皆さまにお茶をお出しするのを失念しておりました。すぐさまご用意いたします」


さも平常心で職務をこなすかのように下がっていく佐藤さん。

綺麗に整えた黒髪の間から見える耳がほんのり赤くなっていた。ふむ。そういうジャンルか。悪くない。


「話を戻すわね」

それから佐藤さんが、全員の紅茶をサーブし終わるころには、クルミの持つ召喚能力の大体の説明が終わった。

んー、召喚と聞いてテンション上がったが、聞いてみると意外と使い勝手が悪いらしい。というか微妙。

俺たちの世界からしか呼べないとか、人数制限とか、対象の指定条件が少ししか設定できないとか、回復時間が年単位とか…。条件が結構な縛りプレイだ。


ただ、話を聞いていく内に、クルミの能力が小学1年生で発現しなかった理由は理解できた。

つまるところ、クルミの能力は7歳のキャパで扱いきれないほどの特殊な能力(ユニークスキル)だったということだ。

たしかに大学生3人を、それも異世界から一気に移動させるような力が、ペットボトルの水やライターの火と同じように使えるとは思えない。


「それで、クルミちゃんが初めて能力を使ったのは10歳の時だったのよね?」

「ええ、そうよ」

「誰を召喚したの?」


シュナの質問に、クルミはフッと苦笑いして紅茶を口にした。

ゆっくりとした動作で、考える様に息をついた後、そっとティーカップを置いた。


「当時、一人っ子だった私はお兄様の存在に憧れる普通の小学4年生だったの。私にもカッコいいお兄様がいたら、そんなことを思ってたからでしょうね。生まれて初めて能力を使ったら、地面がパァッと光って、次の瞬間、若い大人の男性が3人現れたわ」

「へぇ、ほんとにお兄ちゃんを召喚できたって訳だ」


俺の何気ない相槌に、クルミは続ける。


「でも、私自身の記憶はそこまで。忘れもしない2012年11月7日。初めての能力使用では、10歳になったばかりの私のキャパシティでもギリギリだったみたいで、すぐに気を失ってしまったわ。この後のことはその場にいたお父様やお母様、使用人のみんなから聞いた伝聞よ」


能力を使って気絶したという、なかなかハードな話を聞きながら、それでも俺たち3人が全員、別のところに引っかかっていた。


「ん?」

「2012年11月7日…?」

「え、それって…」


うん、今日じゃん。


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能力:召喚

概要:あちらの世界から、こちらの世界へ人間を召喚する

条件:

①召喚人数は3人。2人以下も4人以上も不可。

②召喚元の世界の時間は、初めて召喚した時間で固定。同じ時間軸からのみ召喚可。

③召喚対象は召喚時にイメージしている物事に関連する人物と、その時近くにいた2人。

④こちらの世界からあちらの世界への転移は不可。召喚であり、転移ではない。

⑤回復時間は約3年。クルミの成長とともに短縮傾向。

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