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1.本をめぐる物語:書くものと書かれるものの話(1)

第1回めのテーマは、本をめぐる物語についてです。


 本をめぐる話は、古くからあります。というのも、『史記』しかり、書くことの歴史は抵抗の歴史でもあるので。

 なろうの物語で、本をめぐる冒険についてのお話はそれなりにありますが、本と抵抗レジスタンスを絡からめた話はあまりありません。あまりにも、本が身近にあるので影響が見えにくいのかもしれません。

 子ども向けの本がなかったり、飾るための本があったりした時代を(間接的にですが)知っていると、本があちこちにあって、選べるということが不思議な気がします。


ということで、興味を持った方に、興味を持てるような本を集めてみました。


 まずは、活版印刷って重大な発明だったんだと感じられる本。

・『エンデュミオンと叡智(えいち)の書』マシュー・スケルトン/大久保寛 (訳)。R15/難易度中。それなりに、まあ、途中までおもしろいけどという本です。どうかリライトして欲しい……


 本が貴重だった時代のお話。

・『薔薇(ばら)の名前』ウンベルト・エーコ/河島英昭(訳)。R15/難易度高。中世の修道院の迷宮図書館の雰囲気を味わいたいならこれ。ほこりをかぶった本のかび臭さまで味わえます。


 それから、子ども向きの図書館の歴史の本。

・『ビッビ・ボッケンのふしぎ図書館』ヨースタイン・ゴルデル&クラウス・ハーゲルップ/猪苗代英徳(訳)。U14/難易度高。児童文学を好きな人なら、にやりとするしかけがあったりします。


 図書館の役割についてわかりやすい話。

・『子どもと本』松岡享子。U14/難易度高。「児童図書館員」が専門職であるというのがつくづくわかります。こんな人が普通の図書館にもいてくれたら良かったのになあと思いました。


 戦う司書さんたちのお話。本の話は抵抗の話でもあることがわかります。

・「図書館戦争」シリーズ。有川浩。R15/難易度中。あまりにも有名すぎて紹介不要かも。恋愛ものが苦手だと苦手。

・「(がけ)の国物語」シリーズ。ポール・スチュワート(著)/クリス・リデル (イラスト)/唐沢則幸 (訳)。R15/難易度高。詳細な設定を好む人なら興味深く楽しめる、マニアックな児童文学。5巻が戦う司書さんのお話です。

・『だれだ、ハックにいちゃもんつけるのは』ナット・ヘントフ/坂崎麻子(訳)。R15/難易度低。図書館にあったら読むべき本の一つです。アヴィ/唐沢則幸(訳)『星条旗よ永遠なれ』(R15/難易度中)と並んで、アメリカの学校と政治の関係の問題とか、自由とは何かとかを考える本でもあります。昔のコバルトはこういった、海外の良書の受け皿でもありました。イラストの古さはがまんしてください。


 最後は、抵抗文学の紹介です。

・『沈黙のたたかい―フランス・レジスタンスの記録 』ヴェルコール/森乾(訳)。R15/難易度中。ナチス占領下のフランスで、地下出版を行っていた作家の手記。魔法を使って夢想……じゃなくて無双するよりもかっこいいです。異世界でこっそり本を出版するときの参考になるかもしれません。


 昔から本を読むのが好きで、本を紹介するのも好きで、続くエッセイの中でも本の紹介のほうが、本文よりも多くなるかもしれません。できるだけ、創作のヒントとなるような本の紹介と、テーマについて話題を提供できればと考えております。

・年齢制限や読みやすさなどの表示を変更しました。

・紹介する本をいくつか増やしています。

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