第一章 闇と光 第三話 真なる心
かなり久々の更新です。すみませんでした。
第一章 闇と光
第三話 真なる心
「お久しぶりです。針路様!!貴方様の霊獣御霊です。またお会いしたかったです。」
その言葉を聞いた瞬間僕は一瞬期待と驚愕したが、すぐに思い直すと
「誰からだ。」
「え?」
「誰からそう僕にいって来いと言われた!?そうすれば僕が君に手を出してここから立ち去らせようというこんたんか?」
「え、いえあの」
「いいか、僕の霊獣である御霊は死んだんだ。それに御霊は君みたいな人じゃない、カラスの霊獣だ。」
目の前の少女が何か言いたげだがお構いなしだ。
「ですから」
「次にこんな真似をしてみろ、僕は自分のことを悪く言われるのは別に気にしない。でも、御霊を侮辱するやつは絶対に許さない。」
「聞いてください!!!!!」
そう少女が叫ぶと何も言えなくなってしまった。確かにこの娘の雰囲気は御霊に似ている。でも、この娘が御霊です。と言われて誰が信じるものか!!だが
「で、そっちの話は何?」
こちらが言いたいだけ言ったんだ。今度はこちらが効いてやるのが道理というものだ。
すると、少女が口を開いた。
「確かに私はあの時あのサヴァーという人に刺されて死んでしまい身体が消滅してしまいました。ですが、なぜか魂は死んではいなかったのです。」
「え?」
「そして、気づいたときにはその魂は炎に包まれていたのです。」
それが本当ならとても嬉しいことだ。本当に御霊が生きてここにいるのならば、の話だが
「そこで私は聞いたんです。」
「何を?」
「・・・・それはわかりません。何せ知らない声だったもので」
そのときのことを聞いてみるとこの少女は説明し出した。
「それはあの実習の後のことでした。」
□ □ □
とある森の奥地で一つの火が灯り出した。
その火は時間が経つに連れ火から炎に、炎から紅蓮へと強さを増していった。その紅蓮の中には魂が一つ宿っていた。
ここはどこ?針路様は何処へ?会いたい、もう一度だけでもいいから会いたい。お別れなんてしたくない。
その魂はそう思っていた。が、そのときに声が聞こえてきた。
…一度は生き返ったというのにまた生き返りたいの?
これは問われているのかと思い正直に答えることにした。
「はい、私はまだ針路様のお役に立っていません。」
本当にそれだけ?
「それだけかと聞かれると正直わかりません。ですが、この気持ちに嘘、偽りはございません。」
執着し過ぎてるとは思わないの?
「はい、ですが針路様・・・あのお方には私しか奉公できませんから。」
なぜあの少年にこだわるの?あの少年では本当の《・・・・》貴方を使いこなせない。それにどれだけ尽くそうともあの少年は貴方以外を大事にするかもしれないのに?
その質問には躊躇しつつも答えた。そして、その答えを聞いたその声の主は答えた。
いいでしょう、貴方の魂の輝きを見せてもらいました。では、戻りなさい。演じるために服を着るのではなく、貴方本来の服に着替え、あの頃の自分ではなく一度降りてしまった駅から目的地へと向かい続けるたった一つの電車に、切符は買い直さず前のままで
そう言われたのちその声が聞こえ無くなり、意識が遠のいた。
□ □ □
「こんな感じです。」
いや、こんな感じと言われてもなぁ、というか最後のものに至ってはよくわからん。多分「着替える」はカラスの姿から人の姿に変わることだということで、「乗り直す」はもう一度霊獣になるということだろう。だが、「切符はそのままで」というところがよくわからない。切符っていったい・・・・まさかとは思うのだが
「ねえ、君」
「なんでしょうか?」
「ちょっと試したいことがあるんだけど、ついてきてくれないかな?」
「はい、別に構いませんが・・・なんでしょう?」
そう聞くと僕は自分の刀を持ちつつ、少女の手を握ると自分の部屋を後にした。
「針路さん、その女の人は誰ですか?」
後ろからそんな声が聞こえてきた。聞いたことがある声なのだが不思議と冷たい声だった。恐る恐る振り返ってみるとそこには少し怒ったような顔をしたロミナがいた。
「ロミナ、なんでこの時間帯にここにいるの?」
なぜだか声が震えてしまった。
「私はもうすでに今週の課題は終わっているので自由参加なのです。そんなことよりもそちらの女の人は誰なのですか?」
・・・・・・・
そのまましばらく沈黙が続いた。
すると
「まあ、この際別にいいです。それよりも、明日早速決闘なされると聞いたのですが本当ですか?」
「ん?本当だけど?」
「その決闘、応援に行かせてもいます」
「別にいいけど」
「頑張ってくださいね。ではまた明日」
そう言い終わるとロミナは去って行った。
森の奥
「よし、着いた。」
「ここで何をするんですか?」
「んーとね。とりあえず君が本当に御霊なのかを調べさせてもらうよ。」
そう言うと刀を抜いて御霊に近づけて「融合」とつぶやいた。
するとこの少女がひかりだし、この少女が一瞬だけ鳥の形をとった炎になったのちに僕の刀の中に入ってきた。
「この娘、御霊だったんだ。この刀は御霊としか融合できない奴だし。それに切符ってやはり前の融合していた武器のことなのか」と感心していた。
だが、融合はそれだけには終わらなかった。刀に入ってきた炎が僕の手に伝ってきたのだ。思わず刀を手から離し、解除を行ってしまった。
すると先ほどの場所に
「ああん、酷いですよ針路様。」
例の少女…いや御霊が着物が崩れて右肩が露わになり、背中からは真っ赤な翼を生やし、そして足の太腿が露わになって出ていた。
その様子を見た僕は思わず御霊に近づいた。
「どうしたんですか?針路様。」
「ごめん御霊、我慢できない。」
「え?ちょっと待ってください針路様。お気を確かに。」
「ごめん、無理。」
そう言うと御霊に手を伸ばした。
実習の休憩時間
「おい見ろよ、あの平民が女連れて森に入ったぞ。」
「許せんな」
「グッドなタイミングに今夜あいつガルラと決闘するらしいぜ。」
「よし、そこをサヴァーにやらせよう。俺の砂伊賀とナイフがあればオマケでガルラの霊獣も殺せる。」
「知ってるか?ロミナも見に来るらしいぜ、さっきそんなことを言ってた。」
「一石三鳥てか?よしサヴァーを呼べ!今夜決行だ。」
そして本日最後の授業開始の鐘が鳴る。
□ □ □
とある森の中にて
「ど、どうでしょうか?」
「うん、いいよ。」
「は、恥ずかしいです。」
「そんなことはないよ。御霊だってとても気持ちよさそうじゃないか。」
「ふわぁぁぁぁん、そこはダメですって言ったのに・・・針路様のエッチ。」
「ご、ごめん。あまりにも触ったら気持ち良さそうだったから。御霊の羽根が」
そこにはその状態を見ないと、何か誤解されてしまいそうな会話をしている背中から真っ赤な羽根をはやしている霊獣である少女と、その契約者の少年がいた。
「まあ、今更だけど、おかえり、御霊。」
そう言葉にしてやると御霊が泣きながらも笑顔を作ると
「は、は、はい、ただいまです。針路様。」
と言った。その後、学園長室にへと足を運ぶことにした。
□ □ □
学園長室
そこには今のところ最強と言われている霊獣使いである「虫の六枚羽」の一人であると同時にこの学園の長であるセット・バーガーデがいた。(なんか何処かのファーストフード店でする注文みたいだなぁ。)確か、この学校にはもう一人六枚羽がいるらしいが、誰なんだろう?なんか心当たりはある気はするんだけどなあ。
そして、その男が口を開いた。
「それで、その少女が主の新たな霊獣か?」
とても威厳がある声だった。本気で尊敬してしまいそうだ。この部屋のあちこちにぬいぐるみがなければだが。
それでも、質問されたので答えておこうと思ったので
「いいえとも言えますし、はいとも言えます。」と答えておいた。すると学園長が少し笑うと「まさかこんなことが起きるとは思わなかったわい。」とつぶやいた。
どういうこと?と思いはしたが、気にしないことにし、学園長からの意見を貰おうと思い御霊から聞いたことを説明した。
「ふむ、まぁ、よかろう。その件についてはわし個人として考えておこう。じゃがきおつけることじゃ。主とヴァレンチェ殿との決闘に水をさそうとしとる輩がおる。また自分の霊獣を失いたくなければ用心に越したことはなかろう。」この言葉を聞いてからその場を後にした。
二人が出ていった後、学園長は一人ため息を付くと
「まさかあやつの霊獣がとはな。マークすらしていなかったわい。」
と酒を煽ってからいった。するとドアが開いた。
「どうも久しぶりだなあ、セット?」
「そうじゃな銀将」
そのドアに立っていたのは学園長と同じ六枚羽のメンバーの一人である銀将 蚊金だった。
「で、六枚羽の中で俺だけに話ってなんだよセット?他の奴らも呼べばいいじゃん?」
「正確に言うならもう一人おるがな。」
そういわれていつの間にかセットの後ろに顔なじみがいることに気がついた。
「なあーるほど、だから最近姿が見えなかったのか?スラスト?」
スラストと呼ばれた人物はフードをかぶっていて顔が見えなかった。
□ □ □
午後11時54分、約束の時間まで後1分、そこにはすでに役者が揃っていた。片方は刀を持った少年、もう片方は弓矢を持った少女それぞれのそばには黒髮の少女と赤髪の少女がいた。すると赤髪の少女が口を開いた。
「ところで針路、その黒髪の女は誰だ?見かけない顔だが?」
あと一分
「あ、えーと、これは、その」
「なるほど、霊獣か?」
あと30秒
「え?僕何もいってないよね?なんでわかるの?」
「ふふ、理由か?それはな・・・」
言い切る前に時計の針が夜中の零時を指した。だが、決闘は始まることはなかった。なぜなら
「俺のために犠牲になれ、覚悟しろ、お前ら」
そこにはニタニタと笑っている4人の少年達と、武器を構えたサヴァーがいた。
そう、決闘ではなく死闘の幕が今上がる。
なんか最近ロミナ出していないなぁ。