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再び家族晩餐 六歳

祝10話です!魔法を覚え暴走しだすシュー。。

「フューリ。ちょっと聞いていいかい?怒らないで」


「…事と内容によっては怒らない確信は持てませんが。何をしでかしたのでしょう?」


超笑顔だ。だんだんと母上に似て来たのかな。


「えっと、フューリと同じくらいの身長の胸当てってある?うーんもう少し大きな胸の娘なんだけど」


「ほぅ?ぼっちゃまそんな趣味がお有りで。パンツは飽きましたか?」


「い、いやそうじゃなくって。。えーと」

「何を隠してます?(ピキピキ・・)」


「フッ、フューリの胸当てを下さいまし!」


 フューリははぁ〜と残念そうなジト眼で僕を見る。


「まあ1枚や2枚別に構いませんが。。変な事に使うのはお止めください。家族が泣くことになりますよ。。」


…説得に時間がかかった・・フューリの視線がイタイ。変態を見る目そのもので見下してる。胸当ては手に入るが、大事なものを失った気がした。



 何とかゲットした胸当てをイレーネに渡し、いろんな話をした。

海底にも神殿が有ること、海にも魔獣はいること。

人魚は珍しいので人間に合ったら逃げる様に言われてるので友達を呼べないこと。

また同じ様に出来れば人を呼んでほしくないと言われた。この神殿の周りは魚も豊富で、静かなのが気に入ってるらしい。魔獣も寄り付かない。

 

 週に2回程度時間が取れとき遊びに行くようになった。合図を決めて、口笛吹くとイレーネは海から顔を出してくれた。泳ぎを習ったり、ぷかぷかとぷにスラで遊んだりした。


「クラゲみたいでいいわね。棘ないからこれ痛くないし。頂戴」

「いいけど魔力で作っているから途中で溶けるよ?」

「あら残念。今度は美味しいお菓子お願いね♪」


 クッキーやら茶菓子はイレーネに好評だ。たまに魚も貰うのでお互い様だけど仲良くしてくれた。あ、あと、ちょっと胸当てが小さいわねと言われた事はフューリに言えない。絶対に言えないやい。

 


□□□


 月日は流れ僕は六歳の誕生日を迎える。小さい頃はいろんな事が記憶に残るので、思い出はかなり深いと感じた。

しかしそれと同時に別れもある。マシュー厶が中央神殿呼ばれ戻ることになった。この所、春の儀式から人が足りないのか週に2、3日船で出ていたので、もしかしてと思ったが。いなくなるのは寂しい。


 昼には懐かしい兄二人が来て、いろいろな話してくれた。


「この所北の国境が不穏な動きをしている。リアコタス、其方も北門に配備される可能性があるぞ。隣国アメディアの官僚が相次ぐ不審死をしている関係もあるからな」


「はい。兄上帝国も東部ゴード王国との合戦が本格化されています。貴族院でも緊急な会合があったり、共闘の話もチラホラ流れています」


…戦乱が既に。他人事ではないな。帝国との国の間はアメディアしかない。今年から騎士見習いとなるリアコタス兄は気が気でないだろう。


そういえばラインストーン兄上も昨年は来れず、顔も一層厳しくなっていた。騎士団の中隊に配属されていると聞く。


「…其方が心配する事はない。シューリヘト。どうだ?剣術が上がったか見てやろう」


「はい!兄上」


 優しい顔をして頭をクシャっとしてくれる。ラインストーン兄は領主継承二位にあり、高齢化している現父上の跡を継ぐ可能性が大きい。ちなみに僕は六位。領主はどうでもいいけどこの島は大切にしたい。何処か他国へ養子で出されそうだけど。


 庭に出て準備運動をする。

毎日の鍛錬、一応基礎体力も身長も上がった。


「どこからでも打って来い。本気だぞ?兄に恥をかかすな」


よし。魔力操作の鍛錬を試せる。アレフレッドにも何度かに一度、後ろを取れるスピードが今の武器だ。


「巨人タァタンの強さを我が腕に 灼熱の風ノトスの加護を給わり授かる・・参ります!」

 

 それは一瞬世界がブレた。


同時にラインストーンの後ろに小さな子供がしゃがみこみ、カエルの様に飛び上がる。


反応が遅れたラインストーンは後ろに退く。


空に真紅の飛沫(しぶき)が舞い散った。


「兄上!」

「騒ぐな!対した事はない!」


右脇腹から右眼に至るまで大きな線が入っていた。(あご)の下を切られたラインストーンは手を当て止血する。


「シュー、いやシューリヘトよ。私にここまで傷つけたのは其方が初めてだ。。何故泣く?私は嬉しいのだが」


「だって。。兄上。血が。。うぐっ。傷つける気はなかった。。ごべんなさぃ・・」


 マシュー厶が駆けつけ治癒の魔法を使いその場は落ち着いた。

傷は目蓋(まぶた)の上まで入り込みもう少しで失明する可能性もあった。傷は閉じるが、跡は残る。特に顎は綺麗に斬れていた。



 リアコタスはその光景を見て敵わないと思った。

たった六歳の子供が、木刀でだ。簡易鎧を切り裂き肌を裂く。

見えなかった。同じ様に動けなかった。これが真剣だと多分死んでいた。シューリヘト。末恐ろしい弟にゾッと寒気がした。



―――大泣きをしたあとマシュー厶から怒られた。

加護を使い傷つける事はあなたらしくない、と。

悲しい思いをするのだから、例え全力といえども抑えなさい。

あなたにはそれができるのだから―――




□□□


「久しい事だ。こうしてまた皆が会えることは。我が三男シューリヘトが無事六の年を迎える事ができた。ゲルットヒルムの成長に感謝を!」


「「感謝を」」


「しばらく見ぬうちに男らしい顔になったではないか。ん?目が腫れておるな。。」


「領主様。シューリヘトは悪くありません。先刻、庭の出来事ですが…」


先の話をラインストーン自ら説明する。本人の傷跡が未だピンクにわかるので誰も疑うものはいない。


「ラインが傷を追ったとな?間違えではないのか?」


「発言、失礼致します。シューリヘト様はこの二年間の間、毎日繰り返し魔力操作を行い、加護を受ける方法も教えて参りました。少なくとも私に近い魔力がこの年でございます」


ドヨっと皆が戸惑う。最年少の神巫女と称されたマシュー厶の言葉はそれだけ衝撃的だ。


「ただ、見ての通り(わず)か六歳の子供。強がっていますが、精神も年相応で優しい心をお持ちです。今後同じ様な事はしないと思いますが、ここにいる家族の皆々様。間違えを正し、人の道を踏み外さない様、ご指導よろしくお願い存じあげます」


「分かりました。マシュー厶の言葉、兄のあなた達も領主のあなたもしっかりと噛み締めなさい」

「「ハッ!母上」」


「うむ。そうか。相分かった」


ヒゲに手を当て困った様にオズベルタスがいい、少し沈黙が続く。


「あい。しゅーにぃの事はあいわかった」


「りりるもあい。見ておく」


ぷっ、ぷぷっ。。と僕が吹き出す。。

「まぁ。ふふふ」


「ふむ、この二人にはかなわんな。食事を持てい。初めるか」


 晩餐会はクリルとリリルのおかげで楽しく始まった。3歳なった二人は少し遅くまで起きていても大丈夫と参加してる。言ってる事は分かってないけど。八つの席に皆がそれぞれ付き初めての家族で楽しい晩餐が始まった。

 

「ここの料理はホッとするな」


「合いも変わらず簡素な味付けですが、新鮮だけが取り柄の魚介です」


「そうでもないぞ。蒸し魚も一段と風味が出ており柑橘との相性は良い。調理人も腕を上げたな」


「あら。それはシューが考えた料理ですわ。うふふ」


「…リヘトは料理も分かるのか」


「単に名物『レモレモ』を合わしただけです、領主様。調味料には少し興味がありますが。。一度首都の市場をみたいものです」


「フハハ!面白い事を言う。調味料を知りたく首都に行きたいと。面白い」


「ほんとに。困ったもんですわ」


「ふむ。洗礼式には一度呼ぶか。首都では春に行うのでそれもよかろう」


「あ、ありがとうございます?」


あれ?首都行く事なってない・・?


「よかろー」「よろしくてよ?くりるー」


「おチビはもう少しお留守番をしておけ。まだまだ幼いからな」

「はい父上」「はいですわ」


 妹二人いるとみんな和む。少し団欒をしたあと、ツィーターが既に眠そうな二人を先に挨拶させ退出させる。


 その後は政治の話だ。まだ地名程度しか分かってない僕には口が出せない。国名ならともかく、ゴペン高原や西天ルートなど聞き慣れないものばかりで(?)しかでない。


「それとリアコタス。まだ確定ではないが其方はプルトゥゲザ王国の王族に嫁ぐ予定がある」


「!!父上私は兄同様、騎士としてこの国を守りたいと。。」


「今や戦乱の時。騎士といえども何処で命を落とすか分からぬ」


 その後父はプルトゥゲザ王国は貿易して友好であり、遠いが、その分東部の端にあるため戦乱に巻き込まれ難い。

 宗教としても厳格なので神殿間とやり取りができる。また、今の時勢何があっておかしくない。両領主ともに高齢な為、子の婚姻の心配話からスムーズに進んでいったと言う。


「もしくは心に決めた者でもいるか?」


「リアコタス。前向きに捉える良い。国力はうちの国が上であるが、大海に一番近いのはプルトゥゲザのリスボンだ。港も東部一と言われる国は知っておいたほうがいい」


「ハッ。。父上、兄上、ご配慮ありがとうございます」


「うむ。すぐにと言う話ではない。秋頃まで追って待て。またシューリへトよ」


「は、はい!」この流れ・・う。もう婚約?


「あぁ。(おも)にはリュフォーリルなのだが。西ゴード王国の王女が幼いのだがな。神儀式の見学をお願いされた。中央神殿で受け入れる予定だったが。。分かろう?」


「はい。中央神殿は派閥同士の争いがあるとマシュー厶より。背景に貴族もいるのでもし万が一でも巻き込まれる事は国家間と言えども危険ですわ。そしてゴード王国自体が大国で祝福を信じていませんし。ハァ。困ったものだわね」

母様の困ったポーズの角度が深い。


「近衛とラインを警備へ当てる。神儀は心配せんでいいのだが、どっちかといえば対応するリへトはまだ早いか?」


「早いかどうかは早いと思います。どうせ派手な成人式がみたいのであれば、マシュー厶を送ればいいじゃありませんか」


「そうだな。まぁ今年の灯籠祭なるか。。神殿長も困ったもんだ」


 中央神殿は首都な分人が多く訪れる。祝福は魔力により大きさは異なる。つまりマシュー厶の派手な祝福は中央神殿のいい宣伝なるのだ。

宗教すらも宣伝。。んー。。


「リアコタス兄様は案内に来れないのですか?」

「夏は見習い騎士の集中山籠りなんだよ」

「他神官か、案内役の王族は派遣できますか?」

「難しいだろうな」


うーん。やはり母親が異なる所には行きにくいらいしい。まぁ逆ならそうだもんね。


「じゃあ(わたくし)、案内でなく、母上と変わり祝福をしましょうか?」


     「「「は?」」」


「そしたら母上が着いて王女の案内ができるでしょう。あ、神殿側から許可とかいるかな。。」


「ちょっと待て。シューリヘト、其方『祝福』ができるのか?」


「はい。こんな感じでしょうか?」


 目を閉じゆっくり半目にし、手を(つぼみ)の様に開く。

  光の線が上に向かい天井を突き抜ける。


 「咲かせよ 鼓草(ツヅミグサ)の羽種の様に」


光の柱は上で弾けて初めて成人式で見たように羽光は降り注ぐ。



「どうでしょうか?」


みんな唖然としている。ポカーンだ。

何よりこの場で祝福ができると思わない領主の護衛騎士、側使えは何が起こったか分かってすらいない。

フューリだけが僕の事をジト目でみながら。


「・・あとで部屋いらっしゃい。・・マシュー厶もね」


 僕を見てにこにこする母上の手が震えていた。

・・もちろんマシュー厶は涙目だ。



しばらく毎日投稿していく予定です。


是非ブックマークいただけると嬉しいです。

またコメントなどもどうぞ。

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