第一章 光と闇 第五話 影の四人
一ヶ月ほど遅れてすみませんでした。
第一章 光と闇
第五話 影の四人
「カウントダウン、5、4、3、2、1
戦闘開始」
その声と共に僕たちは走り出した。
30分の休息の内にたてた僕たちの作戦はこうだ。
まず「今回は1人で戦わせてください」というロミナのどんなに辞めるように言ってもまったく聞かない頑固さに根負けしてロミナが1人で敵の1人と戦うらしい。
普通なら別に「許そうかな?」と思うだけだったのだが、あの4人としばらくの間だけとはいえ一緒にいたサヴァーがあの4人には影の軍隊と呼ばれる者たちが付いているらしい。なので絶対に一対一はまずしてこないだろうと言ったからだ。
だが、ロミナには条件というものを付けさせた。それは初めの内は固まっておくということだ。このとき初めて知ったのだが、ロミナの武器は杖らしい。一体何をするのかわからない。
それにサヴァーがいうには影の軍隊というものはそんなに強くはないらしいのだがそんなものに時間も体力も使う訳にはいかないのである程度倒してからバラバラに別れた方がいいからだ。
本来全員バラバラになる必要はないのだが、まあ知られたくないこともあるのだろうなあと思ったからだ。見た感じロミナは知られたくないことが多そうだ。
そんなこんなで作戦が決まっていって今に至る。
戦闘開始直後、やはりというかなんというかなにもなかった。ただまっすぐと森の中を走り抜くだけである。
すると突然「ウオオオオオオオオオオオオオオ!!」と叫び声が聞こえてきた。その声は前方から聞こえてきたので目を細めてよく見てみるとそこに黒く、仮面をつけている何かがいた。するとサヴァーが
「ち、もうきやがったか。お前ら一応きおつけろ、あれが影の軍隊だ」
「あれがか!?」
距離が近づいてきたので仕方なしに臨戦態勢に入った。
「じゃあ作戦通り僕とサヴァーが前線で、ロミナとガルラは後衛から支援をお願い」
「おう」「わかりました」「了解した」
そこから先はまさに死闘だった。なにせサヴァーから聞いた影の軍隊の対処法は心臓部を破壊するか消し飛ばすかしかないからだ。なにせ身体が真っ二つになろうが脳を貫かれようが心臓部が破壊されていなければ行動が可能だ。と言われれば嫌でもそうしなければならないだろう。
そして影の軍隊が迫ってきていたので、僕はまず影の軍隊の攻撃をかわしながら的確に心臓部をたち切ったり貫いたりした。サヴァーに至っては慣れた動作で的確に サヴァー本来の武器である手甲を装備した状態で殴って粉砕したり手刀で貫通させたりしていた。なお、殺し損ねたものはガルラが的確に矢を放ちとどめをさしていた。
ちなみにロミナは自分の闘い方をまったく教えてくれなかったので今は何もさせていない。いずれ教えてくれることを期待していよう。ところでたまに敵が燃えたり凍ったりしているのはなんでだろう?
そんなこんなでやっと影の軍隊が片付いた。
「やっぱり影の軍隊じゃあ歯が立たないか」
「当たり前だろ。つーかどうすんだよせっかく教祖様から頂いた影の軍隊を全部やられたんだぞ。これはもう負けられないぞ」
「大丈夫だよ。敵はいくら強いからと言っても六枚羽や四天ほどじゃあない。だが、油断はするな」
「ちょっと待て今回のリーダーは俺のはずだぞ、勝手にし切ってんじゃねえ」
それらの声の主は僕たちを囲む形で現れたゲルトンたちだった。
するとサヴァーが挑発するように
「で、なんかようか?まさかとは思うがここで総力戦ってか?」
と言った。だがその返事はとても冷静で、しかも思いもしないものだった。
「そうしたいのはやまやまだが、今回は違う、今回は一対一で戦おうではないか。と言いにきたのだ」
「なんだと!」
サヴァーが驚きの叫びをあげた。正直僕も驚いている。なにせ今すぐ総力戦をすれば奴らは簡単に勝てるからだ。
「まあ、いいよ。ところで誰と誰が戦うの?」
「そうだな。じゃあ俺はそこの姫様だ。」
「いいですよ。私もあなたを指名しようと思っていましたし」
ミミールVSロミナ
「じゃあ俺は裏切り者のサヴァー君だ」
「おう、やってやんよ」
カルチVSサヴァー
「そこの弓使い、お前は俺とだ」
「よかろう、この私が直々に倒してくれる」
ラザイルVSガルラ
「お前の相手は俺とだ。お前に格の違いっつうもんを教えてやんよ平民」
「いいよ」
ゲルトンVS僕
これから一対一の戦いが始まるのだが、僕たちはまだ知らなかった。この世界に存在する本当の闇をこれから目の当たりにするということを
次回はロミナの戦闘です。