魔法というもの
その後家族で手を取りお祈りしたあと馬車に乗る。
興奮し過ぎたのか、クリルもリリルも屋敷につく頃は寝ていた。
母上は少し疲れ気味だったし、お婆様は悲しそうにしていたので、昼みたいに疑問口に出せず部屋に。興奮して眠れないので窓を開け神殿の方に目が行く。灯籠はないのだが、星がいつも以上に煌めいて見えた。
祖先様に届いたのかな?
翌日朝起きて皆普段通りだ。
僕は相変わらず運動とアレフレッドと打ち込み、マシュー厶と古文字勉強初めた。
今まで以上に真剣になった気がする。
あれだけの奇跡を見れたんだ。
□□□
それから半年が過ぎた。
冬でも雪は降らずただ寒い時期になっていた。
「シュー様、そろそろ魔法の事を習いますか?」
「え。いいのですか!?」
「一通りの事務作業はできると思います。元々洗礼式までの書き読みは終わりましたし…」
グッっと手を握り喜ぶ。ヒャッホー魔法だ♪
「はァ…まあいいでしょう。では真面目にお答え下さい」
あ、はい。
「あなたは魔法を何に使いますか?」
「と、いいますと?」
「魔法は確かに生活を便利にし、いくつかの儀式で見せた様な祝福も贈る事ができます。」
あの後も収穫祭や冬初めの儀式、新年の宴なども見た。
うんうんと頷く。
「また、魔法の使い方を間違えると世界を敵する事もあります。厄災のニファーナ、灰色の片腕ライトや壊滅都市エルグランドなどは事実魔法の暴走で起こりました。迫害の歴史すら600年前にありましたから」
何それ。怖い。真剣になってくる。
「私は元々孤児でした。神殿に拾われ祈りのうちに見についたので参考なりませんが…」
それからマシュー厶自身の経験の事を教えてくれた。魔力を感知し嬉しかった事、神官から教えられた通り礼拝を繰り返し、人々を幸福に導いた事を参考に話をしてくれた。
「通常ですとそこまで心配しません。がシュー様、あなたの魔力は出合ったその日からとても大きなっております。使い方を間違えれば。すぐにでも都市の一つや二つ破壊できるでしょう」
「ちょっと待って下さい!それは言い過ぎです!そんな事できる訳ないしやろうとも思いません!」
「うふふ。強ち嘘でもなく事実ですが。それだけ存在を持ったうえ魔法を使い何がしたいでしょうか?」
…そう言われれば言葉に詰まる。正直何ができるかよく分からないのだ。
「正直。。何がしたいか分からないです。。母上の様な祝福は出来ればと思いますが。魔法で何ができるのも検討つかないのです。。ただ、無闇やたらに人を傷つける事はありません!」
「クスッ…はい。よく分かりました。まだ5歳にもなってないあなたへの厳しい質問と思います。が、使い方を間違えると本当に大事な人や家族が危険になると知って下さい。合格です。
シューリヘト・オズベルタス・レグナム。私の知っている知識をできる限り教えます」
笑顔で微笑むマシュー厶の眼は輝いていた。
この時に師がマシュー厶・ストリープで良かったと心から思う。
もし違えば。僕はすぐにでも大殺戮をしていた。
□□□
朝、当てられた授業は魔力操作を行う。
「なんとなくですが、シュー様はご自身で意識されていると思います。実際には異なる部分もあるのですが…魔法は自身の魔力操作、効果範囲、発現を通し出されるものと思いまし。まずは自身の魔力量を知ることからが初期の一歩です」
これが意外と難しい。目に見えるんならわかるけど、感じてとしか言いようが無いようだ。
「こう!ふぁっと纏い!集め、神の祈りを!」
…何かちんぷんかんぷんな事を言う。
ただ意識すればそこに集まる感覚はあるんだけど。時間かかるかな?
昼食の時に母上に聞いてみる。
「そうね〜私貴族院に行く頃身について居たかしら?そのうちできる様になるわよ♪」
そういえば母は楽天家だった。まあ普段はふわふわしてるし。
「婆の時は厳しい修行で見についたわいシュー坊。修道院に3年も入れば見につくかの?」
何それもっと怖い。婆ちゃん世代の苦労はいつも恐怖話だ。取り敢えず急いでもダメって事かな。
昼からは眷属、そして神話の話を聞く。また時間があれば読書なども行いつつ勉強会だ。雑談を交えて情報を集める。
「属性というものでしょうか。暑い地域は水、寒い地域は火が好まれます。水 火 地 風が4大原子で光 暗 珍しい所では金 砂など多くありますが見たこともあまりないですね」
儀式に使われる神殿魔術は少し異なり、祝詞に付加価値を着けるらしい。その分発音は難しいが、消費魔力は加護を受ける分少ないのだ。それも眷属に合わした組み合わせや効果は異なる。単純に食事の時も祝詞に合わせ祝福が出ており、食あたりや毒物も回避できると聞いた時は驚いた。
「あとは魔獣や精霊。。うーんよく分からない部分が多いですが、転移など使われる古代魔法などもあります」
この辺りはそう操作するので魔力を注ぐ。魔術具も発掘されるが仕組みは不確定と言う塩梅だ。
専門魔術学校もあるし、魔術国の様な所行けばわかるらしい。
古代は凄い魔法使われていたんだね!という話に収まる。
実際に研究者になるわけではない。
「貴族は他より魔力が強い傾向にあります。単純に長く歴史を保ってきた家系にあるので、血縁によるものと思います」
その反面庶民や平民が極端に少ないという訳でもなく、誰にでもある程度魔力は存在する。が、誰にでも魔法使えるわけではないではない。実際孤児のマシュー厶は使い方を教わる事で魔法が使えている。
「多くの平民は使う事をせずに終わりますが、伝記にでる人物は平民など出身も多いのですよ?伝説の賢者ファンネルも平民出身と聞いております」
「あの竜を退治したと言う物語ですね?」
「はい。始世紀なのでよく分からない部分は多いですが。あの物語は皆知ってますね♪」
そんなこんなを話ながら日々は過ごして行く。
この島は平穏なのんびりとした島なので周りの事が良く分からない。春になると漁船は活発になり新鮮な魚も増えて来た。季節が変われど食事変わる位だ。
月は流れて、この世界に来て1年が経とうするとき、誕生日には領主様は来れなかった。
リアコタス兄上が誕生会と共に久しぶりに会話をし、話を聞きながら稽古をしながら日々は続く。
ずっとこんな日が続く。幸せな日々を過ごせていた。
魔法について目的の確認目線でした。
しばらく毎日投稿していく予定です。
本日2部目です。
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