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海の音は消えない

お待たせしました!

第5章行きます♪

波は穏やかな追い風で速力が出ない‥‥‥

先陣隊はもう先に行った。

心配する事は無いが嫌な予感がする。。。


ー我々の役目は落としたナポリ港の管理。

後付であるが需要拠点の制覇である。


船の数は80隻少々と少ないが、中級帆船も数十隻連れて来ている。兵站も含め十分過ぎる穀物を戦線に送る。。

ただそれだけの任務であった。


油断も、海が穏やかなせいかあったのだろう。


(坊や。音が聞こえない海はないよ。知っておきな。風の音。波の音。鳥の音。海上では必ず何か知ら聞こえるんじゃ。聞こえんときは‥人魚の歌が聞こえる。それはもう美しく儚い。。聞いたら最後と思え!)


変な記憶を思い出す。祖母は欧州の出であった。

野蛮な父と違い難しい言葉で教えてくれた。

皆と同じ様に欧州はわからん事をたまにいう。

‥‥何故か思い出す。


残り12海里。目標は達成したと思えた。

明かりも見え始め魔道士の連絡も問題ない。


‥‥だが。

波音が消えた‥‥‥?


「何か見えるか!船橋?」

「は?港の光がもう眩しいくらい目の前ですぜ?親方」

「嫌‥‥‥波音が聞こえなくなったか。。。」

「そういえばそうですね?あれ‥‥潮流が変わるんですかね?この時季?」

「いかん!全速前進!急げ!港に入るぞ!漕げぃ!!」


多分これは嫌な予感がしたー

その号令が最後の命令になったのは。


無常であった―――

感覚が切り替わる様に―――

・・どこからか聴こえるハーブの音が頭に。

全ての器官が集中する。。。


そして耳が音だけしか聞こえず


見える視界で地獄を見た―――




□□□


Longing for you day and in dream

I'm hoping you are here and leading my way

You steers my road anytime I need

If you walk away, I will follow you

Trying my life〜


歌いながらこの曲を考えた人に失礼と思う。

生まれてから歌が好きだった。


どんな歌でもフレーズを聴けばその歌がどんな意味かわかる。

シュリから教わったこの歌もそう。

音響がしっかりしているし歌いやすい。

ただ、造られた様なテンポと歌詞‥‥‥

ちなみに私は歌を歌う事で意味を知る。それがどんな言語であろうか歌うだけで理解するのだ。そういう運命で存在しているし―――


この曲は美しいけど非道と思う。

何故か?と言われれば迷うけど。


頑張った人の小さな幸せを褒める。但しそれだけ。

小さな村人が日々の事を幸せと思うように。

今ある中でも幸せで在ろうとする弱い部分を責める。。。


ほら?意味も分からず波に飲み込まれる。

ほら。。。何が起こっているか分からず空を飛ぶ魚に抉られる‥‥‥

ほら?波が変わり出てくるオクトパスに気づかないまま海の餌に。


海の魔獣はその血を引く海獣は逆らえない。

飛び魚のようなガジュルートは虹の様に大多数現れ船に乗り込み食い荒らす。サハギンは乗り上がり光モノをとり残虐する。

周りの海域を変えながら左右に召喚されたカリュブディスとスキュラは好き放題惨殺をして。


血を溢れ出しながらも光悦な表情で死んでいく。

夢見心地の様に海の藻屑となり。

下等な海獣は我先にとそれを争う。


60隻程の船は真っ赤になり沈んでいく。


―――それは神が望んだ事。


肌黒い南蛮の勇猛な兵は何が起きたか分からず沈んでいく。

それはシュリが望んだ事。



彼らは痛みも分からず―――

私の歌声に酔えばいい。


私の歌声は感覚を麻痺させ昂揚感覚を刺激する。

確かにいい歌だ。

”Aesthetic”と言ったか。

シュリの知っている歌は綺麗なフレーズで整っている‥‥‥

まるで未来の様に綺麗に整って。




△△△


何が、起こっているんだ?

海は荒れてノッキングは凄い。だが恐れの感覚はない――

海から飛び出す魚の数は数千。避けきれない。

だが兵士は避ける事もせずに削られ倒れる。


‥あぁ理解できるほど頭が廻らないのか。

船は波に攫われどんどん沈んでいく。

ただ兵士は光悦の顔をしながら倒れていく。

耳ではない。頭で感覚が集中し歌声に意識を向かう。

周りの事はどうでも良い。


海に落ちても冷たさすら感じはしない

どこかで「しっかりしろ!幻術だ!聞くな!」と言う自分が入る。


ただそうでもなく。

海はこんなに綺麗だったのか‥‥‥

深い深海に落ちながら上を見る。月明かりはどんどんと遠くなり、海上を泳ぐ海女と目が合った。


冷たさはない。

恐怖は感じるが音が頭に入る。

あぁスキュラか。醜い神だが丁度いい。

器官はつまり生きれない事はつまり‥‥‥‥


―――次の瞬間海流が蛇に変わり四股を食いちぎられた


痛みがない。音が聞こえない。感覚がない。

‥何が起こっているのか頭と視界だけで追いつけない。


―――仕方ない。


そう思うとベロを伸ばし憂いげに迫ってくる醜い姿ですら愛おしい。


――ギャヒャジャ!

最後そんな雑音が聞こえ身体の肉が削がれた―――



▽▽▽


ナポリ港で奪還したと報告があったが、それは5日と続かなかった。

ナポリ港の灯台は赤く染まり、一晩にして沈黙を保った。


バルバリア海賊団は全滅した。

応援と食材を持った85隻の船舶団は消えていなくなった。


それは海上だけでなく。

町中でも美しい歌声が響いたという。

曰くナポリの市民はそのこえに聞き痺れ、涙を流したという。

曰くあの歌声の持ち主はだれか?とオペラ業者が走り回ったが分からず。曰く歌声は異世界の言語であったが、自然と皆理解できた。


翌日‥‥‥赤く染まりし港に皆絶句したという。

少なくともその被害からカリュブディスとスキュラが共闘して守る事は未だなく、そのどちらの被害もわかる様に砂浜は藻屑と死体で溢れていた。


 翌日ナポリ港に残っていたバルハリア守護兵は一目散に逃げて行った。ほぼ数人残されただけで主隊は皆北上している。

人数的優位に欠けた彼らに残る意味はない。


大きな岩の上に至福の表情をした死体が打ち上げられていた。


それはラビ・シフ総顧問の姿であった。

首より下は背骨だけが残され、既に人と言うには遠いくはあれど、顔は青白くほっぺに口紅がついていた。


その姿で分かった。

人魚の口紅がそこに表すと。


見つけたあとまた感覚は失われた。

同じ歌声であるが、そこにハーブを引く人魚が皆見えた。


何も言えない。

何もできない。

何も尋ねる事はできない。


ただ、歌声は美しく、涙が出た。

ナポリ港で苦しい想いをした庶民は皆、奇跡をしった。


この場所は海神と人魚姫に守られたと。


And I'm walking through the all of the world

Carrying your wish like the Venus in the dim sky〜♪



「イレーネ姫様。終わりました。もう歌は良いかと」

「ふぅ〜そう。ご苦労。帰りますね」

「これで海中海の威厳は人間共(ニンゲン)に知れ渡るでしょう」

「………どうでもいい」

「姫様の貢献は今後史上に残る歴史と(うるさい!)し、失礼しました!」


「‥‥シュリに助けると約束したの。これでいいから。帰るよ?」


不機嫌そうにゆっくり海を泳ぎ暗闇に消えて行く。

この行動は神に何を言われるのか。。

分かっていても不安は脱ぎない‥‥‥



この時代の大海戦を前にナポリ奪還は歴史を大きく変えることになる()()()()()()()()()()()()


この出来事はシューリヘトがジェノヴァに到着した翌日の事で合った。


‥‥時間は動き出す。それは想像しない様に。

第5章開始!

是非ブックマークいただけると嬉しいです。

(*゜∀゜)ノ

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