6話 サクラ急襲
陸へ戻ると1人の兵士が息を切らして走ってきた
「ヤマト殿!大変です!メアからの連絡でサクラの町に軍隊が向かっているそうです、今頃は戦闘に入っているものと思われます!」
「なんだと!アスタロト悪い、オレは戻る!」
「あい、わかった!報告は私の方からしておく」
クソ!クソ!どこの軍隊だ、グランゾート王国が圧力かけられて派兵したのか?
とにかく急げ!
ブオオオオオオオオオオ!
くそー!急げ!
メアの軍隊はオレが削っちまったしな、それでも魔王軍で耐えられるか
みんな無事でいろよ………………ミイ
2時間後サクラの町が見えてきた
さすが魔王軍だ、メア頑張ってくれたんだな門は突破されてない!
お前らは許さんぞ!許さんぞーーーー!
零式水上偵察機から飛び降りるとともに
「全砲門開け!」
「てーーーい!」
トトドゥフーーーン!ドドドーン!
タタタタタタタタタタタタタタタ!
ダンダンダンダンダンダン!
ダダダダダダダダダ!
相手軍隊の後方から砲撃を加えて、魔王軍との挟み撃ちに持ち込む
ドカドカドカドカドカドカドカドカ!
「後方から急襲!新手の魔王軍のようです!」
「クソ!なんだ一体?このままでは挟み撃ちではないか!」
サクラ側ではメアが奮闘していた
「みんな!ヤマトさんが来てくれたよ!いけー!押し込めーー!突撃ー!」
うぉぉぉぉぉぉぉぉ!
あそこが本隊だな、許さんぞ!
「お前が大将か!死ねーー!」
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!
タタタタタタタタタタタタタタタタタタタタ!
「な、なんだお前1人?うがああ!ごばっ…………」
ぎゃああああ!助けてく、ぐああああああ!
あがー!ごば!
ドドドーン!ドゥフーーン!ドゥフーーン!
ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!
ダダダダダダダダダダダダダ!
もう動く者がいなくなっても撃ち続けるヤマト
「ヤマトさん!」
メアの声が聞こえ我に返る
「お、終わってたか…………敵はもういないのか」
「うん、ヤマトさんから逃げてきたのはうちらで片付けたよ、後方はヤマトさんが全部倒したし」
「町は?みんなは無事か?」
「大丈夫、町には入られてないよ」
「そうか、メアありがとう」
「ヤマトさんに言われると照れるな、アハハ」
「そこまでの大軍じゃなかったのか」
「そうだね、元々兵力もないし士気もそんなに高くなかったし」
「そうか、とりあえずみんなを休ませてやってくれ、オレは町の様子を見てくる」
「うん、わかった」
町へ入ると戦えるものは門付近で武装して待機していた
「ヤマトさん!来てくれたんだ」
そう話しかけてきたのはサンだ
「ああ、みんな無事か?」
「うん、メアの魔王軍が前線で頑張ってくれたから町の被害はないよ」
「ヤマトさん!」
「大将!」
サーシャとサラも駆け寄ってくる
「来てくれると信じてました!」
「大将が来るまで生きた心地がしなかったよ」
「みんな無事で良かった、他の連中はあの屋敷か?」
「はい、みなさん逃げないでこの町に留まると言って」
「じゃあ知らせないとな」
ミイもそこか、ミイ
ヤマトは自然と早足になり屋敷へと向かう
「みんな終わったぞ!安心してくれ」
ワーワー
うおおおおぉ!
歓声が上がる中
「ヤマトーー!」
ミイが飛びついてきた
「ミイ!無事か?怖かったろ、もう安心だ…………」
ヤマトは強くミイを抱きしめる
「ヤマトが来てくれるって信じてたから平気……」
「必ず助けに行くって言ったろ…………」
「うん、うん、ヤマトぉ、良かったぁ……」
しばらく2人は抱き合ったままだった
「よし、帰るか」
「うん!ヤマト!肩車して!」
「よし、ほら!」
「アハハ、たかーーい!」
みんなそれぞれ家路についた
サクラ亭夜 食堂
「しかし、よくあんなに早く連絡が来たな、魔王軍はそういう物があるのか?」
メアに聞いてみた
「会話は出来ないけど、水晶玉を使って赤く光らすとかは出来るんだ」
「なるほどな、結構すごい技術持ってんだな」
「原理は知らないけどね」
「しかし、ヤマトさんが来てからはあっという間に終わりましたね」
サーシャが話し出す
「魔王軍が守りを固めて動かないとこを敵は攻めあぐねてたからね」
「そういえばアルテミスのほうはどうなりました?」
「一旦仕切りなおしだな、なんか女王がいて何故かそれが魔王の奥さんだったんだと」
「え?ファティマ様が?なんで?」
「まあ、洗脳されてんだろうな、オレが見たわけじゃないから詳しくはアスタロトから聞かないとな」
「そうか、魔王様がどう動くかだね」
「魔法がすごくて近ずけんらしい」
「ファティマ様は魔王様よりも魔力は高いからね」
「まあ街は制圧したから時間の問題だろ」
「だといいんだけどね」
話を終えたのでヤマトとミイは部屋へ戻った
「ミイはいざとなれば逃げ足は速いからな」
「でもみんなを置いて1人だけ逃げられないよ」
「まあ、それはそんなんだが…………」
「待ってればヤマトが来てくれるから頑張ろうってみんな励ましあってたよ」
「今回は魔王軍の技術に助けられたな、あれがなかったら間に合ってないからな」
「魔王の奥さん助けたら終わりなのかな?」
「なんかしっくり来ないよな、じゃあその奥さんを洗脳したやつはどこにいるんだ?って話になるしな」
「でもあとは魔王のほうでなんとかするんじゃない?ヤマトまた行っちゃうの?」
「いや、オレはやることはやったからからな、まあ助けがいるなら行くが連絡待ちだな」
「良かったぁ、ヤマトとしばらくは離れたくない」
「オレもミイと離れるのが不安になったからな、しばらくは町を離れん」
「えへへ、甘えちゃおー!」