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出遅れ勇者と、調合士の  作者: 工場症
とある日の
1/3

採取風景、その一部

「イ゛イ゛ィ゛ィ゛ヤ゛ァ゛ァ゛ァ゛ア゛!!」


 そんな悲鳴が林の中に響き渡った。

 ……いや一点ずつ補足と訂正がありますね。


 そんな()()悲鳴が()()()()()()()()()()()()()に響き渡った。


 足元から次々に私の下半身を目掛けて、突き刺さんばかりに次々と竹が生えて来る。というかコレ明らかに突き刺そうとしてますよね?乙女の尊厳の危機どころか命の危機なのでは?


 そんな事を考えると同時、私の左を走っているこの事態の元凶に声を掛けた。というかブチ切れた。


「なぁぁぁにを考えてんですかこの頭収穫脳は!?私林のちょっと奥まった所の奴を数本採取すれば十分って言いましたよね!?なんで辺り一帯薙ぎ払ってんですか!?」


「いや、ほら、こう……私の中の豊穣の血がやれって語りかけてきたからさ……ね?」


「ね?じゃねーですよ?上目使いで可愛く言えば許されるのは胸部が豊かな人だけですよ?荒涼とした平原にソレをされても……」


「酷くない?ねぇ幾らなんでも酷くない!?」


「この事態招いた時点で何言われても反論の権利は無いデスヨ?」


「……誠に申し訳ありませんでした」


 駆け抜けながらのそんなやり取りで一応の溜飲は下がったものの、この事態が好転するわけでもない。むしろ大声を出しながらの全力疾走で息がツラい!!


「その大鎌(サイズ)、豊穣神様からの授かり物だか何だか知りませんけどどれだけの範囲薙ぎ払ったんですかコレ……林の入り口すら見えかかってますけども」


「えっとね……私のテンション次第で国一つの自然丸裸もイケるってサ!!」


「完全に広域環境破壊兵器じゃないですか!?」


 植物を見たら斬り倒したがるこの収穫脳になんて代物渡してるんですか豊穣神様は!?世界を荒れ地にでも染め上げたいんですか……


 と、ここでようやくこの竹林の出口が近付いてきました。我が家の裏山の竹林ですがなんでこんな成長スピードなんでしょうか。普通は1日かけてようやく私の身長程度、豊穣神の加護で豊かな土地でもせいぜい家の高さまで届くかどうか……と以前呼んだ本には書いてあったのですが。


 と、出口を前に気を抜いていたからでしょうか。『ガッ!!』と足元から鈍い音が


「ナ゛ナ゛メ゛ッ゛!?」


 斜めに生えて来た竹を踏んでしまい足を挫きました。というか他が真っ直ぐ上向きな中なんで斜めに生えて来てるんですか!?そんなところであいでんててーの主張なんかしなくていいんですよ!?まずいです、転びます、このままでは私のすべすべでかわいらしいお腹が竹でとてもお見せ出来ない事になってしまいます。これは世界にとって大きな損失なのではないでしょうか?


 ここまでを体が倒れきるまでに考えていたのですが


「危なっ!!」


 と左手を捕まれ、そのままの勢いで林から抜け出しました。


 背筋は冷えきっているのに体は火照っていて、荒い息を吐き出しながら地面へと倒れ込みます。


 隣で座り込んだお気楽は笑顔で


「いやぁ危なかった危なかった、上手く手が取れて良かったよ」


 なんて言ってます。


「…………助けられたのは事実ですけど、貴女割と余裕ですよね?というか私を抱えながらでも脱出出来ましたよね?」


「……………………」(顔を逸らす)


 顔逸らしやがりましたよこの元凶、私が同年代でも群を抜いて貧弱(貧相ではない)とはいえ、ですよ?事実かは置いておいて勇者を名乗るこの娘の身体能力なら私を抱えてでも余裕綽々だったでしょうに……


「まったく……体力()あるんですから貧弱な私を助けてくれても良かったのに」


「その何かが無いみたいな言い方ヤメてよ!?」


 そう言いながらこちらを見た顔と向かい合って笑いあいました。


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 コレは魔王とやらが倒された後にやって来た勇者(ねぼすけさん)と、ソレに時に振り回し振り回される調合士見習い(わたし)の物語です。




「あ、疲れて立てないんで家までおぶって下さい」


「はいはい」

前々からなろうに作品を出してみたいと思ったことから構想を練って執筆してみました。

基本的に作品タイトル→章名→各話タイトルで一つの文章として認識していただければ……

至らない所や誤字などもあるかもしれませんが、よろしくお願いします!


あ、感想とか頂けたら作者が喜びの舞を個人的にしますハイ

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