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プロローグ その4

 とりあえずステータスを開いてみた。

 うん、ゲームでよく見るあれだ。

 説明はほとんど聞いてなかったけど、今までのゲームやラノベで得た知識を照らし合わせることである程度理解することはできる。

 体力を示すHP。魔力を示すMP。物理的な強さを示すSTR。持久力や防御力を示すVIT。敏捷性を示すAGI。魔法の強さに関するINT。これらに加えて、スキルやユニークスキルが表示されていた。

 僕のステータスを例にしてみると、こんな感じだ。


 LV 1

 HP  200/200

 MP  5000/5000

 STR  150

 VIT  120

 AGI  300

 INT  4000


 スキル 全属性魔法適性(大) 全属性魔法耐性(大)   


 ユニークスキル 『読者』


 偏り過ぎ……。何で、ここまで魔法にポイント振られてるんだよ。自分でも物理的には弱いだろうな、って思ってはいたけど、ここまでとは。

 確か、一般人のレベル1の状態が平均100だったはず。そして勇者は平均して五~十倍の能力値になると、さっき隣の子が話してた。

 それを考えると僕のステータスは勇者としては低いってことなのかな。

 んー、でも魔法に関しては高すぎるしなー。どうなんだろ。

 それに、この『読者』っての何?僕は本を読むのが好きだし、さっきもちょくちょく「物語」とか「作品」とかっていってたけどさ……。でもそれは僕の妄想の中での話であって、普通スキルとかで使われたりしないでしょ!ひょっとすると人の心が読めちゃうとか……な訳ないよね。とりま、あの人に報告すれば何か分かるかも。


 あ、そうそう。天道君についてだけど、彼はこの世界でもやっぱりハイスペックだった。ステータスの全部が三千を越しているとか、スキルに聖剣適性があるとか、ユニークスキルが覚醒だとか、彼の周りにいるとりまき達がさんざん騒いでいる。本当に予想通りと言いますか、テンプレ通りと言いますか。期待を裏切らない人だ。


 そして彼以外の生徒達も皆がそこそこステータスは高いらしい。あちこちで自慢が横行している。自分はここが優れているだとか、このスキルはきっと役に立つだとか。


『読者』か……。一体何の役に立つのやら。お城の人に僕のステータスを言ってみたけれど、分かったことは僕は魔法に関しては天道君よりも凄いってことくらい。『読者』に関してはさっぱり。まさか二つ前の話での僕の変な考えが関係してるとか?


 “この「作品」の読者でいる。”


 我ながら痛いことを考えたものだ。そもそもそれは、この世界を創作話として捉えた場合であって、僕の妄想であって……。だけど、天道君はやっぱり、主人公のような力が与えられた。これだけなら大丈夫。ただ、もう一つの条件が満たされれば、この世界は一つの「作品」として動き出すかもしれない。


 その「作品」における主人公とはきっと彼のことで、そうなったときの僕は一体何になろうか。


 なんて考えてみるけど、やっぱり痛々しくて、馬鹿らしい。「異世界転移」したからって、テンプレをなぞらえるとは限らないんだから。



「うっわ、見てみろよこいつのステータス!クソ低いし、スキルも意味わかんねーやつだぞ!流石、雑魚はどこに行っても雑魚だな、高宮!」



 フラグ回収、乙……







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