ペンギン三兄弟 〜 23話 鼓笛隊 の巻
ペンギン三兄弟
チャン・・・性格は几帳面。声がいいが顔がデカい。
サングラスをかけている。つぶあんが大好き。
ドン・・・体はちっちゃいが、器用に何でもこなす。
収集癖あり。
ゴン・・・ド天然。普通のことが超不器用。
日々体を鍛えてる。ゴジラが大好き。
ペンギン三兄弟、チャン、ドン、ゴン。
今日も仲良く暮らしています。
ところで、3羽はたまには仕事もするんです。
今日は社長に呼ばれて、会社にやってきました。
『ペンギン派遣カンパニー』、略して『PHC』という会社です。
3羽の目の前には、鼻の下に口ヒゲをたくわえたヒゲ社長がいました。
ヒゲ社長「チャン、ドン、ゴン、君たちの次の仕事は、鼓笛隊だ。別室に楽器を用意してあるから、適当に選んで練習しておいてくれ。頼んだよ」
ヒゲ社長はそう言うと、自慢の口ヒゲをなでながら出て行きました。
3羽は早速、別室にやってきました。
テーブルの上に、いろいろな楽器が置いてあります。
笛、指揮棒、小太鼓、大太鼓、トランペット、ピアニカ、たて笛、ハーモニカ、などです。
ゴン「オレ、指揮者やる」
ゴンは、笛と指揮棒を持ちました。
チャン「おれは太鼓がいいなあ」
チャンは小太鼓を持ちました。
ゴン「じゃあ、ドンはトランペットだな」
ゴンはドンにトランペットを渡しました。
ドン「ぼく吹いたことないよ〜」
ドンは試しにトランペットを吹いてみましたが、
フーフーと息の音がするばかりで、トランペットはちっとも鳴りません。
チャン「ドンが吹けないなんて珍しいね、なんだって器用にできちゃうのに」
ドン「トランペットだけは無理〜」
ゴン「ドンにもできないことがあるんだな」
ドン「ぼく、小太鼓がいい、チャン、交換」
ドンは小太鼓を首に下げて、トントントンとリズミカルにたたきました。
ゴン「こういうおもちゃなかった?ペンギンが太鼓たたいてるやつ」
ドン「小さいからって、おもちゃと一緒にすんなよ」
チャン「いやいや、おれもトランペットは無理だからね」
ゴン「じゃあ何ができるんだよ」
チャン「ドンが小太鼓なら、おれは大太鼓にするよ」
ゴン「それじゃ太鼓だらけになっちゃうだろ。えーっとチャンはね、これ」
ゴンは、たて笛をチャンに渡しました。
チャン「これ吹けるかなあ」
チャンは、ちょっと不服そうです。
チャン「ゴンこそ、楽器やれよ、指揮棒で逃げようったって、そうはいかないぞ」
チャンは、ピアニカを取ってゴンに渡しました。
ゴン「じゃあドンは、もう一個」
ゴンはハーモニカを取ってドンに渡しました。
ゴン「ぼく2つもやるの?」
ゴン「ドンならできる」
チャン「ドンならできる」
ゴンは、笛を口にくわえ、片手に指揮棒、もう片手にピアニカを持ちました。
ドンは、小太鼓を首に下げ、両手にスティックを持ち、ハーモニカを口にくわえました。
そして、ゴンの後ろに並びました。
チャンは、たて笛を両手で持ちました。
そして、ドンの後ろに並びました。
ゴンが、笛を吹いて、指揮棒を上下に振りました。
ピーピッ、ピッ、ピッ、ピ
ドンが太鼓をたたきます。
トントントントコ、トントントントコ
チャンがたて笛を吹きます。
フィ〜、フィ〜
ドンとゴンが振り向いて言いました。
「それじゃ、尺八だろ!」
おあとがよろしいようで...