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その理由

掲載日:2026/01/12

しいな ここみ 様主催、冬のホラー企画4参加作品です。キーワード全部盛り

 餅田の運転していた「開運先取り南南東微南スキーツアー」のバスは雪山でスリップし滑落事故を起こし、乗客が全員死亡という惨事となった。観光会社のバヌアツ企画は海外に逃走し、非難は生き残った運転手の餅田に集中した。そして結局は餅田も自宅で首を吊って死んだ。


 しかし神の悪戯か、餅田の魂は事故の数日前にタイムリープしていた。半信半疑だったが結果を知っている有馬記念で8桁の大金を手に入れ、そのことを確信した。


 それでも事故は避けられない運命だった。二度目の事故当日、餅田は寸前で転落だけは回避した。準備していた防寒グッズや食料で乗客の体温低下を防ぎ介抱し、救援が来るまで誰も死なせることなく凌いだ。そのことで風向きは変わり餅田は奇蹟の人と賞賛され、逃げるはずだった観光会社の社長は空港で捕まり責任を取らされた。


 事件が一段落して、アパートのこたつで寝転んでいた餅田だったが、水森と名乗る少女とその母親が訪ねてきた。バスの中でぬいぐるみを抱えていたあの子だった。そして母親の口からあのバスツアーの真実を聞かされる。

 あのツアーの乗客は全員がわけありで、死亡保険をかけられていたのだという。つまりあの事故は起こるようにヤクザに仕組まれていたのだと。この少女も難病を患い親戚やあちこちに借金をしていた。


「それでもこうして生きのびたのも神様の思し召しなのでしょう。もう少しがんばってみます」

 そう言って頭を下げて背を向ける2人に餅田は声をかけた。自分が戻ってきた理由が他にもあったのだと分かったからだ。


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― 新着の感想 ―
8桁に及ぶ当選金を手に入れてそのまま会社を辞めて平穏に過ごすという手もあったのに、敢えてそれをせずに被害を最小限に減らすべく手を尽くす。 そこに餅田さんの善性と前回の周期における後悔が感じられますね。…
 わ⁈ ここでもキーワードのコンプリート⁈  なんかみんなしてがんばってますねぇ。  それにしても、今企画の中珍しく良い話……というには微妙な真実でしたが、それだけに救いのある内容が好い感じです。  …
このお話、まとまりが凄くて、そしてラストが凄く良いなって私は感じました。もう一文、二文付け足したら分かり易いことはわかり易い。そんなことは、きっと分かってる。 でもあえてあの文章で終わる余韻。それがで…
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