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4話 開戦

カーン!ガギーン!


ヤマトに向かって斬り掛かる兵士たち

しかし、全てを跳ね返すヤマトに対し


「なんだこいつは!鉄みたいな音がするぞ!」

「クソクソ!斬れねえ!」


ヤマトはゆっくりと壁から歩いて離れていく


「くそ!追えー!追えー!城に行かせるな!」


隊列を組んで盾でヤマトを押し返そうとするが、暖簾でもくぐるかのように歩いていくヤマト


「隊長だめです!止まりません!」

「なんだこの力はー!」


よく見渡すとこの辺はスラム街だ、住人がチラホラいるのが見えた


はあ?なんで住人が残ってんだ?


張りついている兵士の1人を捕まえて問う


「おい、なんで住人がいんだ?避難誘導してねえのかよ?」

「く!この辺は税金もまともに払ってない連中だ、そんな義務も義理もない」


はあ、払ってないじゃなくて払えないからだろ

昔は払ってたんじゃねえのかよ


「そうかそうか、払ってないから死んでも構わないのか」

「あんなゴミどもに崇高なる志しを持つ我々がそんなことをしても意味はない!」

「崇高ねえ、じゃあその崇高なる志しを立派に果たして死ね」

「へ?」


「13mm連装機銃」


タタタタタタタ!タタタタタ!

タタタタタ!タタタタタ!タタタタタ!


「ぐああああああ!」

「ごふーーー!」

「がはああああああ!」


タタタタタ!タタタタタ!タタタタタ!


「ぎゃああああ!」

「引けー!引けー!なんだこれは!魔法か!」


タタタタタ!タタタタタ!タタタタタ!


「くそ!引けー!引けー!壁の魔法隊こいつを撃てー!」


火、水、氷、雷、風、様々な魔法攻撃がヤマトを襲う


なるほど、これじゃ魔王軍も中々近ずけないわけだ

おいおい、住人もお構い無しかよ

仕方ねえ守ってやるか


「46cm3連装砲」


その巨大な砲台で住人の盾としつつ壁への砲撃を始める


ドゥフーーン!ドゥフーーン!ドゥフーーン!


「な、で、デカい、なんだこれは…………」


ドガー!ドゴーン!ドガー!

ガラガラガラガラ


厚い壁も一撃ごとに穴が空き、崩れていく壁


「ああ、壁が………………」


ドドドフゥーーン!

ドガドガドガー!

ドドドーン!ドガドガドガー!


ガシャーン!ガラガラゴロゴロ


「うわあああ!落ちる!」

「がはああああああ!」


壁の上にいた魔法隊も壁の崩落と一緒に落ちていく

しばらく砲撃を加えて壁の1部分が完全に崩落すると、壁の向こうから魔王軍の雄叫びが聞こえてきた


よし、魔王軍の突撃が始まるか

じゃあオレは船の用意でもしてくるかね


ヤマトは湖の東側へと向かう


ワーワーギャーギャー

ワーワーギャーギャー


人間側が総崩れの中、魔王軍の総攻撃が始まった


「隊長!味方は総崩れです!撤退を!」

「えーい!どこに撤退するのだ!踏みとどまれ!」


ワーワーギャーギャー


元々個人の戦闘力も高く、数も多い魔王軍に人間側は成すすべなく続々と街への進入を許す

街の中心地も魔王軍の支配下と成りつつあったが住人への殺戮などはほとんどなく、兵士のみを攻撃する

それはヤマトの要望であり、あくまで攻撃の意志を持つ者を攻撃しろと

アルテミスと同じ真似をするなら協力はしないし魔王軍を敵とみなすと言われたら言うことを聞かざるを得ない

そしてヤマトは湖の東側に着くと



「第1種戦闘態勢変換」


ザパーーーン!

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ


現れたのはかつての本来の姿、戦艦だ

この姿でアスタロト達を待つ


ワーワーギャーギャー


「な、な、な、なんだこれは?船?城ではないかこれは」

「はああああああ?」


しばらくしてアスタロト精鋭部隊が到着した


「鉄?なんで浮いてるのだ?動くのかこれは?」

「デカい……………………デカすぎるだろ」

「………………………………」

「神………………………………?」


反応は様々だが、この世の物ではないというのが全員が思ったことだ


「は!そうだ、ヤマトどのーーー!ヤマトどのーー!どこにいらっしゃるーーー!」

アスタロトの問いに拡声器でヤマトがそれに応える


「オレはこの船の中だ!そこにある船を使ってここまで来て乗船してくれ!」

「あいわかったーー!よし!全員船を使ってあそこまでいくぞ!」

「了解!」


まずはアスタロトがヤマトに近ずいていく


「はあ…………近くまでくると改めてデカいな………………なんだこの高さは」

「将軍………………これはなんです?船じゃなくて城ですよね?」

「だがヤマト殿は船を用意すると言っていたからな、船なんだろう、これしか見当たらんし…………」

「船………………………………ですか」


「ロープも使って登って甲板まで来たらそのまま中に入ってくれ!」

ヤマトの声が聞こえてきたので続々と甲板まで登ってくる精鋭たち

さすがと言うべきか、難なく登ってくる



「な、広い!これは…………デカい!なんだあの筒のついた物は…………………………神の乗り物かこれは」

「将軍………………オレたち何を見てるんでしょうね」

「わからん…………だがこれほどの興奮は子供の頃以来だ」

「そうですね、なんか格好いいですよねこの船」

「ああ、この超攻撃的な形は興奮を抑えきれん!」


「アスタロトは中に入ったら1番上まで来てくれ」


「あいわかったー!しかし、この声はなんだ?これだけ声が響くのは何かの魔法か?」

「将軍、もう考えるのはよしましょう、意味はないです」

「ん、ああそうだな、神の物を我々が理解できるはずもないか」


カンカンカンカン


エレベーターもあったがアスタロト達がわかるはずもなく階段で登ってくる


「階段も鉄か………………しかし高い、いつになったら着くんだ」

「壁も鉄ですよ、なんで浮いてるんでしょうね」


カンカンカンカン


ようやく着いたアスタロト達はまたその高さに驚いてはいたものの


「高いな」

「ええ、将軍私は驚き疲れました」

「見たこともない物ばかりだな、数字やら色々書いてあるがなんだこれは」


「全員乗ったかー?」

ヤマトの声は聞こえるが姿が見えないことに


「全員乗船して中に入った!ヤマト殿はいずこにいらっしゃるーーー!」

「オレはこの船を動かさないとだから別の場所にいる、城まで届けるからそこで見物でもしといてくれ」

「よろしく頼む!」


戦艦ヤマトが遂に動き出す

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