23.教育のすゝめ、あるいは学校の作り方(資料編):ファンタジーと学校(1)
学園ものの舞台として、いろいろ設定したいのが学校です。ゲームの舞台としてあれこれ考えてみたいところですが、どうしても同じようなイメージになってしまう……ということで、ネタとして使えそうなものを抜粋してみました。
書き出してみたら、資料集のようになってしまったので、考察自体は次回に回します。とりあえず、Q&A方式で。
Q.どのくらいの歴史があれば、「歴史がある」といえるの?
A.じいちゃんばあちゃんの代からあればです。1世代がだいたい30年なので、2世代で60年ですね。戦後、学制改革のあった時代に創立されているものということで、70年くらいの歴史を考えれば良いでしょう。
Q.どのようにすれば特色を出せる?
いちばん簡単なのが、男女別学です。歴史のある学校のほとんどが別学です。ただし、近年は共学になる学校もあります。
関東ではめずらしいですが、関西だと、男女併学(男女の募集はするが、主要教科などの授業は別)というスタイルの学校もあります。
宗教系(キリスト教/仏教/神道)にしても良いでしょう。前身(海軍予備校/裁縫専門学校など)を設定してもおもしろいかもしれません。
Q.考える上で、気をつけることは?
A.実在の学校名を使わないでください。例外はありますが、
・カタカナの入る学校名→キリスト教系の学校
・「星」「光」「聖」の入る学校名→キリスト教系の学校
という傾向があります。気になる方は、故事成語や聖人についてもチェックすることをおすすめします。
Q.バイト、家庭教師以外で大学生や社会人と無理なく出会いたい。
A.学校のなかには、チューター制度ということで卒業生を招いての補習を行っているところもあります。また、キャリアガイダンスの一貫として、大学生や社会人を招いての講義(授業)をするところもあります。
併設大学が同じ敷地にある場合、カフェテリアや図書館、その他の研究機関などの設備を使えるところもあります。なかには、大学の授業を聴講することのできる(単位として認められる)高校もあります。
Q.修学旅行、海外研修について。
A.宿泊先のホテル名を伝え、新幹線のチケットを渡して、現地集合という学校もあります。
修学旅行先の海外で、現地のスクールの授業を受けられる学校もあります。
Q.学校の設備について知りたい。
A.海外に寮を持っていて、長期休暇中に研修を行う学校もあります。
スポーツに力を入れている学校の中には、専門のジムがあるところもあります。人工芝のグラウンドはうらやましいです。
講堂にパイプオルガンの設置は、いかにもな雰囲気であこがれます。
Q.中学から私立?
A.お嬢様学校の場合は、小中高一貫(途中募集はなしで、編入のみ)というところもあります。
新入生には、高校生の「お姉さま」がついて学校に慣れるようにアドバイスするという萌えシステムのある学校もございます。
募集の時点で、医学部進学コース(仮)やグローバルコース(仮)と分けて募集をしていたり、このあたりは調べるとおもしろいです。
Q.高校から私立?
A.まず、高校しかない私立よりも、併設大学のある附属校や、中高一貫で中学から入学する学校、中学もあるけれど高校からも入学できる学校を考える方が、現実により近づきます。
併設大学のない高校に入った場合ですが、中学からの生徒と授業をいっしょに受けられるとは限りません。大学受験のために文系/理系と分かれる時期(だいたい高2)になって、いっしょになる場合もあります。
併設大学のある学校でも、在学中の成績次第で希望する学部に進学できない場合もあります。
Q.グローバルな学校を知りたい。
A.大学入試(といってもほとんどが推薦やAO入試ですが)で英語試験の免除がある大学が増えてきています。英語の試験の免除を受けるには、民間の英語資格(英検とか)が必要です。それに備えて、中学から資格取得に取り組む学校もあります。
日本ではまだ1校だけですが、高校卒業と同時に海外の大学の受験資格(ディプロマ)が得られるというコースを設置しているところもあります。
もっと詳しく知りたい場合は、高大接続改革とかSGHとかを調べると良いでしょう。海外の大学の入学資格については、国によって違う(統一基準のない国もある)ので、盛り込むときには注意が必要です。
Q.奨学金について知りたい。お金持ちの学校の学費ってどれくらい?
A.奨学金といっても、優秀な生徒を募集するためのものと、在学中に経済的に困難な状況になった場合に対応するものと分かれます。
学費ですが、だいたい、こんな感じです。
・2016年度東京都の私立中学の初年度納付金の平均額(総額):94万円。ちなみに、最高は186万くらいで、最低は55万くらい。
・とある私立中高一貫校(全寮制男子校):336万円
・とある公立中高一貫校(全寮制男子校):72万円
日本でいちばん学費が高いといわれる、私立のとある一貫校と比べたかったため、中学校の初年度納金の資料となります。高いけれども、奨学金制度や兄弟割引があるし、食費や通塾費は入っていないので、考え方によってはお得だそうです。
次回は、ちゃんと、エッセイになります。




