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カオス・ボーダー  作者: 柚黒 鵜白
第一章 光と闇
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第一章 闇と光 第二話 奇跡

前に出てきた銀髪少女の名前がやっと出てきます。あと、ヒロインがまた1人出てきます。

第一章 闇と光

第二話 奇跡


「御霊!!」目の前にはザヴァーの短剣で刺されてしまった御霊の姿があった。

事故に見せかけて僕に攻撃し、しかも当たれば即死コースで刺しにかかってきた。もうダメだと思っていたそのとき僕は「解除」と言っていないにも関わらず御霊が自分から武器との融合を解除し、僕からその一撃を自分の体を盾にして守り、そして炎に燃えながら姿を消していった。


するとサヴァーが「お、お前が悪いんだ。お前が目立ち過ぎるから。」と何かに怯えながら言っていた。


その光景を見ていた周りの生徒達はというと、サヴァーの取り巻きは「チッ!」と言いたげな顔をし、ロミナは両手で顔を覆い隠している。さらに、僕に決闘を申し込んできた内の髪が赤い方の娘は無表情なままであり、いつからいたのか銀髪の方の娘は訝しげな顔をしていた。


さらに、サヴァーの方からは小声で何か言って、その内容をたまたま聞き取った僕は心の中では驚きはしたが、それ以上に御霊が目の前で消えてしまったことに対する悲しみが大きかった。




私は激怒している。その対象はもちろん私が決闘を申し込んだ少年でも彼に重傷を負わそうとして、結果的に彼の霊獣を殺したサヴァーというものでもない。そのサヴァーの取り巻き達にだ。いや、私が見ている限りではどちらかと言うならリーダー格というものはあの中には居らず、強いて言うならサヴァーというもの以外の四人が世間でいう幹部級というもので、サヴァーという者が本当の取り巻きみたいだ。

そう、自分たちは高見の見物しかせず、全てをあのサヴァーという少年にさせているように見えたのだ。



場所は変わりとある部屋にて


仕方が、仕方がなかったんだ。本当はあいつ自身に攻撃なんてしたくはなかったんだ。そのうえあいつのじゃなくても霊獣を殺したくなんかなかったんだ。だけど、あいつらが言ったことに従わないと俺の霊獣・・・・が殺されてしまうんだ。そう思いながら自分の部屋の隅に縮こまっていた。




実習後のこと


「たくよぉ、なんで重傷を負わせようとしたんだよ。」

「そうだそうだ。そこは殺そうとしろよ。」

「たく、これだから没落して貴族になったやつは」

「わざわざ俺の砂伊賀さいがと小刀を貸してやったつぅのによぉ。よっぽどあいつを消されたいんだなぁ。んん?」それぞれ言いたいだけ言うと、笑いながらその場を去っていった。


そして、完全に去った後、悔しいが、俺には何もできない。こいつらの言われるままにこいつらのリーダー格をこれからも演じなくてはならない。そう思うとなんで平民ではなく貴族になったのか?そう俺は思っていた。


・・・・これが俺の実習の後にかわした会話だ。実はこの学校に来る前にあの四人と出会っていた。そしてそのときにあいつらは俺の霊獣を捕らえて脅されることになった。


そして何も対抗策がねれないまま今日を迎えてしまった。

「いつか朝霧の奴に許されないとはわかっているが、謝らないとな。」

そう自分の気付かぬ間に口にした。



□ □ □


「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」

と叫びながら刀を振るっている者の影が一つ有り。

雨は降っている。でもなぜか冷たいと思いながら、風を引きやすくなるとわかってはいた。でも、そうせずにはいられなかった。そうなった心当たりはある。


そう、それは実習の後のことだった。



実習が終わった帰り道


「おい貴様、そこに止まれ。」

そう何処かで聞き覚えのある声が後ろからした。

振り向いてみるとそこにはあの銀髪の娘がいた。赤髪の娘はいなかった。

「何?僕に何かよう?僕は今から学園長に用事があるんだけど。」

「その用事をお前にさせるわけにはいかない。お前、退学するつもりだろ。」

「するわけないでしょ。せっかく入れたのに、もったいないじゃん。」

実は図星だ。僕は今から退学届を出そうとしている。

「そうか、ではその右手に持っているその紙はなんだ。」

「これ?これは新しい霊獣使役の許可書だよ。今から申請するんだ。」

「貴様自身がそのことを拒絶しているのにか?」

なんでわかるんだ?

「理由は簡単だ、武器はたとえ霊獣が死んでもその武器にはその霊獣しか宿れない。この基本を貴様が知らないはずがなかろう?なのに貴様は今だにあのカラスを宿していた刀をつけている。それともなんだ?どれだけ可愛がっても死んでしまえば用無しか?」

やめろ

「それもそうだなぁ、あんな弱そうな霊獣じゃあなぁ。」

やめろ

「貴様もさぞかし恥いてたのだろうなぁ。あんな弱そうな霊獣を所持していたということをなんだったら私の家が保管している霊獣を貸してやってもいいのだぞ?」


やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ!!!!!!!!!


「それ以上、御霊のことを悪く言うなぁ!!!!」

僕は自分でも知らない内にそう言いながら目の前の少女に飛びかかった。

が、その少女はフッと笑うと僕の拳をあっさりと受け流した。

そして「やっと正直になったか」と微笑みながらいうと僕の頭元に星座で座ると僕の頭をその太ももにのせた。いわゆる膝枕という奴だ。


しばらく静寂が続いたが、その静寂を破ったのはその少女の言葉だった。


「ところで、今更だが貴様の名前はなんだ?」そう聞いてきた。なので答えようと口を開けると

「あぁ失礼。先に名乗らせてもらう。私の名前はガルラ・レンク・ヴァレンチェだ。ヴァレンチェでよければガルラでも構わない。あと私と一緒にいたのはクイナというものだ。仲良くしてやってくれ。」

・・・・先に名乗られた。聞いてきたのはそっちなのに

だが、名乗られたので名乗り返すことにした。

「僕は朝霧 針路、こちらも針路でいいよ。」

「では、針路、二つ教えてやる。まず一つ、サヴァーは脅されている。」

「え?」

「ちなみにその脅している奴らはあいつの取り巻きだ。」

「え?、どういうこと?」

そう聞くと「ふふ、どうしたいかは自分で決めろ。」と言ってきた。


どうしようか?と考えていると一つ疑問に感じたことが出てきた。


「ところで決闘はどうなるの?僕今霊獣を所持していないんだけど」

そうだ、決闘はどうなるのか聞いておきたかったのだ。


「ん?それならするぞ?まあ霊獣は使えないがな。」

へぇー、霊獣無しでも決闘していいんだ。あれ、ちょっと待てよ。

「ところでもう一つって何?」

「何がだ?」

「いや、僕にいっておきたいことが二つあるって言っていたよね?」

そうだ。二つあるって言っていたのにまだ一つしか言われていない。

「ああ、もう一つは簡単なことだ。針路、今の刀の型をやめろ。」

「・・・・は?」

それは予想だにしていないものだった。



なんでも型というものは一度見破られると対処してくる者が多いらしい。なので型を捨ててメチャクチャでもいいから自分だけの型を作れ、とのことだった。


そして今に至る。


僕が刀を振るっていると周りから

「おい、見ろよ霊獣失った平民風情が刀なんか降ってるぜ。」

「なんでか知らねえ?霊獣使役していないんだったらとっとと学園から去ってくれないかしら。」

「ちょっと姫さんに気に入られてるからって特別じゃあないっつうの。」

などという会話が聞こえてきた。が、ガルラに言われた通りただ刀を振って臨機応変な戦いができるように素振りすることで気を紛らわせることにした。


その近くにある森の隙間には鳥のような形に赤い炎が灯っていたことに気付かないほどに



□ □ □



「フハァァァァァファアア、今日もよく頑張ったなぁ。」

霊獣を失ってしまったので、僕は霊獣を使用した戦闘の実習を受けられなくなったばかりでなく、他の生徒からはこれまで以上の非難の目を向けられ、一部の先生からは無視されている。唯一ロミナとガルラとは友達のように話せるように(どちらかと一体一のときだけであるが)なりはしたが、それでもどうしても午後の授業は参加しなければならない。それにプラスして取り巻きがいないときのサヴァーの僕に対する視線がすまなさそうにしていたのがいたたまれなかった。なので通常授業が終わったら真っ先に寮に帰って素振りと予習復習の日々を過ごしていた。そういえばガルラとの決闘今日だったなあ。そう思っていると


コンコン


とドアから音がした。時計の針を見てみると6時間目がそろそろ終わる午後の4時になっていた。正直僕にはこの時間帯に遊びに来る友達も知人もいないので「誰ですか?」と聞きながらドアを開けた。するとそこには赤い着物を着た黒髪ストレートのキキョウの花の簪をしている可愛らしげな少女がいた。が、正直な感想を口にした。


「えっと・・・・どちら様でしょうか?」


そう言うと目の前の少女がいきなり目をうるうるさせて涙を流し出した。そして、それとほぼ同時にその少女が僕の胸に飛びついてこう言った。


「お久しぶりです。針路様!!あなた様の霊獣、御霊です。またお会いしたかったです!」


その言葉を聞いた瞬間、僕の時間が一瞬だけ止まった。

新しいヒロインは着物っ子でした。さてさて、感想、レビューにてこの小説の感想を募集中です。その他にもこんなキャラを出して欲しいという案、欲を言うならイラストも募集しています。


あと、どうでもいいですが、

滅びろリア充!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

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